事業コンセプトをどう定めるか|業態名ではなく顧客便益で定義する

事業コンセプトをどう定めるか|業態名ではなく顧客便益で定義する
店舗の形や商品名だけで事業を定義すると、環境が変わったときに選択肢が狭くなります。
一方で、抽象的すぎる表現では現場が何を守るべきか分かりません。
事業定義の核は顧客便益です。
現在の強みと将来の展開余地を同時に言葉へ入れます。
強欲な青木
うちは何業かと聞かれたら、業態名を答えればいいですか。
消防設備士
業態名だけでなく、顧客へ届ける価値まで答えましょう。
この記事の要点
  • 業態名と事業定義を分ける
  • 現在の核となる強みを残す
  • 顧客が得る便益を明確にする
  • 広すぎず狭すぎない範囲を決める
  • 複数の展開方法を同じ約束で束ねる

目次

業態名と事業を分ける

業態名から顧客便益へ視野を広げる立体イラスト

レストラン、販売店、施工店といった名称は、現在の提供方法を示します。しかし提供方法は、顧客や技術の変化に合わせて変わり得ます。

事業コンセプトは、業態の形ではなく顧客へ何を提供するかから検討します。

提供方法と提供価値を切り分けます。

強欲な青木
消防設備業という名前だけでは足りないんですね。
消防設備士
安心や事業継続など、顧客側の価値まで示すと判断しやすくなります。

現在の強みを核にする

核となる強みから提供方法が枝分かれする立体イラスト

将来の余地を広げるために、現在の強みまで捨てる必要はありません。顧客が評価している品質、専門性、速さなどを核として残します。

現在の事業から離れすぎる表現は、社員や加盟店の実感を失わせます。

変えない核を先に特定します。

㈱防災屋
防災の専門性は、展開方法が変わっても守る核です。
BO-Pro®
核が明確なら、新しいサービスも同じ基準で評価できます。

顧客便益を具体化する

顧客が複数の便益を受け取る立体イラスト

顧客が商品やサービスを通じて、どのような状態になるのかを考えます。品質だけでなく、安心、楽しさ、くつろぎといった体験も便益です。

本書の検討例では、本物のおいしさだけでなく、楽しさやくつろぎも顧客便益として扱っています。

商品ではなく利用後の変化を表します。

㈱防災屋
消防設備でも、点検そのものより安心して任せられる状態が価値です。
消防設備士
顧客の言葉を集めると、便益を具体化しやすくなります。

広さの境界を調整する

現在の事業と将来性の境界を調整する立体イラスト

定義が狭すぎれば新しい機会を逃し、広すぎれば何でもできる曖昧な会社になります。現在の顧客が納得でき、隣接分野へも進める境界を探します。

抽象度を上げるだけでは、事業コンセプトが現場から離れてしまいます。

現在と未来の両方から境界を確かめます。

強欲な青木
広く書けば成長できると思っていました。
BO-Pro®
広さより、何をしないかも判断できる境界が大切です。

一つの約束で展開を束ねる

複数の業態を一つの顧客価値で束ねる立体イラスト

店舗、訪問、オンラインなど提供方法が増えても、顧客への約束が共通ならブランドはぶれません。本部は加盟店が新しい施策を検討するとき、この約束との整合性を確認します。

事業コンセプトは、複数の業態を同じ方向へ導く共通基準になります。

顧客への約束を判断軸にします。

㈱防災屋
予防時代をリードする価値を、さまざまな形で届けます。
BO-Pro®
提供方法が増えても、共通の約束があれば加盟店を支援できます。

よくある質問

事業定義は業種名と同じですか?

同じではありません。業種名に加え、誰へどのような便益を届けるかを示します。

どこまで広く定義すればよいですか?

現在の強みと顧客の認識から離れず、隣接する展開方法を検討できる範囲が目安です。

加盟店にはどう共有しますか?

定義文だけでなく、合う施策と合わない施策の事例を研修で示します。

事業定義は変更できますか?

環境や顧客価値の変化に応じて見直せます。ただし、既存加盟店との合意やブランドの一貫性を確認します。

まとめ

☑ 課題:業態名だけでは将来の選択肢が狭い
⇒ 提供方法と顧客価値を分けて考える

☑ 事業定義の中心は顧客便益
⇒ 利用後に顧客が得る状態を言葉にする

☑ 課題:抽象化しすぎると現場から離れる
⇒ 現在の強みを変えない核として残す

☑ 課題:広すぎる定義は判断に使えない
⇒ 何をしないかも分かる境界を決める

☑ 複数業態は一つの約束で束ねる
⇒ 新施策を顧客への約束との整合性で評価する

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