防災管理点検とは?
防災管理点検とは、消防法 第36条〔防災管理者等〕に定められている制度で、大規模建築物に対して建物の地震対策などの点検・報告を実施するものです。
防災管理点検の実施および報告時期
点検の対象となる建築物の所有者、または管理者は、年1回、防災管理点検を実施し、その結果を消防機関に報告しなければなりません。
点検・報告の基準となる日は、点検対象となる建築物の管理を開始した日です。基準日から1年以内に点検を実施する必要があります。
防災管理点検と防火対象物点検の違い
防災管理点検と似た点検に「防火対象物点検(消防法第8条の2の2)」があります。
防災管理点検は、地震などの災害に備えるために実施されるものです。
一方、防火対象物点検は、火災に備えるために実施されるものです。
防火対象物点検については、以下の記事をご参照ください。
>> 防火対象物点検
防災管理点検の対象
防火管理者選任義務のある防火対象物のうち、次の1から3に該当するものが防火管理点検の対象となります。
- ①表1に掲げる対象用途で、ⅠからⅢの規模のいずれかに該当するもの
- ②複合用途防火対象物の場合は、表2に該当するもの
- ③延べ面積1,000㎡以上の地下街(16の2)項
防災管理点検の項目
具体的な防災管理点検の内容は施設や状況により異なりますが、一般的な点検項目には以下のようなものが含まれます。
(1)避難経路の確認
- 避難経路が確保されており、障害物がないか確認する
- 避難経路の表示や案内が正確かどうかを確認する
(2)非常用照明の点検
- 緊急時に使用される非常用照明が正常に機能しているか確認する
(3)非常用出口の点検
- 非常用出口が確実に開けられるようになっているか確認する
- 出口の表示や照明が正常であることを確認する
(4)消防用設備の点検
- 消火器が有効期限内であるか、適切に保管されているか確認する
- 消防設備が正常に動作するか確認する
(5)緊急通報手段の確認
- 災害時に速やかに通報できる手段が確保されているか確認する
- 緊急時の連絡先や通報プロシージャが明確であることを確認する
これらの点検は、事前に計画されたスケジュールで定期的に行われ、発見された問題に対しては修復や改善が行われるべきです。
防災管理点検は、施設や住居の安全性を確保し、災害時に迅速で効果的な対応ができるようにするための重要な活動です。
防災管理点検結果報告書
防災管理点検結果報告書の概要
防災管理点検結果報告書は防災管理点検が義務となる建物及び事業所の管理権原者が、防災管理点検資格者に点検させ、その結果を1年に1回消防署長に報告するための報告書です。
報告に必要となる書類は下記の2つになります。
- 防災管理点検結果報告書
- 防災管理点検票
防災管理点検結果報告書 記入例
ここでは東京消防庁が提供する防災管理点検結果報告書の記入例をご紹介します。
防災管理点検結果報告書 保存期間
防災管理点検結果報告書は、原則として点検日から3年間保存する必要があります。
誤って破棄しないように注意しましょう。
防災管理点検資格者
防災管理点検を行うには、防災管理点検資格者が必要になります。
防災管理資格者とは、大規模建築物における防災管理に関する所定の資格講習を修了した人を指します。
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