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株式会社防災屋

連結送水管の耐圧試験

連結送水管とは、高層ビルや地下街などで消火活動を容易にするために設置される消防用設備です。

高層階の建物が火事になった場合、消防ポンプ車からホースを伸ばして地上から消火活動を行うのが困難なため、配管設備と放水口をあらかじめ設けて、火災現場に近い場所で消火活動を行うことができます。

連結送水管において注意すべき点は、 設置後10年を経過したものを対象に、3年ごとに耐圧試験を実施する必要がある ということです。

㈱防災屋では、 連結送水管の耐圧性能試験を35,000円(税抜) から提供しています。

連結送水管でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

連結送水管の仕組み

連結送水管は主に「送水口」「配管」「放水口」「格納箱」で構成されています。

「送水口」・・・ポンプ車のホースを接続して各放水口に水を送ります。

「配管」・・・水を放水口に届ける経路です。

「放水口」・・・建物の各フロアに設置してあり消火時はホースを繋いで消火活動を行います。

「格納箱」・・・中に放水口が設置してあり、「放水口」の標識が付いており、ひと目で分かります。

必要な点検について

消防点検時において、送水口、放水口、および格納箱の外観に異常がないか、標識が正しく取り付けられているか、バルブが正常であるか、ホースやノズルに問題がないか、屋上補給水槽に異常がないか、などを点検します。

同時に、送水口や放水口周辺において、消火活動時に支障をきたす可能性のある障害物が置かれていないかも確認します。
ただし、上記の点検だけでは配管に問題があるかどうかは確定できません。

配管は地中に埋設されている場合があり、目視での点検が難しい箇所も多々あります。
したがって、定期的に実際に配管に水圧をかけて配管等に問題が無いかを点検します。

連結送水管の設置基準

連結送水管の設置基準は「消防法施行令第29条」にて以下のとおり規定されています。

連結送水管は、次の各号に掲げる防火対象物に設置するものとする。

一 別表第一に掲げる建築物で、地階を除く階数が7以上のもの

二 前号に掲げるもののほか、地階を除く階数が5以上の別表第一に掲げる建築物で、延べ面積が6,000㎡以上のもの

三 別表第一(16の2)項 地下街で、延べ面積が1,000㎡以上のもの

四 別表第一(18)項 商店街アーケード

設置免除はあるのか?

本来であれば連結送水管を設置しなければならない建物でも、特例基準にあてはまれば連結送水管の設置が免除されます。

1 発電設備、変電設備等の電気設備又は金属溶解設備等屋内消火栓設備による注水によっては、消火不能又は消火困難と認められる設備のある場所においては、連結送水管を設置しないことができる。

2 地階を除く階数が7以上の建築物のうち、延べ面積が2,000平方メートル未満で、7階以上の階の部分を昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類するものに使用し、かつ、当該部分に電動機以外の可燃物を収容又は使用しないものについては、連結送水管を設置しないことができる。

3 延長50メートル以上のアーケードのうち、道路の片側又は両側に設けるもの、又は屋根が定着していないものについては、連結送水管を設置しないことができる。

4 仮設建築物で、下記の屋内消火栓設備の基準に適合するものについては、連結送水管を設置しないことができる。

  • (1) 存続期間が6カ月以内であること
  • (2) 火災時に容易に避難できると認められる位置及び構造形態であること
  • (3) 火災を早期に発見し、かつ、報知することができる措置が講じられていること
  • (4) 初期消火のための措置が講じられていること

5 階段室型共同住宅等(個々の階段室等(地上若しくは避難階に通じる直通階段又はその階段室をいう。以下同じ。)を連結する廊下を有するものを除く。)において、放水口を次により設置する場合は、令第29条第2項(※1)第1号の規定によらないことができる。

  • (1) 階段室等ごとに、3階に設けること
  • (2) (1)により設けるものを含み、階段室等ごとに、それぞれ階数が3(メゾネット型住戸(1の住戸でその階数が2以上にわたるものをいう。)の階数は1とみなす。)以内ごとに、かつ、3階以上の階の各部分から1の放水口までの歩行距離が50m以下となるように設けること 

6 スキップフロア型又はメゾネット型の共同住宅の住戸その他の2以上の階数を有する1の住戸について、放水口等を次により設置する場合は、令第29条(※1)第2項の規定によらないことができる。

  • (1) 放水口は双口形とし、廊下階の階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所で、消防隊が有効に消火活動を行うことのできる位置に設けること
  • (2) 当該防火対象物の3階以上の階の各部分から、1の放水口までの歩行距離が50メートル以下であること
  • (3) 放水口の設置階の最下階は4階以下とすること
  • (4) 放水口の上部には、赤色の位置表示灯を設けること

7 次のいずれかに該当するものについては、条例第46条(※2)第4項の規定による放水口を設置しないことができる。

  • (1) 連結送水管の設置を要する部分が地階だけとなるもの
  • (2) 防火対象物の屋根が片流れ又は切妻屋根等であり陸屋根部分がなく消防活動が困難であるもの
  • (3) 屋上に上がるための階段が設けられていないもの

8 条例第46条(※2)第1項第3号の規定のみにより連結送水管の設置を要することとなる自動車駐車場のうち、1層2段の自走式自動車駐車場にあっては、次の(1)及び(2)に、その他のものにあっては、次に適合するものについては連結送水管を設置しないことができる。

  • (1) 当該部分の床面の高さが、地盤面から7メートル以下の位置にあること
  • (2) 1面以上が道(幅員が現に4メートル以上であるものに限る。以下同じ。)又は道に通じる幅員4メートル以上の通路その他の空地(以下「道路等」という。)に面しており、かつ、当該道路等から、梯子を架梯し、又は屋外階段、屋外傾斜路を使用することなどにより、消防隊が当該部分に容易に進入できること
  • (3) 当該部分の一辺の長さがいずれも40メートル以下であり、かつ、その床面積が1,000平方メートル以下であること

9 地階を除く階数が11の防火対象物で、11階の各部分から1の放水口までの歩行距離が25メートル以下である場合は、規則第31条第6号ロ(※3)の規定にかかわらず、ホースの格納本数は2本以上とすることができる。

10 最上階(条例第46条第1項第3号に掲げる屋上を含む。)に設ける放水口の地盤面からの高さが70メートルを超えないものにあっては、規則第31条第6号イ(※4)の規定にかかわらず、加圧送水装置を設置しないことができる。

※1:令第29条

放水口は、次に掲げる防火対象物又はその階若しくはその部分ごとに、当該防火対象物又はその階若しくはその部分のいずれの場所からも一の放水口までの水平距離がそれぞれに定める距離以下となるように、かつ、階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所で消防隊が有効に消火活動を行うことができる位置に設けること。

  • イ 前項第一号及び第二号に掲げる建築物の三階以上の階 50m
  • ロ 前項第三号に掲げる防火対象物の地階 50m
  • ハ 前項第四号に掲げる防火対象物 25m
  • ニ 前項第五号に掲げる防火対象物の道路の用に供される部分 25m

二 主管の内径は、100mm以上とすること。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。

三 送水口は、双口形とし、消防ポンプ自動車が容易に接近することができる位置に設けること。

四 地階を除く階数が11以上の建築物に設置する連結送水管については、次のイからハまでに定めるところによること。

  • イ 当該建築物の十一階以上の部分に設ける放水口は、双口形とすること。
  • ロ 総務省令で定めるところにより、非常電源を附置した加圧送水装置を設けること。
  • ハ 総務省令で定めるところにより、放水用器具を格納した箱をイに規定する放水口に附置すること。ただし、放水用器具の搬送が容易である建築物として総務省令で定めるものについては、この限りでない。

※2:条例第46条

次の各号に掲げる防火対象物の部分には、連結送水管を設けなければならない。

(1) 令別表第1(2)項、(4)項、(10)項、(13)項及び(16)項イに掲げる防火対象物の地階又は無窓階(1 階及び 2 階を除く。)で、床面積が 1,000㎡以上のもの

(2) 令別表第1に掲げる建築物の屋上で、回転翼航空機の発着場又は自動車駐車場(地階を除く階数が2以下で、かつ、床面積が200㎡未満のものは除く。)の用途に供するもの

 連結送水管の放水口は、前項第1号に掲げる階にあってはその各部分から、同項第2号に掲げる屋上にあっては屋上の主たる用途に供する部分の各部分から、それぞれ1の放水口までの水平距離が50m以下となるように設けなければならない。

 第1項の規定により設ける連結送水管は、令第29条第2項第2号及び第3号並びに規則第31条の規定の例により設置し、及び維持しなければならない。

 第1項第1号及び令第29条第1項各号(第3号及び第4号を除く。)の規定により設ける連結送水管には、その屋上に1以上の放水口を設けなければならない。

※3:規則第31条第6号ロ

ポンプの全揚程は、次の式により求めた値以上の値とすること。

H=h1+h2+h3+h4

Hは、ポンプの全揚程(単位 メートル)

h1は、消防用ホースの摩擦損失水頭(単位 メートル)

h2は、配管の摩擦損失水頭(単位 メートル)

h3は、落差(単位 メートル)

h4は、ノズルの先端における放水時の水頭 六十(消防長又は消防署長が指定する場合にあつては、当該指定された水頭とする。)(単位 メートル)

※4:規則第31条第6号イ

ポンプの吐出量は、隣接する二の階に設けられる放水口の設置個数を合計した個数のうち最大となる当該設置個数(設置個数が三を超えるときは、三とする。)に800ℓ 毎分(前条第一項の指定を受けた防火対象物にあつては、水力計算に用いた量)を乗じて得た量以上の量とすること。ただし、連結送水管の立管ごとに、加圧送水装置を設ける場合におけるポンプの吐出量は、それぞれ1,600ℓ 毎分(前条第一項の指定を受けた防火対象物にあつては、水力計算に用いた量に二を乗じて得た量)以上の量とすること。

連結送水管の耐圧試験ついて

耐圧試験の概要

 連結送水管及び消防ホースは消防法第17条3の3の規定(消防用設備等の点検及び報告)に基づき、耐圧試験を実施する事が義務付けられています。 

 連結送水管は設置から10年経過 したら配管に所定の水圧をかけて漏水しない事を確認します。
その後は 3年毎に耐圧試験を実施する必要 があります。

いざと言う時に消防隊が放水しようとして漏水により使用出来ないとならない為にも、決められた期限内に耐圧試験を実施することが重要です。

耐圧試験に係る資格

連結送水管耐圧試験は、消防設備士や消防設備点検資格などの有資格者でなければ実施することができません。
つまり、士業の独占業務になります。

耐圧試験の費用の相場

㈱防災屋では、 連結送水管の耐圧試験を35,000円(税抜)から提供 させていただいております。
ただし、次のような条件によって費用が大きく変わる可能性があります。

  • 連結送水管が2系統以上あるか
  • 高層階ビルか
  • 消防署に提出する書類作成の有無
  • その他の消防点検の有無

また、試験の結果「配管等の交換が必要」と判断された場合は、交換費用等が追加で必要となります。

連結送水管は高層ビルや地下街などで消火活動を容易にするために設置される消防用設備であり、7階以上の建物や地下街では連結送水管の設置が必須となります。
また、連結送水管の設置免除もありますが、条件が多岐に渡るため、詳細は専門家に確認するようにしましょう。

有事の際にしっかりと連結送水管が機能するよう、耐圧試験等の点検を正しく行うことが重要です。
株式会社防災屋には経験豊富な消防設備士が多数在籍しています。
連結送水管の耐圧試験にてお困りの際はお気軽に弊社までお問い合わせください。

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連結送水管とは、高層ビルや地下街などで消火活動を容易にするために設置される消防用設備です。 高層階の建物が火事になった場合、消防ポンプ車からホースを伸ばして地上から消火活動を行うのが困難なため、配管設備と放水口をあらかじ...