防災管理の消防計画には、関係機関との連絡という項目を書く欄があります。
同じ位置を防火管理の消防計画で見ると、そこには消防機関との連絡と書かれています。
一語しか違いませんが、条文が想定している相手の広さがまるで違います。
この違いは防災管理が備える災害の広さから来ています。
消防計画に関係機関との連絡という欄があるのですが、消防署の電話番号だけ書いて出しています。
これで足りているのでしょうか。
防火管理の欄なら消防機関だけで足ります。
ただ防災管理の欄は条文の言葉が違うので、そこで止めると足りません。
言葉が違うのですか。
どこを見れば確かめられますか。
規則の号を並べて読むと一目で分かります。
そのうえで消防庁のガイドラインが連絡網まで求めています。
- 防災管理の消防計画には関係機関との連絡に関することを定めます
- 根拠は消防法施行規則第51条の8第1項第1号ヘです
- 防火管理の同じ号は相手が消防機関に限られています
- 備える災害は令第45条の地震と毒性物質の発散等なので相手が広がります
- 消防庁のガイドラインは連絡網を作って消防計画に記載することを挙げています
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目次
防災管理の消防計画にある関係機関とはどこを指すのか

そのヘに置かれているのが関係機関との連絡です。
消防機関という限定が付いていないので、消防以外の相手も含みうる書き方になっています。
どこまでを含めるかは建物ごとに決めることになりますが、手がかりは備えるべき災害の側にあります。
防災管理が備える災害は令第45条で地震と毒性物質の発散等の二つに絞られていて、火災は入りません。
まずは自分の消防計画のヘの欄に、消防署以外の連絡先が一つでも書いてあるかを確かめてください。
火災が入らないというのは意外でした。
だから相手が消防署だけではなくなるのですね。
そのとおりです。
地震や毒性物質の発散等で動く先を思い浮かべると、書くべき欄の広さが見えてきます。
防火管理の消防計画ではなぜ消防機関と書かれているのか

ただし条文の言葉はそろっていません。
条文は理由までを書いていませんが、二つの制度が備えている相手の違いは条文から読み取れます。
防火管理が備えるのは火災で、通報も現場の活動も消防機関が受け持ちます。
防災管理が備えるのは地震と毒性物質の発散等なので、消防機関以外が動く場面が条文の側から想定されています。
自分の計画を見比べるときは、防火の欄をそのまま写して終わりにしていないかを確認してください。
うちのひな形は防火のものを流用していました。
言われてみると欄の名前だけ変えてあります。
よくある形です。
欄の名前が変わったのは中身も変えてくださいという意味だと受け取ってください。
関係機関との連絡は消防計画にどう書けばよいのか

中身の目安は消防庁のガイドラインが示しています。
誰から誰へどうつなぐのかという連絡手段と連絡手順までを明確にすることが挙げられています。
同じガイドラインは自衛消防組織の本部隊の任務にも関係機関や関係者への連絡を挙げていて、担い手まで整理されています。
つまり欄に書くのは連絡先そのものより、誰が受けて誰へ回すかという線の引き方です。
手元のひな形が電話番号の羅列で終わっているなら、そこへ担当と順番を書き足すところから始めてください。
連絡網という言葉が出てくるとは思いませんでした。
名簿を作れば終わりだと考えていました。
名簿は材料で、線を引いて初めて動きます。
本部隊の誰が受けるところまで決めておくと迷いません。
実務で見落としやすいのはどこか

ガイドラインはその落ちを名指ししています。
地震のあとは複数の階から同時に異変が上がるので、通報の重複が起きやすくなります。
もう一つ落ちやすいのが令第45条第二号の災害で、ガイドラインは毒性物質の発散等について関係機関への通報連絡と避難誘導を火災や地震に準じて行うことを記載するよう挙げています。
また防災管理維持台帳の編冊の対象を定めた規則第51条の12第1項第6号のイからチまでには、関係機関との連絡の状況が挙がっていません。
同項第七号の防災管理上必要な書類で受け止めることはできますが、名指しされていない項目なので記録が残りにくいところだと考えておいてください。
同じ相手へ二人が電話をかけるのは確かに起こりそうです。
台帳の話は初めて知りました。
止めるのは順番を決めておくことだけです。
台帳に名指しが無いぶん、綴じる書類はこちらで決めておきましょう。
明日からなにをすればよいのか

洗い出しと、線の引き方と、確かめ方です。
地震で建物が損なわれたときに誰へ連絡するのか、毒性物質の発散等が起きたときに誰へ連絡するのかを、それぞれ書き出します。
次に、上げる先と受ける人を線でつないだ連絡網にして、消防計画のヘの欄に載せます。
最後に、規則第51条の8第1項第1号ホの避難の訓練の中で実際に連絡を回してみて、つながらない線が無いかを確かめます。
訓練の結果を踏まえた見直しは同号トが求めているので、直した内容はそのまま計画の改定として残してください。
三つに分けてもらえると手が動きます。
まず洗い出しの表を作ります。
その表が連絡網の材料になります。
訓練で一度回してみると、抜けている先がすぐ見つかります。
よくある質問
まとめ
欄の名前が違う意味がやっと腑に落ちました。
連絡網から手を付けます。
そこが決まれば訓練の中身も変わります。
消防計画の見直しや届出でお困りでしたら、㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第36条第1項
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第45条・第46条・第48条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条第1項・第51条の3・第51条の8・第51条の12
- 総務省消防庁「大規模地震等に対応した消防計画作成ガイドライン」(平成31年)
- e-Gov法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





