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火災報知器とは?種類・仕組み・設置義務をわかりやすく解説!

火災報知器は普段の生活であまり意識することはないかもしれませんが、私たちの安全を守る上で欠かせない消防用設備です。

総務省消防庁のデータによると、令和4年の住宅火災の発生件数は26,657件、死者数は1,484人にも上ります。住宅火災による死者のうち、約6割が65歳以上の高齢者という事実も深刻です。

 火災の恐ろしい点は、その発生が予測できないことです。就寝中や外出時など、私たちがすぐに対応できない時に発生する可能性もあります。 

そんな時、火災の発生をいち早く知らせてくれるのが火災報知器です。火災の早期発見は、初期消火や迅速な避難につながり、被害を最小限に抑えることができます。

しかし、火災報知器を設置しているだけでは十分ではありません。正しい知識を持って適切な機種を選び、適切な場所に設置し、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。

この記事を読むことで、火災報知器に対する理解を深め、みなさん自身や大切な家族の命を守るための備えを万全にすることができるでしょう。

ぜひ最後まで読んで、火災報知器の重要性を再認識し、安全・安心な暮らしを実現するための第一歩を踏み出してください。

火災報知器とは

火災は、私たちの生活を脅かす恐ろしい災害です。火災による被害を最小限に抑えるためには、早期発見・早期避難が重要です。そこで活躍するのが「火災報知器」です。

 火災報知器には、大きく分けて2つの種類があります。 

住宅用火災警報器:

一般住宅に設置が義務付けられている、比較的小規模な火災報知器です。煙式や熱式などがあり、火災の発生を感知すると大きな警報音で知らせてくれます。

自動火災報知設備:

学校や病院、オフィスビルなど、不特定多数の人が出入りする建物に設置が義務付けられている、より大規模なシステムです。複数の感知器や受信機、警報ベルなどが連動しており、火災発生時には建物のどこにいても警報を聞くことができます。また、消防署への自動通報機能を備えているものもあります。

住宅用火災警報器の種類と設置場所

住宅用火災警報器には、煙を感知する「煙式」と、熱を感知する「熱式」があります。煙式と熱式のそれぞれの特徴をよく理解し、設置場所の環境や用途に合わせて適切な種類を選びましょう。

煙式:寝室、階段、廊下など、煙が充満しやすい場所に設置

熱式:キッチン、暖房器具の近くなど、火を使う場所に設置

自動火災報知設備の仕組み

自動火災報知設備は、複数の感知器が建物の各所に設置されており、火災の発生を感知すると、受信機を通じて警報ベルを鳴らし、建物内にいる人々に避難を促します。また、管理室や消防署へ自動的に通報する機能を持つものもあります。

定期的な点検とメンテナンス

火災報知器は、設置するだけでなく、定期的な点検とメンテナンスが重要です。住宅用火災警報器は、月に1回、テストボタンを押して動作確認を行いましょう。

 自動火災報知設備は、消防法に基づいた定期点検が義務付けられています。消防設備士といった有資格者でないと点検ができないため、専門業者に点検の依頼をしましょう。 

火災報知器の設置義務

火災報知器の設置義務は、消防法によって定められています。

住宅用火災警報器の設置義務

新築住宅の場合:

2006年6月1日以降に建築確認を受けた住宅には、全ての居室、階段、寝室に住宅用火災警報器の設置が義務付けられています。

既存住宅の場合:

2011年6月1日までに、全ての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。ただし、具体的な設置期限や対象となる部屋は、各市町村の条例によって定められています。

設置義務のある部屋(一般的な例):

  • 寝室
  • 居室(リビング、ダイニングなど)
  • 台所
  • 階段

罰則について:

住宅用火災警報器を設置していないからといって、罰則が科されることはありません。しかし、火災が発生した場合、被害が拡大する可能性があるため、必ず設置するようにしましょう。

補助金制度について:

多くの市町村では、住宅用火災警報器の購入や設置費用の一部を補助する制度があります。お住まいの市町村のホームページなどで確認するか、消防署に問い合わせてみましょう。

設置義務の詳細について:

お住まいの市町村の条例を確認するか、消防署に問い合わせることで、詳細な設置義務について確認することができます。

自動火災報知設備の設置義務

 一定規模以上の防火対象物は、自動火災報知設備を設置する義務があります。 

自動火災報知設備の設置基準は以下の表のとおりです。

火災報知器の点検・メンテナンス

火災報知器は、設置しただけでは十分ではありません。定期的なメンテナンスを行うことで、火災発生時に確実に作動するようにしておく必要があります。

住宅用火災警報器の点検・メンテナンス

動作確認:定期的なテストボタンの押下

住宅用火災警報器の動作確認は、月に1回程度、テストボタンを押して行います。警報音やランプが正常に作動するかを確認しましょう。

住宅用火災警報器の清掃:ほこりや汚れの除去

住宅用火災警報器にほこりや汚れが付着すると、センサーの感度が低下する可能性があります。月に1回程度、掃除機や柔らかい布でほこりや汚れを取り除きましょう。

住宅用火災警報器の電池交換:電池式の場合の交換時期

電池式の住宅用火災警報器は、電池切れになると正常に作動しません。電池切れを知らせる警報音が鳴ったら、速やかに電池を交換しましょう。電池交換の目安は、約1年です。

住宅用火災警報器の交換時期:10年を目安に交換

住宅用火災警報器の寿命は、一般的に10年程度とされています。10年を過ぎると、センサーの感度が低下したり、電子部品が劣化したりする可能性があるため、交換が必要です。

住宅用火災警報器本体や取扱説明書には、製造年が記載されています。設置から10年が経過した場合は、速やかに交換するようにしましょう。

自動火災報知設備の点検・メンテナンス

 自動火災報知設備は消防法第17条に基づき、年2回、消防用設備点検を行う必要があります。 

消防用設備点検は、一部の例外を除き消防設備点検資格者または消防設備士の有資格者でなければ行うことができません。そのため、自動火災報知設備の点検は専門の業者に依頼するようにしましょう。

消防用設備点検についての詳細はこちらページをご参照ください。

火災報知器に関するよくある質問

火災報知器が鳴り止まない場合はどうすればいい?

火災報知器が鳴り止まない場合は、以下の原因が考えられます。

・電池切れ: 電池式の火災報知器の場合、電池切れになると警報音が鳴り続けることがあります。電池を交換しましょう。

・故障: 火災報知器本体が故障している可能性があります。新しい火災報知器に交換しましょう。

・誤作動: 煙や水蒸気などが原因で誤作動を起こしている可能性があります。原因を取り除き、リセットボタンを押してみましょう

火災報知器の電池切れはどうやって分かる?

電池式の火災報知器は、電池切れが近づくと、断続的に短い警報音が鳴るようになっています。この警報音が鳴ったら、電池を交換しましょう。

火災報知器の設置費用はどれくらい?

火災報知器の設置費用は、機種や設置台数、設置方法などによって異なります。住宅用火災警報器の場合、一般的には、1台あたり数千円から1万円程度が相場です。自動火災報知設備については、条件により金額が大きく異なるため、詳細は専門業者に確認するようにしましょう。

まとめ

火災は、いつどこで発生するか予測できません。だからこそ、火災報知器は、私たちの安全を守るための重要な役割を果たします。

 火災報知器を設置することは、法律で義務付けられているだけでなく、自分自身や家族の安全を守る上でとても重要です。  この記事で紹介した火災報知器の種類、メンテナンス、点検方法などを参考に、火災報知器を正しく理解し、その重要性を再認識することで、日頃から火災予防に努めましょう。

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