消火栓箱の扉に「2人以上で操作してください」というシールが貼ってあるのを見たことがある方は多いはずです。
このシールは消防庁の通知にもとづいて表示されていて、なぜ2人以上と決まっているのか、どの建物にも同じ内容が当てはまるのかは、意外と知られていません。
実は屋内消火栓には1号消火栓・易操作性1号消火栓・2号消火栓といった種類があり、シールが前提にしている「2人以上」は、そのうちの一部の型だけの話です。
この記事では、屋内消火栓設備の操作方法シールを定めた通知の中身と、自分の建物のタイプを確認する方法をわかりやすく解説します。
うちの消火栓箱にも「2人以上で操作」ってシールが貼ってあるんですけど。
これって全部の消火栓で同じ決まりなんでしょうか
実は、その「2人以上」は消防法施行令が定める1号消火栓だけの前提です。
まずはシールのもとになっている通知を見てみましょう。
うちの建物、古い消火栓のままだと思うんですが、シールが貼ってなかった気もします。
貼ってなくても大丈夫なんでしょうか
既存の消火栓箱にもシールを活用することが望ましいとされています。
通知の中身を順番に確認していきましょう。
- 屋内消火栓の1号消火栓には、操作方法を示す「シール」の掲示が求められています。
- シールの対象は、消防法施行令第11条第3項第1号に規定する1号消火栓に限られます。
- シールには起動装置の種類や操作手順、注意事項を簡略に記載することが求められています。
- 1号消火栓の操作には通常2人以上が必要ですが、易操作性1号消火栓や2号消火栓は1人でも操作できます。
- 消防訓練ではシールどおりの手順で操作させ、既存の消火栓箱にもシールの活用を広げることが望ましいとされています。
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目次
屋内消火栓のシールはなぜ改定されたのか

消防庁はこの操作方法を示す「シール」の内容を全国で統一するため、古い通知を全面的に見直しました。
屋内消火栓は消火器と異なり、起動装置の操作からホースを伸ばす作業まで複数の手順が必要で、操作に不慣れな人が火災時に戸惑いやすい設備です。
そこで消防庁は昭和57年の古い通知を全面的に見直し、シールのデザインと記載内容を整理し直しました。
古い通知はこの改定によって廃止され、現在は平成13年改正後の内容だけが有効です。
まずは、このシールがどの消火栓を対象にしているのかを見ていきましょう。
うちの消火栓、随分前からある古いタイプなんですが、今のシールと内容が違うんじゃないかと心配になってきました。
今回の通知は昭和57年の通知を廃止して置き換えたものなので、現在有効なのはこちらの内容だけです。
次に対象を確認しましょう。
シールが対象にする消火栓はどれなのか

どんな消火栓がこれにあたるのか、条文で確認しましょう。
1号消火栓とは、各階の各部分からホース接続口までの水平距離が25メートル以内になるように設ける、従来からある消火栓を指します。
同じ屋内消火栓でも、易操作性1号消火栓や2号消火栓は令第11条第3項第2号に区分が分かれており、この通知が直接対象にしているわけではありません。
自分の建物にどのタイプの消火栓が設置されているかは、点検報告書や消火栓箱の表示、点検業者への確認でわかります。
次は、シールに実際どんな内容を書くべきかを見ていきましょう。
うちの建物の消火栓、水平距離25メートルの基準で設計されているって点検業者に言われたことがあります。
それって1号消火栓ってことですよね
その基準に当てはまるなら、今回のシールが想定している1号消火栓にあたる可能性が高いです。
念のため点検報告書でも確認してみてください。
シールにはどんな内容を表示すべきなのか

具体的な記載事項を確認しましょう。
あわせて、加圧送水装置の起動装置が専用に設けられているタイプと、非常警報設備の起動装置と兼用になっているタイプの2種類を区別して示すことも必要です。
兼用タイプはボタンを押すと火災を知らせる警報も同時に作動するため、操作する人が驚かないよう手順の中で説明しておく必要があります。
このシールは、消火栓箱の扉の表面に貼り付けて使うことが想定されています。
次は、シールがなぜ「2人以上」を前提にしているのかを確認しましょう。
ボタンを押したら警報も鳴るタイプの消火栓、初めて見た人は驚きそうですね。
だからこそシールに起動装置の種類を明記して、あらかじめ知らせておくことが大事なんです。
次は「2人以上」の理由を見てみましょう。
なぜ2人以上での操作が前提になっているのか

一方で、消防法施行令には1人で操作できる区分も別に用意されています。
一方で、消防法施行令はホースの構造を一人で操作できる基準に適合させた「易操作性1号消火栓」と「2号消火栓」という区分も設けています。
これらの消火栓は、水平距離の基準こそ1号消火栓と同じかそれに近い数値ですが、ホースの構造そのものが軽量で一人操作を前提にしています。
つまり、この通知の「2人以上」という前提は、あくまで1号消火栓に限った話であり、建物によっては当てはまりません。
自分の建物の消火栓のタイプを取り違えると、訓練の想定人数を誤ってしまいます。
易操作性1号消火栓なら1人でも操作できるって、初めて知りました。
うちの建物のタイプ、ちゃんと確認してみます
ホースの構造が変わると操作に必要な人数も変わってきます。
思い込みで訓練を計画しないよう気をつけましょう。
明日から何を確認すればよいのか

順番に見ていきましょう。
古い建物では既存の消火栓箱にシールが貼られていないことがあり、通知はこうした既存の設備にも活用を広げることが望ましいとしています。
消防訓練の際には、シールに示された手順どおりに操作を行うよう指導することも求められています。
自分の建物の消火栓が1号消火栓なのか、易操作性1号消火栓や2号消火栓なのかも、この機会にあわせて確認しておくとよいでしょう。
わからない場合は、点検業者や所轄消防署に相談してください。
うちの消火栓箱、扉にシールが貼ってあったかどうか、正直自信がありません。
次の点検や訓練の機会に、扉の表面を確認してみてください。
これでよくある質問を確認しましょう。
よくある質問
まとめ
屋内消火栓のシール、これまで何となく見ていましたが、意味がよくわかりました。
今度の点検のときに、うちの消火栓のタイプも確認してみます
はい。
消火栓の種類や訓練の進め方でお困りのことがあれば、㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 屋内消火栓設備の1号消火栓の操作方法の周知徹底について(平成8年5月17日 消防予第100号 消防庁予防課長 平成13年3月消防予第103号・消防危第53号改正)
- 消防法施行令第11条第3項第1号・第2号
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





