防災管理点検資格者になるための講習を終えると、受講者に渡されるのは修了証ではなく免状です。
この免状を交付できるのも、条文で決まった登録講習機関だけです。
では免状はどうやって交付され、資格を失った人からはどう扱われるのでしょうか。
この記事では登録講習機関になるための要件・免状の交付と回収の仕組み・資格喪失時の手続きまでを条文で確認します。
免状というと、消防設備士の免状のようなものですか。
講習を受ければ誰にでも発行されるんでしょうか。
いいえ、総務大臣の登録を受けた登録講習機関だけが発行できます。
まずは登録の仕組みから確認しましょう。
登録を受けるには、どんな法人でもなれるんでしょうか。
条文が定める要件を満たす必要があります。
順番に見ていきますね。
- 防災管理点検資格者講習を開けるのは総務大臣の登録を受けた登録講習機関だけです
- 登録講習機関になるには講師の実務経験・講習業務の公平性・実施体制という要件を満たす必要があります
- 講師要件は自衛消防組織講習版とは異なり令第46条の防災管理対象物の防災管理者としての実務経験、または消防職員の防災管理業務の実務経験が求められます
- 登録講習機関は業務規程に免状の交付及び回収の方法と資格喪失時の手続きを定めなければなりません
- 資格者本人も消防庁長官が定める期間ごとに講習を修了し免状の交付を受けなければ、資格を自動的に失います
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目次
防災管理点検資格者講習を行えるのはどんな法人か

条文が定める一つの法人だけが、免状を交付する権限を持っています。
消防法施行規則第51条の12第3項は、防災管理者本人としての実務経験など七つの号のどれかに当たることに加え、総務大臣が登録した法人の講習を修了し免状を受け取ることを求めています。
つまり実務経験だけでは資格者になれず、登録講習機関を通した免状の交付が必須の手続きです。
この登録講習機関はどんな法人でも名乗れるわけではなく、次に見る要件を満たして初めて総務大臣の登録を受けられます。
消防法施行規則第51条の13第1項は、この登録が講習を行おうとする法人の申請によって行われると定めています。
免状というのは、講習を受ければ誰にでも発行されるものだと思っていました。
いいえ、総務大臣の登録を受けた登録講習機関だけが発行できます。
次はその登録の要件を見てみましょう。
登録を受けるにはどんな要件を満たす必要があるか

自衛消防組織講習版とは異なり、講師の実務経験の中身が防災管理向けに置き換えられています。
自衛消防組織講習の登録講習機関は火災予防の実務経験を基準にしていましたが、こちらは令第46条の防災管理対象物の防災管理者としての実務経験、または消防職員の防災管理業務の実務経験に置き換えられています。
このほか、講習業務の公平性を損なう業務を行っていないことや、管理者を置き実施計画を整えていることも要件に含まれます。
これらは消防法施行規則第51条の13第2項が第1条の4第3項を読み替えて準用する形で定められており、原型の防火管理講習版とは中身が異なる点に注意が必要です。
要件を満たした法人だけが、次に見る義務を負って講習を開けるようになります。
講師の実務経験は、防火管理講習の場合と同じ内容でいいんですよね。
いいえ、防災管理向けの実務経験に置き換えられています。
令第46条の建物での経験が基準になります。
登録を受けた法人にはどんな義務が生じるか

このうち一つは、修了証ではなく免状を前提にした独自の内容です。
自衛消防組織講習の登録講習機関が業務規程に定めるのは修了証の交付の方法だけでしたが、防災管理点検資格者講習版はこれが免状の交付及び回収の方法に置き換えられています。
講習そのものの基準も令の基準ではなく消防庁長官が定める基準に置き換えられており、内容は総務大臣ではなく消防庁長官が実質的に決めています。
このほか毎年一回以上の講習実施、三年ごとの登録更新、財務諸表の提出・保存など、自衛消防組織講習版と共通する義務も引き続き課されます。
「免状の回収」という言葉が業務規程に出てくる理由は、次に見る資格喪失時の対応と直結しています。
免状を回収するというのは、どういう場面で必要になるんですか。
資格を失った人への対応の場面です。
次の落とし穴で詳しく見てみましょう。
資格を失った資格者への対応も業務規程に定める理由は何か

このとき登録講習機関側にも、対応の手続きを定めておく義務があります。
消防法施行規則第51条の12第4項は、不正の判明や不適正な点検のほか、消防庁長官が定める期間ごとの再受講を怠ったときも資格を失うと定めています。
自衛消防組織講習の登録講習機関の業務規程には、こうした資格喪失時の対応を定める義務はありませんでしたが、防災管理点検資格者講習版だけは資格喪失時の必要な措置を行う手続を業務規程に定めるよう義務付けられています。
つまり資格を失った人の免状をどう扱うかは、登録講習機関ごとの自由な取り決めではなく、業務規程に明記することが条文上の義務になっています。
点検資格者本人が「まだ資格があるはず」と思い込んでいても、機関側の手続きが動いていれば実際には資格を失っている、という見落としが起こり得ます。
資格を失ったことに本人が気づかないまま、点検を続けてしまうこともあるんでしょうか。
あり得ます。免状の有効性は自分でも確認する必要があります。
最後に確認の手順を見てみましょう。
点検を依頼する側は登録講習機関をどう確認すればよいか

免状そのものだけでなく、発行元の登録状況も見る必要があります。
総務大臣による登録・取消し・業務停止命令は公示されるため、依頼する点検資格者の免状を発行した登録講習機関が現時点でも有効かどうかを確かめられます。
また防災管理点検資格者本人についても、消防庁長官が定める期間ごとの再講習を修了し免状の交付を受け続けているかどうかを確認する必要があります。
免状の交付年月日と、登録講習機関の登録が現在も有効であることの二点を、点検を依頼する前に確かめておくと安心です。
これらは防災管理維持台帳に記録・保存される書類とも重なるため、既存の記録を確認する形で手順に落とし込めます。
免状を見せてもらうだけでは、登録機関側の状況までは分からないんですね。
そうです。免状と登録機関の両方を確認することが大切です。
これで確認の手順は揃いました。
よくある質問
まとめ
免状の交付と回収の仕組み、確認の手順まで、これで整理できました。
免状の交付状況と登録機関の有効性の二点を確認していただければ安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法施行規則第51条の12
- 消防法施行規則第51条の13
- 消防法施行規則第1条の4
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





