防災管理者になるための新規講習・再講習は、消防署や都道府県だけが開けるわけではありません。
条文は総務大臣の登録を受けた法人にも講習を開く道を用意しています。
では登録を受けるにはどんな要件が必要で、修了した人にはどんな証明が渡されるのでしょうか。
この記事では講習を開ける3者の仕組み・登録講習機関になるための要件・修了証の交付と取消しの影響までを条文で確認します。
防災管理者の講習って、消防署に行けば誰でも受けられるものですよね。
いいえ、講習を開ける側にも条文で決まった条件があります。
まずは誰が開けるのかから確認しましょう。
消防署以外の場所で受けた講習でも、資格としては同じ扱いになるんですか。
総務大臣の登録を受けた法人が開く講習も同じ効力です。
その仕組みを順番に見ていきます。
- 防災管理者の新規講習・再講習を開けるのは都道府県知事、消防本部及び消防署を置く市町村の消防長、又は総務大臣の登録を受けた法人の3者だけです
- 登録講習機関になるには講師の実務経験・講習業務の公平性・実施体制という要件を満たす必要があります
- 消防職員側の講師要件は火災予防に関する業務と防災管理に関する業務の両方について2年以上の実務経験が求められます
- 講習を修了すると別記様式第十三号による修了証が交付され、防災管理者選任の届出に使われます
- 登録が取り消されてもそれ以前に交付された修了証の効力を失わせる規定はありません
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目次
防災管理者の講習を開けるのは誰なのか

条文は開ける主体を3者に限定しています。
消防法施行令第47条第1項第1号は、防災管理者の資格ルートのうち講習修了ルートについて、都道府県知事・消防本部及び消防署を置く市町村の消防長・総務大臣の登録を受けた法人の3者だけが講習を開けると定めています。
このうち前の2者は行政機関そのものなので、実際の窓口は各地の消防局や都道府県の講習案内です。
3者目の「総務大臣の登録を受けた法人」が、条文で「登録講習機関」と呼ばれる民間の実施団体です。
講習そのものの時間や内容は別記事で確認しているので、この記事では登録講習機関になるための条件を見ていきます。
登録講習機関というのは、具体的にどんな団体なんですか。
一般財団法人などの法人が、総務大臣の登録を受けて運営しています。
次はその登録の要件を見てみましょう。
登録講習機関になるにはどんな要件が必要なのか

講師の実務経験の中身は、防災管理向けに書き換えられています。
イの資格者は令第46条の建築物その他の工作物の防災管理者として5年以上の実務経験を持つ人、ロの資格者は消防職員としての実務経験のうち火災予防に関する業務と防災管理に関する業務の両方について2年以上の経験を持つ人です。
自衛消防組織の講習の登録講習機関も同じ形の読み替えを受けており、こちらは講師要件の中身が共通しています(点検資格者講習版は防災管理の実務経験だけに置き換わる別の形です)。
このほか、講習業務の公平性を損なう業務を行っていないことや、実施体制・実施計画が整っていることも要件に含まれます。
これらの要件を満たした法人だけが、次に見る証明を交付する権限を持つことになります。
講師の要件は、自衛消防組織の講習のときと同じだと思っていました。
中身はほぼ同じ読み替えですが、対象になる資格は防災管理者の講習用に別立てです。
証明の中身を見てみましょう。
講習を終えるとどんな証明が渡されるのか

交付できるのも、講習を開いた3者に限られます。
交付できるのは講習を開いた3者、つまり都道府県知事・消防長・登録講習機関のいずれかに限られ、それ以外の団体が独自の証明書を発行しても条文上の修了証にはなりません。
登録講習機関側には、交付した修了証の交付年月日や交付番号を記載した帳簿を作成し、講習を行った日から6年間保存する義務もあります。
この修了証が、防災管理者の選任届出に添える「資格を証する書面」の実体です。
様式番号や交付団体の名称は、受け取った修了証の記載をそのまま確認すれば足ります。
修了証があれば、届出のときにそれだけ提出すればいいんですか。
選任の届出書に添える書面として使います。
次は登録が取り消されたときの話です。
登録が取り消されたら修了証はどうなるのか

このとき、すでに交付された修了証がどうなるのかが見落としやすいところです。
取消しの事由は不正な手段による登録・業務規程に反した実施・命令違反など7つが定められていますが、条文には取消し前に交付済みの修了証を無効にする規定はありません。
一方で、取消しの日から2年を経過しない法人は再登録を受けられず、取消しの直前に業務を行っていた役員が別の法人で講習を開こうとしても同じ制限がかかります。
つまり影響を受けるのは「これから講習を開けるかどうか」であって、「過去に受けた講習の効力」ではないと分けて理解しておく必要があります。
とはいえ登録の状況は変わりうるので、次に見る手順で確認しておくと安心です。
修了証をもらった機関が、あとで登録を取り消されていたらどうしようと不安になります。
過去の修了証の効力を奪う規定は条文にありません。
それでも確認しておきたい手順を最後に見ましょう。
講習を選ぶ前に確認すべきことは何か

登録の有無は総務大臣による公示で確かめられます。
登録・取消し・業務停止命令はいずれも総務大臣による公示の対象なので、申し込み先が現時点でも有効な登録講習機関かどうかを確かめられます。
都道府県知事や消防長が直接開く講習であれば登録の有無を気にする必要はなく、この確認が必要なのは民間の登録講習機関を選ぶ場合です。
修了証を受け取ったら別記様式第十三号の記載であることと交付団体の名称を確認し、選任の届出書に添えられる状態で保管しておきます。
明日からは、申し込み先が3者のどれに当たるかをまず確認することから始めましょう。
都道府県知事や消防長が直接開く講習なら、登録の心配はしなくていいんですね。
確認が必要なのは民間の登録講習機関を選ぶときだけです。
これで確認の手順は揃いました。
よくある質問
まとめ
講習を開ける3者の仕組みと、修了証・取消しの影響まで整理できました。
登録の有効性と修了証の様式の二点を確認していただければ安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法施行令第47条
- 消防法施行規則第51条の4
- 消防法施行規則第51条の7
- 消防法施行規則第1条の4
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





