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ボウリング場やパチンコ店の収容人員はどう数えるのか|(2)項ロの遊技場とダンスホールで分かれる算定方法を解説

ボウリング場やパチンコ店の収容人員の数え方を解説する記事のアイキャッチ画像

ボウリング場やパチンコ店で防火管理者が要るのかを聞かれることがあります。
判断の分かれ目になるのは収容人員という数字です。
この用途は遊技場ダンスホールで数え方の物差しが分かれる決まりになっています。
この記事では遊技場とダンスホールの収容人員の数え方と防火管理者が必要になる人数を条文から解説します。

うちはボウリング場とゲームコーナーがある建物です。
収容人員は床面積で割ればよいのでしょうか。

遊技場は床面積で割る項目が条文に置かれていません。
数えるのは人といす席の数です。

同じ用途なのに数え方が二通りあるのですか。

規則の表が遊技場とその他のものに欄を分けています。
どちらの欄を使うかで出てくる人数が変わります。

この記事の結論
  • ボウリング場やパチンコ店は消防法施行令別表第一(2)項ロの遊技場に当たります。
  • 収容人員の算定方法を定める規則の表は遊技場その他のものに欄が分かれています。(消防法施行規則第1条の3第1項)
  • 遊技場の欄には床面積を割って人数を出す項目がひとつも置かれていません。
  • ダンスホールは客席のその他の部分について床面積を3平方メートルで割った数を足します。(同項の表)
  • 収容人員が30人以上になると防火管理者を定める義務が生じます。(消防法施行令第1条の2第3項第1号ロ)

遊技場とダンスホールで収容人員の数え方が分かれることを示した図解

遊技場やダンスホールは消防法令でどの用途になるのか

ボウリングのレーンがある建物と条文の本を見ている防火管理者の図
数え方の前に自分の建物がどの区分に入るのかを決めます。
遊技場とダンスホールは同じ枠の中に並べて置かれています。
消防法施行令別表第一(二)項
イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの
ロ 遊技場又はダンスホール
ハ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第二条第五項に規定する性風俗関連特殊営業を営む店舗(略)その他これに類するものとして総務省令で定めるもの
ニ カラオケボックスその他遊興のための設備又は物品を個室(これに類する施設を含む。)において客に利用させる役務を提供する業務を営む店舗で総務省令で定めるもの
入口は別表第一の(2)項ロです。
条文は遊技場又はダンスホールと書いているだけで 業種名を並べた列挙は置かれていません。
そのため実際にどの店がここに入るのかは 建物の使われ方から判断することになります。
なお(2)項は消防法施行令第4条の3第1項が挙げる防炎防火対象物の範囲に入っているため カーテンやじゅうたん等には防炎性能のあるものを使わなければなりません。
まずは自分の店が(2)項ロなのか それとも隣のイやニなのかを図面と営業の実態から確かめてください。

業種の名前では決まらないのですね。

条文の言葉に当てはまるかどうかで見ます。
迷ったら図面を持って所轄消防署に相談してください。

遊技場の収容人員はなぜ床面積で割らないのか

並んだ遊技機の数とそこで遊技できる人の数が一対一で対応することを示した図
ここが他の用途といちばん違うところです。
規則の表は(2)項と(3)項の欄を二つに割っています。
消防法施行規則第一条の三第一項の表
令別表第一(二)項及び(三)項に掲げる防火対象物 遊技場 次に掲げる数を合算して算定する。
一 従業者の数
二 遊技のための機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数
三 観覧、飲食又は休憩の用に供する固定式のいす席が設けられている場合は、当該いす席の数に対応する数。この場合において、長いす式のいす席にあつては、当該いす席の正面幅を〇・五メートルで除して得た数(一未満のはしたの数は切り捨てるものとする。)とする。
遊技場は人といす席だけで数えます。
条文が挙げているのは従業者の数と遊技を行うことができる者の数と観覧等の固定式いす席の数という三つの号だけです。
床面積を何平方メートルかで割るという項目は この欄にひとつも置かれていません。
第二号は機械器具を使って遊技を行うことができる者の数という書き方なので 台の数をそのまま写すのではなく その台で何人が遊技できるのかを見ることになります。
まずは店内の台と打席を種類ごとに数え上げて 何人が同時に遊技できるのかを表にしてください。

つまり広いフロアでも台が少なければ人数は増えないのですね。

遊技場の欄を使う限りはそうなります。
台を入れ替えたら人数も数え直してください。

ダンスホールでは数え方がどう変わるのか

ダンスホールの床と面積を升目に区切って数える様子を並べた図
同じ(2)項ロでもダンスホールは遊技場の欄に入りません。
表のもう一方の欄を使うことになります。
消防法施行規則第一条の三第一項の表
令別表第一(二)項及び(三)項に掲げる防火対象物 その他のもの 次に掲げる数を合算して算定する。
一 従業者の数
二 客席の部分ごとに次のイ及びロによつて算定した数の合計数
イ 固定式のいす席を設ける部分については、当該部分にあるいす席の数に対応する数。この場合において、長いす式のいす席にあつては、当該いす席の正面幅を〇・五メートルで除して得た数(一未満のはしたの数は切り捨てるものとする。)とする。
ロ その他の部分については、当該部分の床面積を三平方メートルで除して得た数
ダンスホールには床面積の項目があります。
いす席が置かれていないその他の部分は 床面積を3平方メートルで割った数が人数として乗ってきます。
踊るための広い床はまさにこの部分に当たるので 面積が大きいほど収容人員は増えていきます。
この欄は同じ表の中でキャバレーや飲食店といった(2)項イや(3)項の店とも共通なので 同じ物差しが使われていることになります。
自分の店に固定式のいす席がある場合は いす席の部分とそれ以外の部分を図面の上で塗り分けてから面積を出してください。

ホールの床が広いと人数が一気に増えるということですね。

そのとおりです。
先に客席の部分の範囲を決めておくと計算が一度で済みます。

数えるときに見落としやすいのはどこか

長いすの正面幅を測る物差しと単独の固定式いす席を並べた図
長いすの扱いでつまずく例がよくあります。
劇場等の欄と数字が違うので見比べておいてください。
消防法施行規則第一条の三第一項の表(令別表第一(一)項に掲げる防火対象物の欄・抜粋)
二 客席の部分ごとに次のイからハまでによつて算定した数の合計数
イ 固定式のいす席を設ける部分については、当該部分にあるいす席の数に対応する数。この場合において、長いす式のいす席にあつては、当該いす席の正面幅を〇・四メートルで除して得た数(一未満のはしたの数は切り捨てるものとする。)とする。
長いすの物差しは用途で違います。
劇場や映画館の(1)項は正面幅を〇・四メートルで割りますが (2)項と(3)項は〇・五メートルで割ります。
劇場の記事や講習の資料をそのまま当てはめると 同じ長いすでも人数がずれてしまいます。
あわせて遊技場の欄の第三号は 観覧と飲食と休憩の用に供する固定式のいす席と書いて対象を限っている点も見落とされがちです。
一未満のはしたの数は切り捨てると条文に明記されていますので 端数の処理も表のとおりに揃えてください。

劇場の数字を覚えていたので危ないところでした。

表は用途ごとに読むのが確実です。
使った欄を計算書に書き添えておくと次の担当者も迷いません。

明日からなにを確認すればよいのか

図面と書類を机に広げて遊技場の収容人員を確かめている防火管理者の図
出した数字をどの線と比べるのかまでが一組です。
人数と延べ面積の二つで結論が変わります。
消防法施行令第一条の二第三項第一号ロ
別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項イ、ハ及びニ、(九)項イ、(十六)項イ並びに(十六の二)項に掲げる防火対象物(略)で、収容人員が三十人以上のもの

消防法施行令第三条第一項第二号
第一条の二第三項第一号ロ及びハに掲げる防火対象物で、延べ面積が、別表第一(一)項から(四)項まで(略)に掲げる防火対象物にあつては三百平方メートル未満(略)のもの(以下この号において「乙種防火対象物」という。)
順番は用途と人数と面積の三つです。
はじめに自分の店が(2)項ロのどちらの欄を使うのかを決め 次に規則第1条の3の表で収容人員を出します。
その数が30人以上なら防火管理者を定めて所轄消防署へ届け出る義務が生じます。
さらに延べ面積が300平方メートル未満なら乙種 それ以上なら甲種の資格が必要になりますので 受ける講習も変わります。
台の入れ替えや区画の模様替えで数字は動きますので 計算書は図面と一緒に保管して更新してください。

まず台の数を数えて計算書を作ってみます。

その計算書は消防計画の付図としてもそのまま使えます。
使った条文の欄を書き添えておくと届出のときに楽になります。

よくある質問

Qゲームセンターも遊技場として数えてよいですか?
A消防法施行令別表第一(2)項ロは遊技場又はダンスホールと定めているだけで、業種名を並べた列挙は置かれていません。実際の使われ方から判断されますので、判断に迷う場合は図面を持って所轄消防署にご確認ください。
Q延べ面積が小さければ消火器具は要りませんか?
A消防法施行令第10条第1項第1号イは、面積の要件を付けずに(2)項をそのまま挙げています。したがって(2)項ロの建物は延べ面積を問わず消火器具の設置対象になります。
Q自動火災報知設備は何平方メートルから必要になりますか?
A消防法施行令第21条第1項第3号イは(2)項イからハまでを含めて延べ面積300平方メートル以上としています。同項第10号は(2)項の地階又は無窓階について床面積100平方メートル以上と定めていますので、階によってはこちらが先に効きます。
Q遊技場のカーテンにも防炎性能は必要ですか?
A消防法施行令第4条の3第1項は別表第一(1)項から(4)項までを防炎防火対象物として挙げており、(2)項ロもここに含まれます。同条第3項が挙げるカーテンやじゅうたん等には防炎性能のあるものを使う必要があります。

まとめ

遊技場とダンスホールは消防法施行令別表第一(2)項ロに置かれています
収容人員の表は遊技場とその他のものに欄が分かれています
遊技場の欄には床面積を割って人数を出す項目がありません
ダンスホールは客席のその他の部分を3平方メートルで割ります
長いす式のいす席は劇場等の〇・四メートルではなく〇・五メートルで割ります
収容人員が30人以上になると防火管理者の選任義務が生じます
延べ面積300平方メートルを境に乙種と甲種が分かれます

フロアの広さで割っていました。
台の数から数え直してみます。

収容人員は防火管理者の要否を決める数字です
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参考・出典

  • 消防法第8条(防火管理者)第1項
  • 消防法施行令第1条の2(防火管理者を定めなければならない防火対象物等)第3項及び第4項
  • 消防法施行令第3条(防火管理者の資格)第1項
  • 消防法施行令第4条の3(防炎防火対象物の指定等)第1項及び第3項
  • 消防法施行令第10条(消火器具に関する基準)第1項
  • 消防法施行令第21条(自動火災報知設備に関する基準)第1項
  • 消防法施行規則第1条の3(収容人員の算定方法)第1項
  • 消防法施行令別表第一

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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