民泊を始める際、初期費用の多くを占めるのが「消防用設備の設置工事」および「届出・申請費」です。
ここでは主に特区民泊に設置義務が生じる消防用設備等や、その他かかってくる防火管理関係の費用について、これまで100件以上の特区民泊に消防用設備を設置してきた実績豊富なプロが解説していきます。
民泊の消防用設備にかかる費用は30万円前後
一戸建てor共同住宅で、消防法令適合通知書を取得するまでにかかる費用感は以下の通り異なります。
- 一戸建て‥‥‥30万円前後(特定小規模施設用自動火災報知設備、誘導灯を設置する場合)
- 共同住宅‥‥‥5万円~1,000万円(追加の設備が無い場合からスプリンクラー設備の設置義務が生じる場合)
特に共同住宅の場合は建物全体の状況によっては初期費用がかかり過ぎてしまい実質的に民泊ができないケースもありますので、事前にご相談下さいませ。
(株)防災屋では、特区民泊に必要な消防用設備を設置後、消防検査をクリアして「消防法令適合通知書」を取得するまでの消防関係業務だけでなく、その後の保健所や環境局への申請までも顧問行政書士と連携することで費用を安く抑えつつ全てセットで代行できる体制を整えております。
民泊申請でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
民泊に設置する消防用設備4つ
ここでは一戸建てを特区民泊に用途変更する際、設置義務が生じやすい消防用設備は以下の4つです。
- 特定小規模施設用自動火災報知設備
- 誘導灯
- 消火器
- 漏電火災警報器
これら4つの消防用設備についてその設置費用の含めて解説していきます。
1. 特定小規模施設用自動火災報知設備
特定小規模施設用自動火災報知設備は無線式の火災報知器です。
親器と子器があり、一つが煙や熱を検知すると連動して全ての火災報知器から音声警報が鳴ります。
特区民泊をする際は初期費用をできるだけ抑えた方がいいので、この特定小規模施設用自動火災報知設備の設置で済む建物を選ぶべきでしょう。
特定小規模施設用自動火災報知設備の費用
パナソニック製の特定小規模施設用自動火災報知設備の価格は以下の通りです。
- 煙感知器(親器)‥‥‥16,500円(税抜)
- 煙感知器(子器)‥‥‥15,000円(税抜)
- 熱感知器(子器)‥‥‥14,500円(税抜)
上記は定価なので、もし安値で大量仕入れをしている専門業者に施工を依頼すれば初期費用を削減できる可能性があります。
特定小規模施設用自動火災報知設備の設置基準
特定小規模施設用自動火災報知設備は民泊や宿泊できる福祉施設およびカラオケボックスといった限られた用途かつ延べ面積が300㎡以下の建物である場合にのみ設置できます。
台所や洗面所には熱感知器を設置し、それ以外の箇所には煙感知器を設置します。
⚠ 特定小規模施設用自動火災報知設備を自分でつける場合の注意点
特定小規模施設用自動火災報知設備は楽天市場やAmazonで誰でも購入できる他、自分で設置することもできます。
煙感知器(親器)
煙感知器(子器)
熱感知器(子器)
消防協議の後、個数が分かった段階で用意することをおすすめします。
特定小規模施設用自動火災報知設備の親器1台に対して、子器を最大14台まで連動させることができます。(※パナソニック製の場合)
消防検査をクリアして消防法令適合通知書を取得するためには必ず特定小規模施設用自動火災報知設備をお求め頂くか、もしくは専門業者に一任することをおすすめします。
2. 誘導灯
誘導灯は非常口の位置を示す照明器具です。
階段部分には消防法上は階段通路誘導灯という照明を設けなければなりませんが、こちらは建築基準法上の非常照明で代用できます。
【補足】階段通路誘導灯と非常照明の違い
どちらも民泊においては階段部分に設置する照明器具ですが、消防法に基づく階段通路誘導灯は「常時点灯」であるのに対して建築基準法に基づく非常照明は「非常時(停電した時のみ)点灯」します。
- 階段通路誘導灯(消防法)‥‥‥常時点灯
- 非常照明(建築基準法)‥‥‥非常時点灯
どちらか一方を設置すればいいので、ほとんどの場合は非常時点灯≒電気代が節約できる非常照明を設置します。
特例による誘導標識および懐中電灯での代替
昨今、大阪市内ですと一戸建てを民泊に用途変更する際、誘導灯の代替として「誘導標識+懐中電灯」を設置するだけでいいケースもあります。
誘導標識は貼り付けるだけであり、懐中電灯も壁に固定するだけなので配線工事が不要(≒コスト削減が可能)です。
なお、建物の状況や所轄消防署の判断によって特例が適用できるかどうかは異なるので、事前協議で交渉する必要があります。
3. 消火器
消火器は一戸建て民泊の延べ面積が50㎡以上の場合、各階に設置義務が生じます。
もし有窓階(避難上有効な開口部がある階)判定できれば、消火器の設置基準が生じる延べ面積を50㎡→150㎡以上に緩和できます。
共同住宅の場合は共用部分に既設の消火器があるので、民泊申請に際して新しく消火器を設置することはありません。(※期限切れであった場合の交換を除く)
【※注意】消火器は家庭用ではなく業務用をご用意ください!
消火器も自分で購入して設置することが可能ですが、その際は必ず業務用の消火器をお求めください。
たまに誤って家庭用の消火器を準備してしまっている方がいらっしゃいますが、業務用でなければ消防検査に通りませんのでお気を付けください。
4. 漏電火災警報器
民泊をする建物が、「ラスモルタル造」かつ「契約電流50A以上もしくは延べ面積150㎡以上」の場合に漏電火災警報器の設置義務が生じます。
漏電火災警報器は文字通り電気が漏れた際に警報音を鳴らす消防用設備で、受信機と変流器の2つで構成されています。
もし漏電火災警報器の設置義務が生じる建物かどうかを事前に確認したい場合は、お近くの専門業者に相談して下さい。
(株)防災屋では、特区民泊に必要な消防用設備を設置後、消防検査をクリアして「消防法令適合通知書」を取得するまでの消防関係業務だけでなく、その後の保健所や環境局への申請までも顧問行政書士と連携することで費用を安く抑えつつ全てセットで代行できる体制を整えております。
民泊申請でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
民泊の防火管理関係3つ
消防用設備(ハード面)だけでなく、防火管理(ソフト面)でも気を付けるべき点が以下の3つです。
- 防炎物品の使用
- 避難経路図の設置
- 防火管理者の選任
順番に解説していきます。
1. 防炎物品の使用
民泊は消防法上の防炎防火対象物に該当するため、じゅうたん(2㎡以上)やカーテンには防炎物品を使用する必要があります。
消防検査時には消防用設備だけでなく防炎物品の使用も確認されます。
2. 避難経路図の設置
民泊の寝室には避難経路図を設置しなければなりません。
(株)防災屋では図面作成から承っておりますので、その図面を使った避難経路図の設置も可能です。
3. 防火管理者の選任
民泊は収容人員30人以上で防火管理者の選任が必要になります。
防火管理者の選任は以下の2パターンがあります。
- プロ代行‥‥‥専門業者に外部委託する
- セルフ選任‥‥‥自分もしくは関係者が防火管理者講習を受けて修了証を取得する
(株)防災屋では特区民泊の申請業務に際する「消防用設備の設置」や「防火管理に関する業務」の一式を全て承っております。
民泊申請でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
※お見積り無料です