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防災センターとは何を置く場所なのか|総合操作盤が必要になる建物の規模と常時人がいる要件を解説

防災センターの操作卓に座った担当者が複数の監視画面と機器盤に囲まれている写真

大きな建物の図面を見ていると、防災センターと書かれた部屋がひとつだけ載っていることがあります。
ところがこの言葉は消防法にも施行令にも出てきません
定義が置かれているのは消防法施行規則の、しかも屋内消火栓設備の細目という意外な場所です。
そしてそこには常時人がいる場所に限るという条件まで書き込まれています。

うちの建物の防災センターって、そもそも何をする部屋なのでしょうか。

条文には消防用設備等を管理する場所と書かれています。
まずはその定義から見ていきましょう。

防災センターがない建物には関係のない話ということでしょうか。

それが逆なのです。
自動火災報知設備の受信機を置く場所としても条文に出てきます。

この記事の結論
  • 防災センターは消防法施行規則第12条第1項第8号の括弧書きで消防用設備等その他これらに類する防災のための設備を管理する場所と定義されている
  • 総合操作盤が求められるのは延べ面積が5万平方メートル以上の防火対象物や延べ面積が1,000平方メートル以上の地下街などの大規模なものに限られる
  • そのほか消防長又は消防署長が火災予防上必要があると認めて指定した防火対象物も対象に加わる
  • 防災センターのほか中央管理室や守衛室その他これらに類する場所を合わせて防災センター等と呼び、常時人がいる場所に限ると括弧書きで限定されている
  • 防災センター等に置くと定められているのは総合操作盤だけでなく、自動火災報知設備の受信機や火災通報装置や放送設備の操作部も名指しされている

防災センターとは何を置く場所なのかを建物の規模の確認から総合操作盤と防災センター等と常時人がいる体制まで4つの段階で示した図解

防災センターとは何をする場所なのか

監視盤と机の並ぶ防災センターで担当者が座って消防用設備等を集中管理している様子
防災センターという言葉は、建物の図面や消防計画にはよく登場します。
その定義が置かれているのは、消防法施行規則の屋内消火栓設備の細目です。
消防法施行規則第十二条第一項第八号 高層の建築物、大規模な建築物その他の防火対象物のうち、次のイからハまでに掲げるものに設置される屋内消火栓設備には、当該設備の監視、操作等を行うことができ、かつ、消防庁長官が定める基準に適合する総合操作盤(略)を、消防庁長官が定めるところにより、当該設備を設置している防火対象物の防災センター(総合操作盤その他これに類する設備により、防火対象物の消防用設備等又は特殊消防用設備等その他これらに類する防災のための設備を管理する場所をいう。以下同じ。)、中央管理室(建築基準法施行令第二十条の二第二号に規定する中央管理室をいう。)、守衛室その他これらに類する場所(常時人がいる場所に限る。以下「防災センター等」という。)に設けること。
部屋の名札ではなく中身で決まります。
条文が防災センターと呼んでいるのは、総合操作盤その他これに類する設備によって消防用設備等を管理している場所です。
つまり扉に防災センターと書いてあるかどうかではなく、そこで何を集中して管理しているかが基準になります。
逆に言えば、名札がないまま受信機や制御盤が集まっている部屋も、実質的にはこの役割を担っていることになります。
まずは自分の建物で消防用設備等が集中している部屋がどこなのかを、図面の上でひとつ押さえておいてください。

部屋の名前ではなく中身で見るのですね。

条文はそう書いています。
次はその総合操作盤が要る建物の規模を見ていきましょう。

総合操作盤はどの規模の建物で必要になるのか

大規模な低層の建物と高層の建物と地下街が並び総合操作盤が必要になる規模の基準を比べている様子
総合操作盤はどんな建物にも置かれているわけではありません。
同じ第8号のイからハまでが、対象になる規模をはっきり書き分けています。
消防法施行規則第十二条第一項第八号 イ 令別表第一(一)項から(十六)項までに掲げる防火対象物で、次のいずれかに該当するもの (イ)延べ面積が五万平方メートル以上の防火対象物 (ロ)地階を除く階数が十五以上で、かつ、延べ面積が三万平方メートル以上の防火対象物 ロ 延べ面積が千平方メートル以上の地下街 ハ 次に掲げる防火対象物(イ又はロに該当するものを除く。)のうち、消防長又は消防署長が火災予防上必要があると認めて指定するもの (イ)地階を除く階数が十一以上で、かつ、延べ面積が一万平方メートル以上の防火対象物 (ロ)地階を除く階数が五以上で、かつ、延べ面積が二万平方メートル以上の特定防火対象物 (ハ)地階の床面積の合計が五千平方メートル以上の防火対象物
数字はどれも大きめです。
イとロに当たる建物は、それだけで総合操作盤の対象になります。
延べ面積が5万平方メートル以上、または地階を除く階数が15以上でかつ延べ面積が3万平方メートル以上、そして延べ面積が1,000平方メートル以上の地下街です。
これに対してハは、階数11以上で1万平方メートル以上といったやや小さめの建物を並べたうえで、消防長又は消防署長が指定したときに初めて対象になる書き方になっています。
自分の建物がハの数字に当てはまるなら、指定を受けているかどうかを所轄消防署に確かめておくと話が早くなります。

自動で対象になるものと、指定されて初めて対象になるものがあるのですね。

そこがハの読みどころです。
次はどんな部屋が防災センター等に当たるのかを見ていきましょう。

防災センター等として認められるのはどんな場所なのか

同じ監視室でも人が座っている部屋と誰もいない部屋が並び常時人がいるという要件の違いを示した様子
条文は防災センターだけを挙げているわけではありません。
中央管理室と守衛室その他これらに類する場所を並べて、まとめて防災センター等と呼んでいます。
建築基準法施行令第二十条の二第二号 (略)これらの制御及び作動状態の監視を中央管理室(当該建築物、同一敷地内の他の建築物又は一団地内の他の建築物の内にある管理事務所、守衛所その他常時当該建築物を管理する者が勤務する場所で避難階又はその直上階若しくは直下階に設けたものをいう。以下同じ。)において行うことができるものであること。
受け皿は3種類あります。
防災センターと中央管理室と、守衛室その他これらに類する場所です。
このうち中央管理室は建築基準法側の言葉で、管理する者が勤務する場所であることに加えて避難階かその直上階か直下階に設けたものと定義されています。
そして消防法施行規則の側は、これらを並べたうえで括弧書きに常時人がいる場所に限ると書き添えました。
夜間や休日に無人になる部屋は、この括弧書きの限定から外れることになりますので、当番の割り振りを消防計画と突き合わせておいてください。

部屋があっても人がいなければ意味がないということでしょうか。

条文がわざわざ括弧書きを置いたところです。
次は何を置く場所として名指しされているかを見ていきましょう。

防災センター等に置くと定められているのは総合操作盤だけなのか

防災センター等に総合操作盤と自動火災報知設備の受信機と火災通報装置と放送設備の操作部が並んでいる様子
防災センター等という言葉は、総合操作盤の条文の中で定義されました。
ところがこの言葉は、そのあと同じ規則のあちこちで使い回されています。
消防法施行規則第二十四条第二号ニ 受信機は、防災センター等に設けること。
同規則第二十五条第二項第一号 一の押しボタンの操作等により消防機関に通報することができる装置(電話回線を使用するものに限る。以下この条において「火災通報装置」という。) 防災センター等
同規則第二十五条の二第二項第三号ル 操作部又は遠隔操作器のうち一のものは、防災センター等に設けること。ただし、第六号において準用する第十二条第一項第八号の規定により総合操作盤が設けられている場合にあつては、この限りでない。
総合操作盤だけの話ではありません。
自動火災報知設備の受信機、消防機関へ通報する火災報知設備のうちの火災通報装置、そして放送設備の操作部または遠隔操作器のうちひとつが、それぞれ防災センター等に置くものとされています。
無線通信補助設備の端子も、消防法施行規則第31条の2の2で防災センター等が置き場所として挙げられています。
ここが見落としやすいところで、総合操作盤の規模基準に届かない建物でも、自動火災報知設備を設けた時点で防災センター等という言葉は効いてきます。
受信機がどの部屋に置かれているかを一度確かめて、その部屋の状態を消防計画に書いてある姿と照らし合わせてみてください。

大きな建物でなくても受信機の置き場所として関わってくるのですね。

そこが実務でいちばん効いてくる読み方です。
最後に確かめる順番を整理しておきましょう。

明日からなにを確かめればよいのか

担当者が図面を見ながら受信機の置かれた部屋がどこかを確かめている様子
条文をひととおり見たところで、確かめる順番を決めておきます。
人がいるかどうかが効いてくる規定が、火災通報装置の側にも置かれているからです。
消防法施行規則第二十五条第三項第五号 令別表第一(六)項イ(1)及び(2)並びにロ、(十六)項イ、(十六の二)項並びに(十六の三)項に掲げる防火対象物(略)に設ける火災通報装置にあつては、自動火災報知設備の感知器の作動と連動して起動すること。ただし、自動火災報知設備の受信機及び火災通報装置が防災センター(常時人がいるものに限る。)に設置されるものにあつては、この限りでない
順番は規模から人へです。
まず延べ面積と地階を除く階数を出して、第8号のイからハまでのどれに当たるかを見ます。
次に受信機と火災通報装置と放送設備の操作部が実際にどの部屋にあるかを図面と現場の両方で確かめます。
そのうえで、その部屋に常時人がいる状態が保たれているかを当番表と突き合わせます。
今日の帰りに受信機の前まで歩いてみて、夜間と休日に誰がそこにいるのかを言えるかどうかを試してみてください。

規模を出してから部屋を見て、最後に当番を見るという順番ですね。

その順番なら消防計画の見直しにもそのまま使えます。
当番表の写しも一緒に綴じておいてください。

よくある質問

Q防災センターという名前の部屋がなければ違反になりますか?
A条文が求めているのは部屋の名称ではありません。消防法施行規則第12条第1項第8号は防災センターのほかに中央管理室と守衛室その他これらに類する場所を並べ、これらをまとめて防災センター等と呼んでいます。実際にどの部屋が当たるかの判断は所轄消防署にご確認ください。
Q総合操作盤の対象にならない建物なら防災センター等は関係ありませんか?
A関係します。消防法施行規則第24条第2号ニは自動火災報知設備の受信機は防災センター等に設けることと定めており、総合操作盤の規模基準とは別に働きます。火災通報装置についても同規則第25条第2項第1号が置き場所として防災センター等を挙げています。
Q消防長や消防署長の指定はどんな建物に及ぶのですか?
A第8号ハが挙げているのは、地階を除く階数が11以上でかつ延べ面積が1万平方メートル以上のもの、地階を除く階数が5以上でかつ延べ面積が2万平方メートル以上の特定防火対象物、地階の床面積の合計が5,000平方メートル以上のものです。これらのうち火災予防上必要があると認めて指定されたものが対象になります。
Q防災センターに人がいれば火災通報装置の連動起動は要らないのですか?
A消防法施行規則第25条第3項第5号のただし書は、自動火災報知設備の受信機及び火災通報装置が常時人がいる防災センターに設置されるものについては連動起動の規定によらないとしています。受信機と火災通報装置の両方が同じ場所にあることが条件になりますので、個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

まとめ

防災センターの定義は消防法ではなく消防法施行規則第12条第1項第8号の括弧書きに置かれている
定義の中身は総合操作盤その他これに類する設備により消防用設備等を管理する場所であって、部屋の名称ではない
総合操作盤が要るのは延べ面積が5万平方メートル以上のものや地階を除く階数が15以上でかつ延べ面積が3万平方メートル以上のもの、延べ面積が1,000平方メートル以上の地下街
第8号ハに並ぶやや小さめの建物は消防長又は消防署長が指定して初めて対象になる
防災センター等には中央管理室と守衛室その他これらに類する場所も含まれ、中央管理室は避難階かその直上階か直下階に設けたものとされている
いずれも常時人がいる場所に限ると括弧書きで限定されている
防災センター等は自動火災報知設備の受信機や火災通報装置や放送設備の操作部の置き場所としても条文に出てくる

防災センターという言葉がどこから来たのかが、これではっきりしました。

まずは受信機の置かれた部屋を確かめるところから始めてください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。

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参考・出典

  • 消防法施行規則第12条第1項第8号
  • 消防法施行規則第24条第2号・第9号
  • 消防法施行規則第25条第2項・第3項
  • 消防法施行規則第25条の2第2項
  • 消防法施行規則第31条の2の2
  • 建築基準法施行令第20条の2第2号

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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