防災センターに並んだ大きな盤。
あれが総合操作盤で、建物の消防用設備をまとめて監視し操作するための設備です。
まとめてあるぶん、置く場所も電源も、触れる人の資格も個別に決められています。
質疑応答が示したのは盤の種類によって必要な資格が変わるという線引きです。
防災センターの盤の点検を頼んだら、担当できる人がいないと言われました。
消防設備士なら誰でもいいわけではないのですか。
その盤が総合操作盤なら、そのとおりです。
ふつうの操作盤と総合操作盤では必要な資格が別になります。
うちの盤がどちらなのかも、正直わかっていません。
そこから確かめましょう。
置き場所と電源と資格の3つを、5つの回答で順に見ていきます。
- 総合操作盤を置く常時人のいる防災監視場所は、消防法施行規則第12条第1項第8号イの防災センター等と同じ意味です
- 予備電源または非常電源は、個々の消防用設備等も同じ容量とすることが必要とされました
- 総合操作盤に組み込めない設備は操作盤とすることができ、総合操作盤の付近に設置して連携させます
- 工事と整備は第1種専門技術者が従事することとされ、必要な知識を有しない消防設備士は行えません
- 点検の資格は操作盤と総合操作盤で別々に定められています
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目次
総合操作盤はどこに置くのか

この言葉が、防火管理でおなじみの防災センターと同じものを指すのかが問われました。
回答は一言です。ただ、この一言で置き場所の話が防火管理の話とつながります。
防災センター等は、消防法施行規則第12条第1項第8号イに出てくる場所です。スプリンクラー設備の制御弁や自動火災報知設備の受信機を置き、人が常時いて監視する部屋を想定しています。
つまり総合操作盤は、誰もいない機械室の壁ではなく、人が座って画面を見ている部屋に置くものだということです。
自分の建物にどの部屋が該当するのか、消防計画のどこに書いてあるかを一度たどっておくと、点検業者との話が早くなります。
盤の話かと思っていたら、部屋の話でもあったんですね。
そうなんです。
消防計画で防災センターをどう位置づけているか、当番の割り振りと合わせて見直してみてください。
非常電源は何時間もたせるのか

では、その総合操作盤につながっている個々の設備の電源も2時間にしなければならないのか。
ただし、総合操作盤における表示、操作等の機能に支障のないように個々の消防用設備等に係る電源系を措置した場合には、当該消防用設備等に求められている容量としてさしつかえないものである。
理由は素直です。総合操作盤だけが2時間動いても、監視される側の設備が先に落ちてしまえば、盤の画面には何も出てきません。
だから原則として、その総合操作盤につながる消防用設備等にも同じ容量を求めています。
ただし逃げ道が用意されています。表示や操作の機能に支障が出ないように個々の設備に係る電源系を措置した場合は、その設備に本来求められている容量のままで差し支えないとされました。
建物側で確かめておきたいのは、この措置がしてあるかどうかです。改修や更新のたびに崩れやすいところなので、図面に残っているかを業者に聞いておいてください。
設備を1つ入れ替えたら、そこだけ電池の持ちが短くなることもありますよね。
まさにそこが穴になります。
更新の見積りをもらう段階で、総合操作盤側の容量に合わせるかどうかを一行入れてもらいましょう。
組み込めない設備の操作盤はどうするか

しかし現場では、どうしても1つの盤にまとめられない設備が出てきます。
しかしながら、設備の特性、工事区分等の事情から、総合操作盤に組み込むことのできない場合には、操作盤とすることができる。この場合において、当該操作盤は、総合操作盤の付近に設置し、連携して監視、操作等ができるようにすることが必要である。
まず、なぜまとめさせたいのかが書かれています。個別に盤を並べるより、維持管理も総合監視も操作も楽になるからです。
そのうえで、設備の特性や工事区分といった事情でどうしても組み込めない場合は、独立した操作盤にしてよいとしました。
ただし条件が付きます。総合操作盤の付近に設置し、連携して監視や操作ができるようにすることです。
別の階や別の部屋に置いてしまうと、この条件から外れます。増築や設備更新のときに置き場所が動きやすいので、図面上で総合操作盤との位置関係を確認しておくのが確実です。
まとめられなくても、同じ場所で見られれば足りるということですね。
そのとおりです。
防災センターの平面図に盤の位置を全部書き込んで、1枚にしておくと点検のときに困りません。
工事と整備は誰ができるのか

では、他の消防設備士が触ってはいけないのか。
従つて、工事又は整備に係る必要な知識を有しない消防設備士は、工事又は整備を行うことができないものである。
理由の立て方に特徴があります。総合操作盤は自動火災報知設備の操作盤を中心に構成されている。だから第4類、それも甲種の知識を土台にした第1種専門技術者に任せる、という順です。
そして結論は資格の名前ではなく知識で書かれました。必要な知識を有しない消防設備士は工事も整備も行えません。
逆にいえば、免状を持っているだけでは足りないということです。所定の教育を受けているかどうかが問われます。
発注する側としては、見積りの段階で誰が従事するのかを聞いておくのが安全です。着工届の名前と実際に来る人が違うことは起こり得ます。
免状を見せてもらえば安心、というわけでもないのですね。
免状に加えて、所定の教育を受けているかが要ります。
発注前に従事する人の区分を書面でもらっておいてください。
点検には何の資格が要るのか

ここは操作盤と総合操作盤で、答えが分かれます。
また、総合操作盤に係る点検については、火災報知システム専門技術者(第1種又は第2種)若しくは当該総合操作盤に係る機能等に精通した第4類の消防設備士又は第2類消防設備点検資格者が行うことができる。
個々の設備の操作盤は素直です。その設備に係る消防設備士か、消防設備点検資格者が点検できます。
総合操作盤は範囲が絞られます。火災報知システム専門技術者の第1種または第2種。あるいはその総合操作盤の機能等に精通した第4類の消防設備士か第2類消防設備点検資格者です。
工事と整備が第1種だけだったのに対し、点検は第2種も入ります。触って直すのか、動きを確かめるのかで求められる深さが違うということです。
建物側でやることは1つです。点検を頼むときに、総合操作盤も対象に含まれているかを見積書で確かめる。含まれていなければ、誰が見るのかを決めないまま年が過ぎていきます。
見積書に総合操作盤という行があるか、次回から見てみます。
そこが一番早い確認方法です。
行が無ければ、どの資格の人が担当するのかまで聞いてください。
よくある質問
まとめ
盤の名前を確かめるところから始めればいいと分かりました。
すっきりしました。
盤の種類、電源の容量、そして担当者の資格。
この3つを見積書で確かめれば大きく外しません。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 総合消防防災システム及び総合操作盤等に係る質疑応答について(平成10年1月13日 予防課設備専門官から各都道府県消防主管課長あて)
- 総合消防防災システムガイドラインについて(平成9年9月16日 消防予第148号)
- 消防用設備等に係る操作盤を設ける防火対象物の要件、操作盤の基準及び操作盤の設置免除の要件を定める告示の制定について(平成9年3月21日 消防予第50号)
- 操作盤の基準(平成9年消防庁告示第2号)
- 操作盤の設置免除の要件を定める件(平成9年消防庁告示第3号)
- 操作盤及び総合操作盤の評価等について(平成9年7月29日 消防予第127号)
- 消防法施行規則第12条第1項第8号イ
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答は平成10年当時のもので、告示番号や機関の名称等は当時のものです。その後の改正により運用が変わっている場合があります。個別の事案についての適用は、所轄消防署にご確認ください。





