学校の防火管理者は、校長先生や教頭先生が務めていることが多い役目です。
ところが自分の学校に選任が要るのかどうかは、児童や生徒まで含めた収容人員で決まります。
しかも同じ学校でも幼稚園と特別支援学校だけは別の行に置かれていて、人数の基準が変わります。
この記事では、学校が消防法令でどう区分され、収容人員をどう数えるのかを解説します。
小学校の防火管理を任されたのですが、選任が要るかどうかの見方がわかりません。
見るのは収容人員ひとつです。
学校は児童や生徒の数まで数に入れます。
職員の人数だけで足りると思っていました。
そこが落とし穴です。
数え方と人数の基準を順に見ていきましょう。
- 小学校から大学や専修学校や各種学校までは令別表第一(7)項に掲げられています。(消防法施行令別表第一)
- 幼稚園と特別支援学校だけは(6)項ニで別の行に置かれています。(消防法施行令別表第一)
- (7)項の防火管理者は収容人員が50人以上になったときに必要です。(消防法施行令第1条の2第3項第1号ハ)
- 収容人員は教職員の数と児童や生徒や学生の数を合算します。(消防法施行規則第1条の3)
- 延べ面積が500平方メートル未満なら乙種防火管理者でも選任できます。(消防法施行令第3条第1項第2号)
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目次
学校は消防法令でどの用途に区分されるのか

まず自分の学校がどの行に載るのかを確かめます。
令別表第一(7)項は小学校から大学までを並べ、さらに専修学校と各種学校まで掲げています。
一方で幼稚園と特別支援学校は(6)項ニという別の行にあり、こちらは病院や福祉施設と同じ(6)項の仲間です。
この一行の違いが、あとで見る人数の基準や設備の面積の基準をすべて動かします。
自分の学校がどちらなのかは、消防用設備等の点検結果報告書の表紙にある用途の欄で確認できます。
学校はまとめて一つの行にあると思い込んでいました。
よくある思い違いです。
幼稚園は(6)項ニなので、まず行を確かめてください。
防火管理者は収容人員何人から必要になるのか

条文は用途ごとに人数の線を引いています。
同じ条文のロには(6)項イ、ハ及びニが並んでいて、そちらは30人以上から必要になります。
つまり幼稚園と特別支援学校のほうが早く選任の義務が生じる組み立てです。
なお消防法第8条第1項は義務を負う建物の例をあげるとき、いちばん最初に学校を書いています。
資格については消防法施行令第3条第1項第2号が延べ面積500平方メートル未満のものを乙種防火対象物としているので、小規模な校舎なら乙種防火管理者でも選任できます。
まずは教職員名簿と児童生徒数の一覧をそろえて、50人の線を越えているかどうかを出してみてください。
広さではなく人数で決まるのですね。
そのとおりです。
50人を境に義務が生じるので、年度替わりに数え直してください。
収容人員は児童や生徒まで数えるのか

学校の行はとても短い一文です。
同じ表でも(8)項の図書館は閲覧室などの床面積を3平方メートルで除して足しますし、(15)項の事業場にも床面積の按分が出てきます。
ところが(7)項の行には床面積が一度も出てきません。
そのため校舎が小さくても、在籍する児童や生徒が多ければそれだけで50人を超えます。
逆にいえば教室の広さを測る作業はここでは不要で、名簿の人数を足すだけで収容人員が出ます。
床面積を測らなくてよいのは助かります。
名簿だけで出せます。
年度ごとに在籍数が動くので、4月に数え直すのがおすすめです。
幼稚園や特別支援学校で扱いが変わるのはどこか

設備の面積の基準も点検の周期も動きます。
消火器具は消防法施行令第10条第1項第2号イが(6)項ニを150平方メートル以上とするのに対し、同項第3号は(7)項を300平方メートル以上としています。
自動火災報知設備も消防法施行令第21条第1項第3号イが(6)項ニを300平方メートル以上とし、同項第4号が(7)項を500平方メートル以上としています。
点検結果の報告も消防法施行規則第31条の6第3項が(6)項を1年に1回、(7)項を3年に1回と書き分けています。
ただし高さ31メートルを超える校舎なら防炎の規制がかかります。消防法第8条の3第1項が高層建築物を用途とは別に掲げ、消防法第8条の2第1項がその高層建築物を高さ31メートルを超える建築物と定めているためです。
同じ敷地の幼稚園と小学校で基準が違うことになりますね。
行が違うので基準も別に見ます。
高層の校舎ならカーテンの防炎表示も確かめてください。
明日からなにを確かめればよいのか

順番を決めて上から確かめてください。
一つ目は用途の行で、(7)項なのか(6)項ニなのかを点検結果報告書の表紙で確かめます。
二つ目は収容人員で、教職員の数と児童生徒学生の数を足して50人の線と比べます。
三つ目は延べ面積で、500平方メートル未満なら乙種でよいので講習をどちらで受けるかがここで決まります。
四つ目は報告の時期で、(7)項は3年に1回なので前回いつ出したかを維持台帳で確かめます。
数が線を越えていたら、防火管理者を定めたうえで消防法第8条第2項の届出を所轄消防署へ出してください。
書類だけで四つとも確かめられそうです。
そこまでで判定は終わります。
越えていたら選任届を出すところまでが一区切りです。
よくある質問
まとめ
名簿から収容人員を出せばよいとわかりました。
さっそく今年度の在籍数で数え直してみます。
人数の数え直しが出発点になります。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法第8条第1項及び第2項/第8条の2第1項/第8条の3第1項
- 消防法第17条の3の3
- 消防法施行令第1条の2第3項第1号/第2条/第3条第1項第2号
- 消防法施行令第4条の2の2/第4条の3第1項
- 消防法施行令第10条第1項/第21条第1項
- 消防法施行令別表第一
- 消防法施行規則第1条の3/第31条の6第3項
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





