大きな地震は営業時間を選んで起きてくれません。
夜中や休日に揺れたとき、自衛消防組織の隊員は建物の中にいないことがあります。
条文は要員の員数を決めていますが、その人がいつ建物にいるかまでは決めていません。
その空白を埋めるのが消防計画に定める緊急参集の手順です。
自衛消防組織の班分けは消防計画に書きました。
ただ夜中に地震が来たら誰も建物にいないと気づきました。
そこを埋めるのが緊急参集の手順です。
誰が何分で来られるかを先に数えておく話になります。
条文に参集という言葉はありましたか。
探しても見つけられませんでした。
規則は活動要領という言葉で受け止めています。
中身は消防庁のガイドラインが具体化しています。
- 夜間や休日に人を集める手順は防災管理の消防計画に定める事項です
- 受け皿は消防法施行規則第51条の10第1項の活動要領とその他必要な事項です
- 要員の員数を定めた規則は人がいる時間帯まで決めていません
- 消防庁のガイドラインは交通機関の使用を原則考えないとしています
- 活動が長期化する場面に備えて交代要員まで決めておきます
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目次
自衛消防組織の要員はいつも建物にいる前提なのか

ただし規則が決めているのは人数だけです。
四つの業務それぞれにおおむね2人以上と定めているだけで、その人が何時に建物にいるかは書かれていません。
消防庁のガイドラインはこの空白を、勤務体制により従業員が交替または大幅に減少して構成員が大きく異なる場合は原則として別の自衛消防組織を編成する、という形で埋めています。
館内の人員構成が時間帯ごとに大幅に変わる建物なら、編成そのものを時間帯ごとの別編成にすることも挙げられています。
一方で病院やホテルの入院スペースや宿泊スペースのように夜間や休日でも人員が減らない用途もあるので、ガイドラインは建物内に人がいる時間帯を対象物ごとに考慮するよう求めています。
自分の建物がどちらの型なのかを見極めてから、編成が何組要るのかを決めてください。
うちは夜になると人ががくんと減る建物です。
編成はひとつしか作っていませんでした。
時間帯ごとに別の編成という考え方があります。
まず人が減る時間帯の顔ぶれを書き出してみてください。
緊急参集はどの条文が受け皿になっているのか

受け皿になっているのは自衛消防組織の業務の欄です。
第一号がいう火災以外の災害には地震が入るので、揺れたあと隊が動き出すまでの段取りはここに収まります。
活動要領という言葉に収まりきらない部分は、第三号のその他必要な事項が拾います。
受け皿はもう1つあり、規則第51条の8第1項第一号イの自衛消防の組織に関することが防災管理に係る消防計画の基本的な事項として置かれています。
組織そのものの顔ぶれや編成は第51条の8側の欄が受け、その組織が業務としてどう動き出すかは第51条の10側が受ける形になっているので、どちらの欄も空にしないでください。
書く場所は自衛消防組織の欄だったのですね。
地震の欄ばかり探していました。
人をどう集めるかは隊の業務の欄に入ります。
組織の欄とあわせて読むと全体がつながります。
緊急参集の手順には何を書いておけばよいのか

書く中身の目安は消防庁のガイドラインが示しています。
揺れた直後に全員が会社へ向かうのが正解とは限らず、家族の安否や自宅の被害によっては自宅待機を選ばせたほうがよい場面もあります。
だから来る人と来ない人を分ける非常時の出社の基準を先に決めておく必要があります。
そのうえで、何分以内に何人が集まれるかを人数で押さえておくと、班に何人足りないかが数字で見えます。
ガイドラインは編成そのものも参集時間を考慮して決めることを挙げているので、名簿を作ったら班割りのほうも見直してください。
全員に来てもらう前提で連絡網を作っていました。
待機させる基準まで考えていませんでした。
そこを決めておかないと現場が迷います。
来る人を絞ったほうが結果として早く集まります。
電車で駆けつける前提のまま決めていないか

ガイドラインはここをはっきり切り捨てています。
電車もバスも止まる前提なので、名簿に載せてよいのは徒歩で来られる人だけということになります。
同じガイドラインの大規模地震時の対応の図では、事業所単独の対応が長期化し交代要員の参集も困難になる状況が示されています。
初動に集まった人がそのまま何日も動き続けることになるので、交代ローテーション表と交替時の申し送りまで決めておかないと最初の一日で息切れします。
統括管理者が来られない場合に備えて複数の代行者と代行の優先順位を決めておくことも、あわせて挙げられている事項です。
近くに住んでいる人が誰かを把握していません。
名簿の作り直しからになりそうです。
居住地の距離を一列足すだけで済みます。
個人情報の扱いだけ社内の規程に合わせてください。
明日からなにをすればよいのか

出発点は消防計画の自衛消防組織の欄になります。
第一に、構成員の名簿に自宅から徒歩で何分かかるかの列を足して、参集時間ごとの参集可能人員数という形に並べ替えます。
第二に、いちばん人が少ない時間帯を基準にして、四つの業務に何人足りないかを数え、足りない分を近隣に住む人で埋める編成を作ります。
第三に、その編成を年1回以上の避難訓練で実際に動かし、連絡が届かなかった人や来られなかった人を書き出します。
訓練の結果を踏まえた見直しは第一号トが求めている事項なので、直した内容は消防計画の変更として届け出てください。
三つに分けてもらえると手が動きます。
まず名簿に列をひとつ足します。
それだけで足りない時間帯が見えます。
見つかったら訓練の想定にも入れておきましょう。
よくある質問
まとめ
夜と休日が抜けていた理由がわかりました。
名簿と編成から手を付けます。
そこが埋まると訓練の中身も変わります。
消防計画の見直しや届出でお困りでしたら、㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第8条の2の5第1項・第36条第1項・第7項
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第4条の2の6・第49条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第4条の2の11・第51条の8第1項第一号・同条第3項・第51条の10第1項・同条第2項
- 総務省消防庁「大規模地震等に対応した消防計画作成ガイドライン」(平成31年)別冊3「自衛消防組織の編成について」
- e-Gov法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





