建物に自衛消防組織を置いたら、それで終わりだと思っていませんか。
実は自衛消防組織には、統括管理者という責任者と、4つの業務を担う要員を置く基準が消防法施行令と施行規則に定められています。
誰でも統括管理者になれるわけではなく、要員も人数の目安が決まっています。
この記事では自衛消防組織の統括管理者の資格要件と、要員配置の人数基準を条文から確認します。
自衛消防組織はうちにもありますが、統括管理者を決めただけで満足していました。
人数まで基準があるとは知りませんでした。
統括管理者になれる人にも条件がありますし、4つの業務にそれぞれ要員を置く人数の目安も決まっています。
まずは条文で確認しましょう。
要員はアルバイトのスタッフでもいいんでしょうか。
人数さえそろえば足りる気がします。
人数だけでなく、リーダー役の教育も別に必要です。
詳しく解説しますね。
- 自衛消防組織には統括管理者と4つの業務ごとの要員を置く義務があります
- 統括管理者になれるのは講習を修了した人か実務経験の要件を満たす人に限られます
- 4つの業務にはそれぞれおおむね2人以上の要員が必要です
- 統括管理者の直近下位で班をまとめる人には別枠の教育が必要です
- 内部組織の編成と要員配置と統括管理者の氏名は、消防計画と届出の両方に記載します
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目次
自衛消防組織はどんな仕組みで動くのか

まずは誰が何を担うのか、全体の骨組みを条文で確認します。
条文の主語は自衛消防組織そのもので、統括管理者と自衛消防要員という2つの役割を置くことを求めています。
自衛消防組織そのものは消防法第8条の2の5に基づく制度で、防災管理を要する建物も同じ組織が防火と防災の両方を担います。
統括管理者は組織全体を統括する立場で、号令をかける人が誰なのかを消防計画にも明記しておく必要があります。
次は、その統括管理者になれるのがどんな人かを見ていきます。
統括管理者と要員というのは、それぞれ別の人でないといけないんですか。
別の人である必要はありませんが、役割としては条文で分かれています。
次で資格の話をしますね。
統括管理者になれるのはどんな人か

条文が定める資格を満たす人に限られます。
第1号は自衛消防組織の業務に関する講習を修了した人で、都道府県知事や消防長、総務大臣の登録を受けた法人が実施します。一般の従業員でも受講すれば資格を得られる、いちばん現実的な道です。
第2号は講習ではなく実務経験で充てる道で、消防法施行規則第4条の2の13が具体的な年数を定めています。市町村の消防職員なら1年以上、消防団員なら3年以上の管理的又は監督的な職にあった人が該当します。
どちらの道を通るにしても、修了証や実務経験を証明する書類は自衛消防組織の設置の届出に添える必要があります。
資格を確認せずに人を充てると、届出の段階でつまずきます。
うちの統括管理者は講習を受けさせていません。
実務経験でカバーできますか。
消防職員や消防団員の管理監督経験があれば道は残っていますが、なければ講習の受講が近道です。
要員は何人配置すればよいのか

実際に動く要員の人数にも基準があります。
4つの業務とは初期消火活動、情報の収集・伝達及び設備の監視、在館者の避難誘導、そして在館者の救出・救護です。
単純に足し合わせると最低でも8人程度が必要になり、統括管理者を決めただけでは足りていません。
同じ人が複数の業務を兼ねること自体を条文は禁じていませんが、実際に招集できる体制を消防計画に定める対応と合わせて確保しておく必要があります。
夜間や休日で人数が減る時間帯こそ、この基準に届いているかを確かめてください。
日中はともかく、夜間はとても8人もそろいません。
その時間帯にどう対応するかを消防計画に定めておくのが実務の落としどころです。
要員がそろえばそれで足りるのか

実はリーダー役にだけ課された教育があります。
内部組織を編成して班長を置く場合、統括管理者の直近下位でこの4つの業務を分掌する班長への教育は、一般の要員向けの教育訓練とは別枠で消防庁長官が定めるところによります。
統括管理者の資格さえ確認すれば安心、と考えると、この班長向けの教育が抜け落ちがちです。
自衛消防組織を内部組織に分けて運用している建物ほど、誰が統括管理者の直近下位に当たるのかをまず特定しておく必要があります。
消防計画に班長の名前と教育の実施状況を記録しておくと、点検の際にも説明がしやすくなります。
班長には普通の要員教育をしていれば十分だと思っていました。
直近下位の班長には別枠の教育が要ります。
誰が班長に当たるかを先に確認しましょう。
明日から何を確認すればよいのか

消防計画への記載と届出まで済ませて初めて手続きが完了します。
まず統括管理者の資格を証明する書類をそろえ、次に4つの業務ごとの要員配置を名簿の形にします。
これらは自衛消防組織の設置の届出に添えるだけでなく、防災管理に係る消防計画の中にも記載する事項です。
すでに自衛消防組織を設置している建物でも、統括管理者が交代したときや要員の配置を見直したときは、消防計画と届出の両方を更新する必要があります。
まずは自分の建物の消防計画を開き、統括管理者の氏名と要員配置の欄が今の体制と合っているかを確かめてください。
資格と人数だけでなく、書類まで一致させておく必要があるんですね。
消防計画と届出の内容が今の体制と合っているか、まず確認してみてください。
よくある質問
まとめ
統括管理者の資格と要員の人数、そして班長の教育まで整理できました。
まずは消防計画を開いてみます。
資格の確認、人数の確認、そして届出の中身。
この3つがそろえば自衛消防組織は形になります。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法第8条の2の5
- 消防法施行令第4条の2の8
- 消防法施行規則第4条の2の10
- 消防法施行規則第4条の2の11
- 消防法施行規則第4条の2の13
- 消防法施行規則第4条の2の15
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





