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火を使う設備はどこを不燃材料にするのか|火災の発生のおそれのある部分の基準と設備ごとに外れる号を解説

機械室に置かれた暖房機と金属の架台に載せた燃料タンクを写した記事のアイキャッチ画像

ボイラーやストーブの基準というと、壁からどれだけ離すかという話が先に出てきます。
ところが条文はもう一段細かく、設備そのものの一部分を名指しして構造を求めています。
その一部分を扱う省令の条には13の号が並び、設備の種類によって読む号が変わります。
この記事では火災の発生のおそれのある部分に何が求められるのかを条文から解説します。

立入検査でボイラーの架台の材質を聞かれました。
そんな決まりまであるのでしょうか。

省令に燃料タンクの架台を不燃材料で造るという号があります。
ただし書きの付いていない号です。

ほかにも材質の決まりがあるのですか。

同じ条に13の号が並び不燃材料という語は六つの号に出てきます。
どの号を読むかは設備の種類で変わります。

この記事の結論
  • 火災の発生のおそれのある部分の構造は消防法施行令第5条第1項第5号を受けた省令第10条に置かれています。
  • 同じ条には13の号が並び柱書きはその種類ごとにと書いています。
  • 不燃材料で造ることを求める号は六つあり架台の号にはただし書きがありません。
  • 予熱や未燃ガスや電線の耐熱性は燃料と熱源の種類ごとに号が分かれています。
  • 省令第17条の特例が並べる八つの設備は火を使用する設備以外のものだけです。

火を使う設備の構造の基準は不燃材料と燃料と熱源で号が分かれ設備の種類によって残る号が変わることをまとめた図解

火災の発生のおそれのある部分とはどこを指すのか

暖房機の焚き口と向かい合う壁の一部だけが色分けされている様子を描いた図
火を使う設備の基準は、置き方の話と造り方の話に分かれています。
造り方の入口になるのが令のこの号です。
消防法施行令(昭和36年政令第37号)第5条第1項 (略) 五 対象火気設備等は、その種類ごとに総務省令で定めるところにより、その使用に際し、火災の発生のおそれのある部分について、不燃材料で造る等防火上有効な措置が講じられた構造とすること。 省令第10条 令第五条第一項第五号の規定により、対象火気設備等は、次の各号に定めるところにより、その使用に際し、火災の発生のおそれのある部分について、防火上有効な措置が講じられた構造としなければならない。 一 対象火気設備等の使用に際し、火災の発生のおそれのある部分は、不燃材料で造ること。
名指しされているのは設備の一部分です。
令は設備の全体ではなく、火災の発生のおそれのある部分について措置を求めています。
その部分をどう扱うかは省令へ送られていて、省令第10条には13の号が並びます。
柱書きがその種類ごとにと書いているとおり、13の号が全部の設備にかかるわけではありません。
自分の建物にある設備がどの号を読む側なのかを先に決めてから、条文を追ってください。

火災の発生のおそれのある部分はどこまでを言うのでしょうか。

条文はその範囲までは書いていません。
設備ごとの当てはめは所轄消防署にご確認ください。

不燃材料で造ることが求められるのはどの部分か

金属の架台に載せた燃料タンクと木の架台に載せた燃料タンクを並べた図
不燃材料という語は、この条の中に何度も出てきます。
出てくる場所を並べると、対象が部分ごとに違うことが分かります。
省令第10条 二 炉(熱風炉に限る。)、ふろがま、温風暖房機、乾燥設備及び一般サウナ設備にあっては、その風道並びにその被覆及び支枠を不燃材料で造ること。 四 燃料タンクの架台は、不燃材料で造ること。 十三 急速充電設備にあっては、その筐体は不燃性の金属材料で造ること。 ただし、分離型のものの充電ポストにあっては、この限りでない。
不燃材料という語を含む号は六つです。
第1号の火災の発生のおそれのある部分、第2号の風道と被覆と支枠、第4号の燃料タンクの架台、第9号のたき殻受け、第11号イの点滅装置の覆い、第12号ロのアークを発生する設備が並びます。
このうち第4号はただし書きを持たない短い一文で、燃料タンクの架台にはそのまま効きます。
第13号だけは語がひとつ違い、急速充電設備の筐体は不燃性の金属材料で造ることとされています。
風道の側は防火ダンパーや被覆の話と続きがあるので、下に置いたリンク先で確かめてください。

架台の号だけ一文で終わっているのですね。

短い号ほど例外が無いので現場では効いてきます。
据え替えのときに材質を控えておいてください。

燃料や熱源の種類で求められる措置はどう変わるのか

液体燃料と気体燃料と電気と固体燃料の四つの機器が横に並んでいる図
同じ条の中でも、号によって主語が入れ替わります。
主語になっているのは設備の名前ではなく、燃料や熱源のほうです。
省令第10条 五 液体燃料を予熱する方式のものにあっては、その配管(建築設備を除く。)又は燃料タンクを直火で予熱しないものとするとともに、過度の予熱を防止する措置が講じられたものとすること。 六 気体燃料又は液体燃料を使用するものにあっては、多量の未燃ガスが滞留しない措置が講じられたものとすること。 七 電気を熱源とするものにあっては、その電線、接続器具等は、耐熱性を有するものを使用すること。
熱源ごとに別の号が用意されています。
液体燃料を予熱する方式なら、配管や燃料タンクを直火で予熱しないことと、過度の予熱を防ぐ措置の二つが求められます。
気体燃料か液体燃料を使うものなら未燃ガスをためないこと、電気を熱源とするものなら電線や接続器具に耐熱性のあるものを使うことになります。
温風暖房機はさらに第8号があり、熱交換部分を耐熱性の金属材料等で造ることとされています。
固体燃料のストーブと簡易サウナ設備は第9号でたき殻受けの話になるので、燃料の欄を先に見てから号を選んでください。

つまり燃料が分かれば読む号が絞れるということですね。

そのとおりです。
銘板の燃料の欄を控えておくと条文が早く引けます。

変電設備や蓄電池設備にこの条がかからないのはなぜか

扉の閉じた設備の盤と項目に取り消し線が引かれた一覧を並べた図
条文を読み進めると、最後に特例の条が待っています。
特例が誰のために置かれたのかは令の側に書いてあります。
消防法施行令第5条第3項 火を使用する設備以外の対象火気設備等であつて、その機能、構造等により第一項に定める条例制定基準によることが適当でないと認められるものについては、当該条例制定基準に関して、当該対象火気設備等の種類ごとに総務省令で特例を定めることができる。 省令第17条 令第五条第三項の規定により、次の表の上欄に掲げる対象火気設備等については、それぞれ同表の下欄に定める規定は適用しない。 (略) ネオン管灯設備 令第五条第一項第一号から第四号まで並びに第十条第一号から第十号まで、第十二号及び第十三号、第十一条から第十三条まで、(略)
特例が置かれているのは火を使う設備の側ではありません。
令第5条第3項が特例を認めるのは火を使用する設備以外の対象火気設備等で、省令第17条の表に並ぶのは八つの設備です。
その八つは省令第3条の第14号から第21号までと顔ぶれがそろっていて、炉やボイラーのような火を使う設備は一つも入っていません。
八つのうち火花を生ずる設備と放電加工機と変電設備と蓄電池設備の四つは、省令第10条がまるごと適用されません。
残るネオン管灯設備と舞台装置等の電気設備と急速充電設備は、自分を名指しした号だけが残る形になっていて、内燃機関を原動力とする発電設備は第3号と第4号と第5号と第10号の四つが残ります。

変電設備はこの条を読まなくてよいのですか。

この条は外れますが第16条は外れていません。
表の下欄に第十六条が挙がっている設備は一つもありません。

明日からなにを確認すればよいのか

点検票を持つ人と金属の架台に載せた燃料タンクと暖房機を描いた図
条文の並びが分かれば、現場で見る順番も決まります。
見るのは設備の名前と燃料と材質の三つです。
省令第10条 四 燃料タンクの架台は、不燃材料で造ること。 省令第3条 令第五条第一項各号列記以外の部分の総務省令で定めるものは、第一号から第十三号までに掲げる設備から配管設備等を除いたもの及び第十四号から第二十一号までに掲げる設備とする。
先に決めるのは設備の名前です。
省令第3条の21の号のどれに当たるかを決めると、第14号から第21号までなら省令第17条の表を先に引くことになります。
表に載っていない設備なら省令第10条をそのまま読み、銘板の燃料の欄で第5号から第9号までのどれを読むかを選びます。
そのうえで現物を見て、燃料タンクの架台の材質と、風道があるならその被覆と支枠の材質を控えます。
条文に書かれていない当てはめの部分は決めつけず、所轄消防署に確かめてください。

設備の名前から入ればよいのですね。

名前が決まれば読む号もほぼ決まります。
点検票に燃料と材質の欄を足しておくと次から早いです。

よくある質問

Q火災の発生のおそれのある部分の範囲は条文に書かれているのですか?
A令第5条第1項第5号も省令第10条第1号も、その部分を不燃材料で造ることは求めていますが、どこからどこまでかという範囲までは書いていません。設備ごとの当てはめは所轄消防署にご確認ください。
Q燃料タンクの架台を木で造ってはいけないのですか?
A省令第10条第4号は架台を不燃材料で造ることとしていて、この号にはただし書きがありません。ただし省令第17条の表に載っている設備は第10条そのものが外れることがあるので、設備の種類を先に確かめてください。
Q変電設備には構造の決まりが何もかからないのですか?
A省令第17条の表は変電設備について省令第10条をまるごと適用しないとしていますが、第16条は挙げていません。表の下欄に第十六条が挙がっている設備は一つもないので、その他の基準の号は残ります。
Qこの省令はそのまま守らなければならないものですか?
Aこの省令は市町村が条例を定めるときの基準です。実際に建物にかかるのは市町村の火災予防条例なので、条例の条文と併せて所轄消防署にご確認ください。

まとめ

令第5条第1項第5号は設備の全体ではなく火災の発生のおそれのある部分を名指ししています。
受けているのは省令第10条で13の号が並んでいます。
不燃材料という語を含む号は六つでただし書きを持つ号は三つです。
第5号から第9号までは燃料と熱源の種類で書き分けられています。
省令第17条の特例が並べる八つは省令第3条の第14号から第21号までと顔ぶれがそろいます。
ネオン管灯設備と舞台装置等の電気設備と急速充電設備は自分を名指しした号だけが残ります。
表の下欄に第十六条を挙げている設備は一つもないのでその他の基準は残ります。

まず架台の材質から見てきます!

設備の名前と燃料が決まれば読む号も決まります
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参考・出典

  • 消防法(昭和23年法律第186号)第9条
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第5条
  • 対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号)第3条・第10条・第16条・第17条

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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