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ネオンサインの看板はどこから届出が必要になるのか|ネオン管灯設備の位置と構造の基準を解説

夕暮れの商業ビルの壁に取り付けられたネオンの看板

店の顔になるネオンの看板は、建てたあと何年もそのまま光り続けます。
電気工事の業者に任せた時点で自分の仕事は終わったと思われがちです。
ところが火災予防条例にはネオン管灯設備という条文があり、位置と構造と管理の基準がはっきり書かれています。
この記事ではネオンの看板がどこから届出の対象になるのかを条文から解説します。

看板の電気まで消防の話になるとは思いませんでした。

ネオン管灯設備は対象火気設備等として並べられています。
火を使う設備と同じ枠で条例が基準を置いています。

うちの看板は小さいので届出はしていないはずです。

届出が要るかどうかと基準がかかるかどうかは別の話です。
そこが今日いちばんお伝えしたいところです。

この記事の結論
  • ネオン管灯設備は火を使う設備と同じ対象火気設備等として並べられています。(平成14年総務省令第24号第3条第19号)
  • 設置の届出が要るのは設備容量2キロボルトアンペア以上のものです。(火災予防条例(例)第44条第14号)
  • 位置と構造の基準には容量の下限がなく小さな看板にもそのままかかります。(同省令第3条に除外の定めなし)
  • 点滅装置には不燃材料で造つた覆いを設けます。(火災予防条例(例)第14条第1項第1号)
  • 点検と絶縁抵抗等の測定の結果は記録し保存しなければなりません。(同条第2項が準用する第11条第1項第9号)

ネオン管灯設備の位置と構造の基準と設置の届出が必要になる容量をまとめた図解

ネオン管灯設備とはどんな設備なのか

店舗の壁に取り付けたネオンの看板と地上に置かれた変圧器と点滅装置
電気の設備なのになぜ消防が口を出すのか、と思われるところです。
入口は消防法第9条で、そこから政令と省令をたどると答えが出てきます。
対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号)第3条(抜粋) 令第五条第一項各号列記以外の部分の総務省令で定めるものは、第一号から第十三号までに掲げる設備から配管設備等を除いたもの及び第十四号から第二十一号までに掲げる設備とする。(略) 十九 ネオン管灯設備
炉やボイラーと同じ列に並んでいます。
消防法第9条は火を使う設備などについて必要な事項を市町村条例で定めると書いており、その条例の基準を消防法施行令第5条と上の省令が決めています。
この省令が挙げた設備をまとめて対象火気設備等と呼び、ネオン管灯設備は第19号として炉やふろがまや変電設備と同じ列に置かれています。
注目したいのは、変電設備が全出力20キロワット以下を外し蓄電池設備が10キロワット時以下を外しているのに対して、ネオン管灯設備には容量による除外がひとつも書かれていないことです。
自分の建物の壁や屋上にネオンの看板があるなら、大きさを問わずこの先の基準が自分あてのものだと考えて読み進めてください。

看板がボイラーと同じ扱いというのは意外です。

高い電圧を扱うので同じ枠に入っています。
次は届出が要る大きさの線を見ます。

どこから設置の届出が必要になるのか

消防署の窓口で届出書を提出する人と看板に取り付けられた定格の表示板
届出の要否は看板の見た目の大きさでは決まりません。
条文が使っているものさしは設備容量ひとつです。
火災予防条例(例)第44条(抜粋) 火を使用する設備又はその使用に際し、火災の発生のおそれのある設備のうち、次の各号に掲げるものを設置しようとする者は、あらかじめ、その旨を消防長(消防署長)に届け出なければならない。(略) 十四 設備容量2キロボルトアンペア以上のネオン管灯設備
境目は2キロボルトアンペアです。
届け出る時期は設置しようとするときのあらかじめであって、点灯を始めてからではありません。
同じ第44条には高圧又は特別高圧の変電設備や蓄電池設備や急速充電設備も並んでおり、ネオン管灯設備はその第14号にあたります。
ここで前の見出しの話とつなげると、届出の対象は容量で切られているのに位置と構造の基準は容量で切られていません。
届出をしていない小さな看板でも基準はかかっているので、まずは自分の看板の設備容量が何キロボルトアンペアなのかを設計図か銘板で確かめてください。

届出が要らない看板でも基準は残るということですね。

そのとおりで、ここを取り違える現場がとても多いです。
では基準の中身を五つ見ていきましょう。

位置と構造にはなにが求められるのか

木の支枠に取り付けたネオン管と金属の支枠に取り付けたネオン管の対比
条文が挙げるのは五つです。
どれも図面ではなく現場で目に見える形の話ばかりです。
火災予防条例(例)第14条第1項 ネオン管灯設備の位置及び構造は、次に掲げる基準によらなければならない。 一 点滅装置は、低圧側の容易に点検できる位置に設けるとともに、不燃材料で造つた覆いを設けること。ただし、無接点継電器を使用するものにあつては、この限りでない。 二 変圧器を雨のかかる場所に設ける場合にあつては、屋外用のものを選び、導線引き出し部が下向きとなるように設けること。(略) 三 支枠その他ネオン管灯に近接する取付け材には、木材(難燃合板を除く。)又は合成樹脂(不燃性及び難燃性のものを除く。)を用いないこと。 四 壁等を貫通する部分の碍〔がい〕管は、壁等に固定すること。 五 電源の開閉器は、容易に操作しやすい位置に設けること。
電気の火種を四方から囲う作りです。
第1号は点滅を繰り返す接点が火花を出すことを前提に、不燃材料の覆いを義務づけたうえで、点検できる位置に置けと二つの条件を重ねています。
第2号は屋外の看板でよくある形で、変圧器が雨を浴びる置き方をするなら屋外用を選び導線の引き出し部を下向きにせよという定めです。
第3号は取付け材の材質そのものを縛る規定で、ネオン管に近い支枠に木材や燃える合成樹脂を使ってはいけません。
第4号の碍管は電線が壁を貫くところに入れる筒のことで、これを壁に固定しないと電線がこすれて絶縁が破れます。
第5号は消したいときにすぐ消せる位置に開閉器を置くという当たり前の話ですが、看板の裏や施錠された機械室の奥に押し込まれている例が実際にあります。

木の枠に付けてはいけないというのは覚えやすいです。

古い看板の改修でいちばん出てくる項目です。
次は落としやすい管理の話に進みます。

実務で見落としやすいのはどこか

分電盤の前で絶縁抵抗を測る担当者と点検の結果をとじた記録のファイル
抜けやすいのは造るときではなく、使い続けるあいだの決まりです。
第14条には第2項があり、そこで別の条文を借りてきています。
火災予防条例(例)第14条第2項 ネオン管灯設備の管理の基準については、第11条第1項第9号の規定を準用する。 (同第11条第1項第9号) 九 必要な知識及び技能を有する者として消防長が指定するものに必要に応じ設備の各部分の点検及び絶縁抵抗等の測定試験を行わせ、不良箇所を発見したときは、直ちに補修させるとともに、その結果を記録し、かつ、保存すること
点けっぱなしにする設備ほど記録が要ります。
借りてきたのは変電設備の管理の条文で、点検と絶縁抵抗等の測定試験を行わせ、結果を記録して保存するところまでが求められています。
行わせる相手は必要な知識及び技能を有する者として消防長が指定するものと書かれているので、社内の誰でもよいという読み方はできません。
もうひとつの落とし穴が罰則で、第49条の罰則に第14条は挙げられていません。
罰金がないぶん誰にも指摘されないまま何年も過ぎやすく、立入検査で初めて記録の不在が出てくることになります。
看板の工事を頼んだ業者から点検の報告書を受け取っているなら、それを消防計画の書類と同じ場所にとじておいてください。

看板の点検の書類を見た記憶がありません。

まずは施工した業者に控えがあるか聞いてみてください。
そこから今の状態を組み立て直せます。

明日からなにを確認すればよいのか

店舗の看板を見上げる防火管理者と操作しやすい位置に付けられた開閉器
条文を読んだあとに動かせるところは限られています。
現場で見て確かめられる順に並べます。
消防法(昭和23年法律第186号)第9条 かまど、風呂場その他火を使用する設備又はその使用に際し、火災の発生のおそれのある設備の位置、構造及び管理(略)その他火の使用に関し火災の予防のために必要な事項は、政令で定める基準に従い市町村条例でこれを定める
最後に効いてくるのは自分の市の条例です。
ここまで引いてきたのは条例のであって、実際に効力を持つのは自分の建物がある市町村の火災予防条例です。
条番号や数値がずれている市もあるので、まずは市のサイトで火災予防条例を開き、ネオン管灯設備の条文を自分の目で確かめてください。
そのうえで看板の設備容量を銘板か竣工図で調べ、2キロボルトアンペア以上なら設置の届出の控えが残っているかを見ます。
最後に点滅装置の覆いと開閉器の位置と点検の記録という三つを見て回れば、この条文で問われる点はひととおり押さえられます。

まず自分の市の条例を開くところからですね。

そこが出発点になります。
迷ったら所轄の予防課に条文の番号を伝えて聞くのが早いです。

よくある質問

Q設備容量が2キロボルトアンペア未満なら位置や構造の基準も適用されないのですか?
A容量で切られているのは第44条第14号の届出だけです。火災予防条例(例)第14条は容量にふれずネオン管灯設備一般を対象にしており、対象火気設備等を挙げた平成14年総務省令第24号第3条第19号にも容量による除外は書かれていません。
Q点滅装置に覆いを設けなくてよい場合はありますか?
A第14条第1項第1号のただし書に無接点継電器を使用するものはこの限りでないと書かれています。接点が開閉して火花を出す仕組みではないためで、それ以外は低圧側の点検できる位置に置いたうえで不燃材料の覆いが要ります。
Q点検や絶縁抵抗の測定は自社の担当者が行ってもよいのですか?
A準用される第11条第1項第9号は、必要な知識及び技能を有する者として消防長が指定するものに行わせると定めています。誰が指定を受けているかは市町村ごとに扱いが分かれるため、所轄消防署に確かめてください。
Q基準を守っていなかった場合に罰則はありますか?
A火災予防条例(例)第49条が挙げるのは第30条や第31条など別の条文で、第14条は含まれていません。ただし消防法第4条の立入検査で指摘の対象になり、危険が認められれば法第5条の3などの措置に進む場合があります。

まとめ

ネオン管灯設備は炉やボイラーと同じ対象火気設備等として並べられています。
設置の届出が要るのは設備容量2キロボルトアンペア以上のものです。
位置と構造の基準は容量で切られておらず小さな看板にもかかります。
点滅装置は低圧側の点検できる位置に置き不燃材料の覆いを設けます。
ネオン管灯に近接する支枠に木材や燃える合成樹脂を使ってはいけません。
壁を貫く碍管は壁に固定し開閉器は操作しやすい位置に設けます。
点検と絶縁抵抗等の測定の結果は記録し保存しなければなりません。

まず自分の市の条例と看板の銘板を見てみます。

その二つが分かれば話が早く進みます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。

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参考・出典

  • 消防法(昭和23年法律第186号)第4条第1項・第9条
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第5条(対象火気設備等の位置、構造及び管理に関する条例の基準)
  • 対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号)第3条第19号・第10条第11号・第14条第6号
  • 火災予防条例(例)(昭和36年11月22日自消甲予発第73号消防庁長官)第14条(ネオン管灯設備)・第11条第1項第9号・第44条第14号・第49条

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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店の顔になるネオンの看板は、建てたあと何年もそのまま光り続けます。 電気工事の業者に任せた時点で自分の仕事は終わったと思われがちです。 ところが火災予防条例にはネオン管灯設備という条文があり、位置と構造と管理の基準がはっ...