火を使う設備からダクトを引いていると、そのダクトは条文の上では風道と呼ばれます。
風道について定めた規定は、火災予防条例のもとになる省令の中に三か所しか置かれていません。
しかもその三か所は、いつも同じ五つの設備だけを名指ししています。
この記事では風道を不燃材料で造る範囲と防火ダンパーの位置と被覆の要否を条文から解説します。
立入検査で暖房機のダクトの材質を聞かれて答えられませんでした。
そのダクトは条文では風道という言葉で出てきます。
材質だけでなく支える枠まで指定されています。
厨房のダクトも同じ扱いになるのでしょうか。
そこが分かれ目で、風道の規定は五つの設備にしか向いていません。
厨房設備はその五つに入っていないので別の号で読みます。
- 風道の規定がかかるのは炉と限定されたふろがま以下の五つの設備だけです。
- 不燃材料で造るのは風道だけでなく被覆と支枠まで含みます。
- 防火ダンパーは火を使用する部分に近接する部分に設けることとされています。
- 被覆に使えるのは金属以外の不燃材料で厚さも指定されています。
- 可燃性の部分から15センチメートル以上離れている部分は被覆をしなくてよいとされています。
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目次
風道の基準はどの設備にかかるのか

ところが条文はそう書いていません。
省令第3条は対象火気設備等を21種類挙げていますが、風道について定めた規定はそのうち炉(熱風炉に限る。)とふろがまと温風暖房機と乾燥設備と一般サウナ設備の五つにしか向いていません。
しかもこの省令の中で風道という語が出てくるのは第10条と第11条と第14条の三か所だけで、三か所とも同じ五つの並びをそのまま繰り返しています。
厨房設備もボイラーもストーブも給湯湯沸設備も、風道を持つことはあってもこの並びには入っていません。
自分の建物のどの機器がこの五つに当たるのかを先に選り分けておくと、あとの条文がまっすぐ読めます。
炉だけ括弧が付いているのはなぜでしょうか。
炉は熱風炉に限ると絞られていて、それ以外の炉には風道の規定がかかりません。
まずは機器の銘板で名称を確かめてみてください。
不燃材料で造るのは風道だけなのか

そこを読み飛ばすと現場で足りないものが出ます。
第10条第2号は「その風道並びにその被覆及び支枠を不燃材料で造ること」と書いていて、ダクト本体だけを指しているのではありません。
風道を包む被覆も、風道を吊ったり受けたりしている支枠も、同じ一文の中に並べられています。
ここでいう不燃材料は省令が独自に決めたものではなく、第2条第3号が建築基準法第2条第9号の不燃材料をそのまま引いています。
ダクトはステンレスや亜鉛鉄板でも、吊り金物の受け木や仕上げの化粧材が木のままだと、この一文を満たさないことになります。
ダクトの上に置いた化粧のカバーも支枠に入るのですか。
条文は被覆と支枠としか書いていないので、どこまでを含むかは所轄消防署の判断になります。
改修で後から足した部材ほど見落とされがちです。
防火ダンパーはどこに設けることとされているのか

ここで求められているのは、それとは別の位置のものです。
第11条第3号が指定している位置は「その風道の火を使用する部分に近接する部分」で、区画を貫通する場所とは書かれていません。
建築基準法施行令第112条第21項が求める防火区画貫通部の防火設備は別の根拠によるものなので、同じ一本のダクトに両方が必要になることもあります。
条文は近接する部分としか書いておらず、何センチメートル以内という数値の指定はありません。
図面を見るときは、区画のダンパーだけを数えて安心せず、機器の付け根にも一つあるかどうかを確かめてください。
区画のダンパーが近くにあれば兼ねられそうな気もします。
兼ねられるかどうかまでは条文に書かれていないので所轄消防署にご確認ください。
系統図に位置を落として持っていくと話が早く進みます。
被覆はどうすれば省けるのか

そしてこの号にはただし書きが付いています。
本文が求めているのは、火を使用する部分から防火ダンパーまでと、防火ダンパーから2メートル以内の部分を、厚さ10センチメートル以上の被覆で包むことです。
材料は不燃材料であれば何でもよいのではなく金属以外と限られているので、薄い鉄板やアルミの板金を巻いてもこの被覆にはなりません。
そのうえでただし書きが、建築物等の可燃性の部分および可燃性の物品との間に15センチメートル以上の距離がある部分についてはこの限りでないとしています。
被覆で包むか可燃物から離すかのどちらかを選べる形なので、天井裏の狭いところは被覆、広く取れるところは距離という納め方が現実的です。
ただし書きが効くのは風道の一部分だけでもよいのですか。
ただし書きは距離を有する部分と書いていて、風道全体とはしていません。
倉庫として使い始めた部屋の中を通っていないかを見てください。
明日からなにを確認すればよいのか

材質や位置と違って、こちらは使いながら崩れていきます。
第14条第2号が求めているのは、風道の給気口をじんあいの混入を防止するものとすることで、フィルターや網が外れたままになっていないかは目で見て分かります。
一方で、この省令には五つの設備の風道そのものを清掃するようにという号は置かれていません。
清掃を名指ししているのは第16条第3号の厨房設備の天蓋と排気ダクトだけなので、風道の内部は自主的な点検で見ておくことになります。
まずは五つに当たる機器を一覧にして、給気口と機器の付け根のダンパーと被覆の三点を写真に撮り、所轄消防署に相談する材料をそろえてください。
つまり材質と位置と給気口の三つを見ればよいのですね。
そのとおりで、実際に効くのは市町村の火災予防条例なので号の番号も所轄で確かめてください。
省令はその条例のもとになる基準です。
よくある質問
まとめ
天井裏に上がって被覆と支枠を見てきます!
被覆で包むか離すかのどちらかで足りるという読み方が要になります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第9条
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第5条
- 対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号)第2条・第3条・第10条・第11条・第14条・第16条・別表第一
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号
- 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第112条第21項
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





