防災管理点検の当日、点検資格者が机に広げるのは決まった様式の用紙です。
その用紙には確かめる項目があらかじめ印刷されていて、ひとつずつ適か否かを判定していきます。
どの項目が並んでいるかを先に知っておけば、点検日までに何をそろえればよいかが逆算できます。
並んでいる項目は消防計画の記載事項とほぼ一対一で対応しています。
来月が初めての防災管理点検で、何を見られるのか見当が付きません。
当日になって知らない書類を求められるのが怖いです。
見られる項目は点検票という様式に全部印刷されていて、誰が来ても中身は同じです。
先に手に入れて眺めておけば当日に驚くことはありません。
その様式はどこかで決められているものなのですか。
消防署ごとに違うものだと思っていました。
様式は消防庁告示で全国共通に決められていて、項目の中身も施行規則と告示が指定しています。
順に読み解いていきましょう。
- 防災管理点検の結果は報告書に点検票を添付して報告します
- 様式は平成20年消防庁告示第19号が定め点検票は その1 から その3 までの三枚です
- 点検基準は消防法施行規則第51条の14が第1号から第5号まで並べています
- 消防計画の欄で見られる中身は消防庁告示が九つの区分で示しています
- 判定は適か否の二択で該当のない項目には該当なしと記入します
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目次
防災管理点検の結果はどんな書類で報告するのか

その報告に使う様式は、施行規則が消防庁長官に委ねています。
この委任を受けた平成20年消防庁告示第19号は、点検の結果は別記様式第1の防災管理点検結果報告書に、別記様式第2の点検票を添付して行うものと定めています。
その点検票は その1 から その3 までの三枚に分かれていて、その1 は防災管理者や立会者の氏名と点検年月日、それに対象物の概要を書く表紙にあたる用紙です。
その1 の上部には防災管理維持台帳の記録の有無と保存の有無を、有・一部有・無から選ぶ欄も置かれています。
点検の依頼をするときは、報告書だけでなくこの三枚の様式も一緒に手元へ置いてから準備を始めてください。
報告書という一枚の紙を出せば終わりだと思っていました。
添付する点検票のほうが中身なのですね。
そのとおりで、判定が並んでいるのは点検票のほうです。
まずは その2 のいちばん上にある届出の欄から見ていきます。
点検票の届出の欄では何が確かめられるのか

その先頭に来るのが届出がされているかどうかの確認です。
第1号が指す二つの届出が防災管理者選任(解任)と消防計画作成(変更)にあたり、第2号が指す届出が自衛消防組織の設置にあたります。
確かめられるのは控えが残っていることだけではなく、届け出た内容が今の実態と合っているかどうかです。
東京消防庁が公表している点検要領では、届出書の写しで確認したうえで、人事異動によって届出の防災管理者が入れ替わっていないかを従業員名簿等で確かめることまで求めています。
担当者が代わったのに届出を出し直していない建物はここでつまずくので、まず控えの日付と現在の担当者を照らし合わせてください。
控えさえあれば通るものだと考えていました。
今の担当者と合っているかまで見られるのですね。
異動の多い春に点検日を置いている建物ほど気を付けたいところです。
次はいちばん行数の多い消防計画の欄に進みます。
消防計画の欄にはどんな項目が並ぶのか

その中身は条文には書かれておらず、告示に送られています。
第3号がいう消防庁長官が定める事項は平成20年消防庁告示第22号で定められ、消防庁の通知はその中身を九つの区分で説明しています。
区分は基本的な事項・地震による被害の軽減・特殊な災害の被害の軽減・自衛消防組織・共同して置く場合・業務の一部委託・権原の範囲・強化地域に所在する場合・避難訓練の実施回数の順です。
点検票の消防計画の欄もこの順に並び、自衛消防の組織から始まって避難施設の維持管理及びその案内、収容人員の適正化、防災管理上必要な教育、避難訓練その他必要な訓練、関係機関との連絡、訓練結果の検証及び消防計画の見直しと続きます。
つまり消防計画に定めていない事項は判定のしようがないので、点検の準備は計画の記載漏れを埋めるところから始まります。
点検票を見れば、自分の消防計画に足りない項目が分かるということですね。
照合表として使えそうです。
その使い方が実務ではいちばん早いです。
あとは適と否がどこで分かれるかを押さえておきましょう。
適と否はどこで分かれるのか

書類だけで決まらない項目も残っていて、その代表が最後の二つの基準です。
第4号は権原が分かれている建物だけに掛かる基準で、点検票では その3 に置かれ、統括防災管理者の選任(解任)と全体についての消防計画作成(変更)が判定されます。
第5号の避難上必要な施設及び防火戸の管理は、東京消防庁の点検要領では管理の状態を目視で確かめるものとされ、廊下や階段や避難口に避難の支障となる物件が放置されていないかが見られます。
様式の備考は、該当のない点検項目については状況及び措置内容の欄に該当なしと記入することを求めているので、空欄のまま出すと判定できていないのか該当が無いのかが伝わりません。
同じ点検要領では、点検時に否であっても点検の実施中に改善して適の状態になったものは改善内容を書いたうえで適とできるとされているため、当日その場で片付けられる物件は片付けてしまうのが得策です。
廊下に置いた台車を当日どかせば適になるということですか。
それなら朝のうちに見回っておきます。
その場しのぎにならないよう、置き場所そのものを決め直すところまでやれると理想です。
最後に準備の手順をまとめます。
明日からなにをすればよいのか

その準備の受け皿になるのが台帳です。
消防局の多くが様式と点検要領を公表しているので、その用紙を手元に置き、届出の三行から順に控えがあるかを確かめていくのが最短です。
消防計画の欄では、行の名前を自分の計画の目次と突き合わせ、対応する条項が無い行に印を付けておきます。
そのうえで実施の記録を防災管理維持台帳に綴じ、避難上必要な施設については点検日の前に建物を一周して物件が置かれていないかを目で確かめます。
埋まらなかった行がそのまま点検日の宿題になるので、消防計画の変更が要るものは届出まで含めて早めに動いてください。
先に自分で埋めてみれば、足りないところが見えるということですね。
今週のうちに様式を取り寄せます。
その一往復があるだけで当日の空気がまったく変わります。
埋まらない行が残ったら、そこだけ所轄消防署に相談してみてください。
よくある質問
まとめ
何を見られるか分からないという不安がなくなりました。
点検票を印刷して行ごとに自分で確かめてみます。
そこまで進めば点検日は答え合わせの日になります。
消防計画の書き直しや届出で迷ったら、㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第8条の2の2第1項・第8条の2の4・第36条第1項
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第46条・第48条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条の2・第4条の2の4・第51条の8・第51条の9・第51条の12・第51条の14
- 防災管理の点検の結果についての報告書の様式を定める件(平成20年消防庁告示第19号)
- 防災管理の点検基準に係る事項等を定める件(平成20年消防庁告示第22号)
- 総務省消防庁「消防法施行規則の一部を改正する省令の公布に伴う関係告示の公布について」(平成20年9月24日 消防予第238号)
- 東京消防庁「防災管理点検結果報告書」所収の別記様式第2 防災管理点検票および点検基準・点検要領
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





