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サウナ室のストーブは消防法でどこまで基準がかかるのか|一般サウナ設備の風道の構造と熱源を遮断する装置を解説

サウナ室のストーブは消防法でどこまで基準がかかるのかを表したアイキャッチ画像

サウナ室に据えたヒーターは、条文の上ではサウナ室に設ける放熱設備と呼ばれます。
その放熱設備は省令の中で簡易サウナ設備一般サウナ設備の二つに書き分けられています。
分かれ目になるのは置く場所とサウナ室の形と定格出力と熱源の四つです。
この記事では一般サウナ設備にかかる風道の構造と熱源を遮断する装置を条文から解説します。

浴場のサウナ室にあるヒーターも消防の設備になるのですか。

サウナ設備は対象火気設備等として条文に名前が出ています。
しかも二つの号に分けて書かれています。

テントサウナの記事は読みましたが、うちは建物の中のサウナ室です。

それなら一般サウナ設備の側で読むことになります。
かかる条文の並びが簡易サウナ設備とは違います。

この記事の結論
  • サウナ室に設ける放熱設備は消防法第9条を受けた火災予防条例の対象火気設備等です。
  • 省令第3条第9号は一般サウナ設備を簡易サウナ設備以外のサウナ設備と定義しています。
  • 屋外のテント型かバレル型で定格出力6キロワット以下の薪か電気のものだけが簡易サウナ設備です。
  • 一般サウナ設備には風道の不燃材料と防火ダンパーと給気口の基準がかかります。
  • 熱源を遮断する装置を消火器で代えられるのは薪を熱源とする簡易サウナ設備だけです。

サウナ室の放熱設備が簡易サウナ設備と一般サウナ設備に分かれ屋外のテント型とバレル型のほかは一般サウナ設備になり風道を不燃材料で造り防火ダンパーと手動と自動の遮断装置が必要になることをまとめた図解

消防法でいう一般サウナ設備とはどこまでを指すのか

建物とサウナ室の中に置かれた放熱設備と見に来た人を並べて描いた図
サウナストーブという言い方は日常のもので、条文には放熱設備と出てきます。
その放熱設備が二つの号に分けて置かれているところが出発点です。
対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号)第3条 令第五条第一項各号列記以外の部分の総務省令で定めるものは、第一号から第十三号までに掲げる設備から配管設備等を除いたもの及び第十四号から第二十一号までに掲げる設備とする。 (略) 八 簡易サウナ設備(屋外その他の直接外気に接する場所に設けるテント型サウナ室(略)又はバレル型サウナ室(略)に設ける放熱設備であって、定格出力六キロワット以下のものであり、かつ、薪又は電気を熱源とするものをいう。以下同じ。) 九 一般サウナ設備(簡易サウナ設備以外のサウナ設備(サウナ室に設ける放熱設備をいう。)をいう。以下同じ。) (略)
簡易サウナ設備の残り全部が一般サウナ設備です。
省令第3条は対象火気設備等を21種類挙げていて、サウナはそのうち第8号と第9号の二つに分かれています。
第9号の書き方は「簡易サウナ設備以外のサウナ設備」という引き算で、サウナ設備そのものはサウナ室に設ける放熱設備と括弧の中で説明されています。
第8号と違って熱源も定格出力も屋内か屋外かも絞っていないので、第8号の条件を満たさないものはすべてここに落ちます。
建物の中のサウナ室に据えられたヒーターは、まずこの第9号で読むことになります。

一般という言葉から、めずらしいほうが簡易だと思っていました。

条文の並びでは第8号のほうが狭く切り出されています。
まずは建物の中のサウナ室を数え上げてみてください。

テントサウナと一般サウナ設備は何で分かれるのか

屋外のテント型と樽型のサウナ小屋と建物の中のサウナ室を左右に並べて描いた図
第9号が引き算で書かれている以上、分かれ目は第8号の側にしかありません。
その第8号は括弧の中に条件をいくつも重ねています。
同省令第3条 (略) 八 簡易サウナ設備(屋外その他の直接外気に接する場所に設けるテント型サウナ室(サウナ室のうちテントを活用したものをいう。)又はバレル型サウナ室(サウナ室のうち円筒形であり、かつ、木製のものをいう。)に設ける放熱設備であって、定格出力六キロワット以下のものであり、かつ、薪又は電気を熱源とするものをいう。以下同じ。) (略)
四つの条件がそろったときだけ簡易サウナ設備です。
第8号が重ねているのは、屋外その他の直接外気に接する場所に設けること、テント型サウナ室かバレル型サウナ室であること、定格出力が6キロワット以下であること、熱源が薪又は電気であることの四つです。
テント型はテントを活用したもの、バレル型は円筒形でかつ木製のものと、それぞれ括弧の中で定義されています。
四つのうち一つでも欠ければ第8号には入らないので、そのまま第9号の一般サウナ設備として扱われることになります。
建物の中に持ち込んだテント型のものや、屋外でも出力が6キロワットを超えるものは、簡易サウナ設備の側では読めません。

屋根のある半屋外に置いた樽型のものはどちらになるのでしょうか。

条文は直接外気に接する場所と書いているだけで境目までは示していません。
置き場所の写真と機器の銘板を持って所轄消防署に相談してください。

一般サウナ設備の構造にはなにが求められるのか

サウナ室から伸びる風道と途中の防火ダンパーと被覆と給気口の格子を並べて描いた図
一般サウナ設備には、簡易サウナ設備には出てこない条文がまとめてかかります。
どれも風道を持つ設備として名指しされているものです。
同省令第10条 (略) 二 炉(熱風炉に限る。)、ふろがま、温風暖房機、乾燥設備及び一般サウナ設備にあっては、その風道並びにその被覆及び支枠を不燃材料で造ること。 同第11条 (略) 三 炉(熱風炉に限る。)、ふろがま、温風暖房機、乾燥設備及び一般サウナ設備にあっては、その風道の火を使用する部分に近接する部分に防火ダンパーを設けること。 四 前号の風道にあっては、火を使用する部分から防火ダンパーまで及び防火ダンパーから二メートル以内の部分を厚さ十センチメートル以上の金属以外の不燃材料で被覆すること。ただし、建築物等の可燃性の部分及び可燃性の物品との間に十五センチメートル以上の距離を有する部分にあっては、この限りでない。 同第14条 (略) 二 炉(熱風炉に限る。)、ふろがま、温風暖房機、乾燥設備及び一般サウナ設備にあっては、その風道の給気口は、じんあいの混入を防止するものとすること。
三つの条文が同じ五つの設備を並べています。
炉のうち熱風炉に限るもの、ふろがま、温風暖房機、乾燥設備、そして一般サウナ設備という五つの並びが、第10条第2号と第11条第3号と第14条第2号にそのまま繰り返されています。
求められているのは、風道と被覆と支枠を不燃材料で造ること、火を使う部分に近接する部分に防火ダンパーを設けること、給気口をじんあいの混入を防ぐものにすることの三つです。
さらに第11条第4号が、火を使用する部分からダンパーまでとダンパーから2メートル以内の部分を厚さ10センチメートル以上の金属以外の不燃材料で被覆することを求めています。
この五つの並びに簡易サウナ設備の名前は出てきません。

つまり風道のある設備だけを集めた並びなのですね。

そのとおりで、屋外のテント型やバレル型は入っていません。
サウナ室の天井から出ているダクトの材質と途中のダンパーを見てみてください。

熱源を遮断する装置は消火器で代えられるのか

温度センサーと遮断のスイッチ盤を備えたサウナ室と消火器だけを置いたサウナ室を並べて描いた図
安全装置の条文は、簡易サウナ設備と一般サウナ設備を同じ号で扱っています。
ところが、ただし書きのほうは片方にしか働きません。
同省令第15条 (略) 七 簡易サウナ設備及び一般サウナ設備にあっては、その温度が異常に上昇した場合に直ちにその熱源を遮断することができる手動及び自動の装置を設けること。ただし、簡易サウナ設備(薪を熱源とするものに限る。)にあっては、その周囲において火災が発生した際に速やかに使用できる位置に消火器を設置した場合は、この限りではない。
消火器で代えられるのは簡易サウナ設備だけです。
本文は簡易サウナ設備と一般サウナ設備の両方に、温度が異常に上昇した場合に直ちに熱源を遮断できる手動及び自動の装置を求めています。
「及び」で結ばれているので、手動と自動のどちらか一方だけでは足りないという読み方になります。
ただし書きが働くのは薪を熱源とする簡易サウナ設備に限られていて、その場合だけ周囲で火災が発生した際に速やかに使える位置に消火器を置けば足ります。
一般サウナ設備はこのただし書きの外にあるので、消火器を用意しても装置そのものは省けません。

サウナ室の外に消火器を置いてあるので安心していました。

消火器は消火器で必要ですが、遮断装置の代わりにはなりません。
手元のヒーターに手動の遮断スイッチがあるかを確かめてください。

明日からなにを確認すればよいのか

点検表を持つ人とサウナ室と消防の窓口の建物を並べて描いた図
離隔距離は表から数字を引くのが決まりですが、サウナはその表に載っていません。
まず条文が何を指しているかを押さえておきます。
同省令第5条(火災予防上安全な距離) 令第五条第一項第一号の総務省令で定める火災予防上安全な距離は、次の各号に掲げる距離のうち、消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長。以下同じ。)又は消防署長が認める距離以上の距離とする。 一 別表第一の左欄に掲げる対象火気設備等の種別に応じ、それぞれ同表の右欄に定める離隔距離 二 電気を熱源とする対象火気設備等のうち、別表第二に掲げるものにあっては、同表の左欄に掲げる対象火気設備等の種別に応じ、それぞれ同表の右欄に定める離隔距離 三 対象火気設備等の種類ごとに、それぞれ消防庁長官が定めるところにより得られる距離
別表にサウナ設備の欄はありません。
第5条が挙げているのは別表第一の距離と別表第二の距離と消防庁長官が定めるところにより得られる距離の三つで、そのうち消防長又は消防署長が認める距離以上とされています。
ところが別表第一にも別表第二にも、炉やふろがまや乾燥設備の欄はあるのにサウナ設備の欄が置かれていません。
表から数字を引けない以上、機器の仕様書と設置図を持って所轄消防署に当たるのが早道になります。
設置の届出は市町村の条例によりますが、消防庁が示した火災予防条例(例)第44条は(7)に「サウナ設備(個人の住居に設けるものを除く。)」と置いていて、簡易か一般かで書き分けていません。

届出のほうは二つに分けていないのですね。

実際に効くのは市町村の条例なので号の番号と文言も所轄の条例で確かめてください。
サウナ室ごとに定格出力と熱源と風道の有無を書き出しておくと話が早くなります。

よくある質問

Q屋外に置いたバレル型のサウナでも出力が大きければ一般サウナ設備になりますか?
A省令第3条第8号は定格出力六キロワット以下のものと括弧の中で区切っているので、これを超えると第8号には入りません。第9号が簡易サウナ設備以外のサウナ設備を一般サウナ設備としているため、そちらで読むことになります。実際の適用は所轄消防署にご確認ください。
Qガスを熱源とするサウナストーブはどちらの号で読みますか?
A第8号は熱源を薪又は電気とするものに限っているので、ガスを熱源とするものは第8号には入りません。第9号は熱源を絞っていないため、そちらで読むことになります。あわせて省令第15条第2号が、気体燃料を使用するものに立ち消えの際に安全を確保できる装置などを求めています。
Q風道を持たないサウナ室でも第10条第2号はかかりますか?
A第10条第2号も第11条第3号も第14条第2号も、いずれもその風道について定めた規定です。風道が無い設備にどう当てはめるかまでは条文に書かれていないので、所轄消防署にご確認ください。なお省令第10条第7号は電気を熱源とするものの電線や接続器具に耐熱性を求めており、こちらは風道の有無と関係なく効きます。
Q屋内に設けるときは床にも条件がかかりますか?
A消防法施行令第5条第1項第3号が、屋内に設ける対象火気設備等は総務省令で定める不燃性の床等の上に設けることを求めています。省令第7条はその不燃性の床等を不燃材料のうち金属以外のもので造られた床若しくは台又は土間としています。免除を定めた省令第6条第2号が名指ししているのは簡易湯沸設備と燃料電池発電設備だけなので、サウナ設備はこの条件をそのまま受けることになります。

まとめ

サウナ室に設ける放熱設備は火災予防条例の対象火気設備等です。
省令第3条第9号は一般サウナ設備を引き算で定義しています。
第8号の四つの条件が一つでも欠ければ一般サウナ設備になります。
風道と被覆と支枠は不燃材料で造ることが求められます。
熱源を遮断する装置は手動と自動の両方が必要です。
消火器で代えられるのは薪を熱源とする簡易サウナ設備だけです。
離隔距離の別表にサウナ設備の欄は置かれていません。

まずはサウナ室のダクトとスイッチを見てきます!

簡易サウナ設備の側で読めるかどうかを先に確かめるのが近道です
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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参考・出典

  • 消防法(昭和23年法律第186号)第9条
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第5条
  • 対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号)第3条・第5条・第6条・第7条・第10条・第11条・第14条・第15条・別表第一・別表第二
  • 火災予防条例(例)(昭和36年11月22日自消甲予発第73号消防庁長官)第44条

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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