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防火管理とピンハネの違い|防災屋ダイアリーNo.10

建設業の商習慣における悪しき❝ピンハネ❞ を忌み嫌い過ぎて、「防火管理」の価値に気付きにくくなっているのではないか。

 

ピンハネとは、クライアントから受注した案件を協力業者(あまり下請けという言葉を使いたくない)に丸投げし、利ザヤをかすめ取ること。

 

この案件を右から左に流すだけで通行料を ❝ピンハネ❞ をする仲介業者(ブローカー)は何ら価値を出していないことが多い。

ブローカーがいない方が発注者が安く済ませられるし、実際に仕事をする業者はハネられる分の利益を得ることができる。

このことからピンハネブローカーは忌み嫌われており、どんどん情報化が進んだ昨今は淘汰されつつある。

 

一方、クライアントと現場作業者の間に入ることで、ちゃんと価値を出している業者もある。

 

その一つに「防火管理」が挙げられる。

(株)スマテンの都築社長が毎度インタビューで「消防用設備点検の報告率が低い理由」として以下の3つを挙げている。

  1. 消防点検を知らない
  2. 知ってはいるが管理が行き届いていない
  3. 知っているけど言われるまでやらない

このうち、2. の「防火管理」の不足を補う仕事をしている人と、ピンハネブローカーを混同してはいけない。

 

例えばクライアントから消防点検の案件を定期的に受注し、そこへ消防設備士や点検資格者を手配して作業してもらい、その対価を得ることは一見ピンハネに見えるかもしれない。

しかし実際はクライアントの建物管理をしているし、現場作業者の管理もしている。

確かに現場作業者が建物管理までできれば、ここで間に入っている建物管理をする係は不要になる。

しかし実際、仕組みの上に乗せないと現場作業者が建物管理まですることは困難であり、それは現状の点検報告率が裏付けている。

 

クライアントの建物を点検・報告された状態で維持する「防火管理」には価値があるし、この価値を ❝ピンハネ❞ と混同してしまうことが、業界課題である点検報告率の低水準すら招いていると思う。

 

寿防災工業(株)の安永社長が『消防点検は“地産地消” がいい』というような旨の投稿をXでされていたが、その通りだと思う。

わざわざ遠隔地へ移動して消防点検を含む現場作業をするのは非効率なので、できるだけ近くの作業者にやってもらう方がいい。

何でも最初から最後まで自分でやろうとするから、結果的にクライアントへ提出する見積り金額が高くなる。

クライアントの目的は消防点検・報告がされた状態にすることであり、遠いところから移動して現場作業をしてもらうことではない。

車移動の価値は0である。この価値を生まない時間を省いて生産性を高める努力をすることは、言わずもがな消防設備士とクライアント双方のメリットになる。

この生産性を高める努力をするというマインドを消防業界全体で持てると収益体質が改善され、結果的に賃上げ等が可能になる。

 

もっと「防火管理」をリスペクトしよう。

ましてや ❝ピンハネ❞ とは全然違う。

自前で現場作業をした方が価値が高くなる案件と、協力会社とタッグを組んだ方が価値が高くなる案件を見分けよう。

 

(株)防災屋は、現場作業もできるし、防火管理もできる。だからクライアントに最適な提案ができる。

現場で働く消防設備士としてのプライドを抱きつつ、防火管理へのリスペクトも抱いて仕事をしたい。

 

以上、強欲な青木でした!

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