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【入門編】消防訓練の基礎知識!種類・目的・方法をわかりやすく解説!

消防訓練と聞いて、まず皆さんが思い出すのが幼稚園や小学校で行う避難訓練ではないでしょうか。
毎年9月の防災の日にあわせて避難訓練を行う学校が多く、避難訓練は消防訓練の一環です。

消防訓練は、消防法で定められた防火管理者の選任が必要な建物や事業所では実施する義務があります。

消防訓練は消防機関が行うものではありません。
 消防訓練の計画・届出・実施は、防火管理者が行います。 

消防訓練は、火災時の被害を最小限に抑えるために重要な活動です。
しかし、消防訓練について正しく理解されている方は少ないのではないでしょうか。

こちらの記事では、消防訓練の基礎知識として、消防訓練とは何か、その重要性、種類や実施方法について詳しく解説します。

消防訓練の基本知識

はじめに

消防訓練に関するよくある誤解として、

・消防署の立会いのもと、消防職員が実施するもの
・従業員や関係者全員が参加しないといけないもの
・面倒な手続きが必要なもの

といったことが挙げられます。
消防訓練に関する正しい情報は以下のとおりです。

・消防訓練の計画・届出・実施は、防火管理者が行う
・消防職員は基本的に立会わない
・全員参加が望ましいが、できる時に、できる人で消防訓練を行う
・訓練実施後の所轄の消防署への報告は不要
 「消防訓練は防火管理者の責務です。」 

「防火管理者が計画・届出を行い、できる時に、できる人で訓練を行う」ようにしましょう。

消防訓練とは?

 消防訓練は、火災が発生した際に迅速かつ適切に対応するために行われる訓練 です。
ここでは、その目的と基本的な内容について説明します。

火災は、いつ、どこで発生するか予測不可能なものです。
そのため、いざという時に慌てずに適切な行動をとれるように、日頃から訓練しておくことが重要です。
 消防訓練では、火災発生時の初期消火、避難経路の確認、通報方法など、火災発生時に必要な知識や技能を習得 します。

消防訓練は、企業や学校、病院など、様々な場所で実施されています。
従業員や生徒、患者など、関係する全ての人が訓練に参加することで、火災発生時の安全確保に役立ちます。

消防訓練が必要な建物

 消防訓練は、消防法で定められた防火管理者の選任が必要な建物や事業所では実施する義務があります。 
建物は用途や規模によって特定用途防火対象物と非特定用途防火対象物に分類され、特定用途防火対象物には集会場や遊技場、飲食店、物品販売店舗、ホテル、福祉施設、病院など、非特定用途防火対象物には共同住宅や学校、博物館、工場、倉庫、事務所などがあります。

消防訓練の実施頻度は以下のとおりです。

消防訓練の届出

 防火管理者は消防訓練を実施する前に、消防訓練計画報告書を作成し、管轄の消防署へ提出する必要があります。 

消防訓練を実施したにもかかわらず、事前に消防訓練計画報告書を提出しなかった場合、再度消防訓練の実施が必要となる場合があります。

消防訓練の重要性

 効果的な消防訓練は、火災被害を最小限に抑えるために不可欠です。 
なぜ消防訓練が重要なのか、具体的な事例と共に紹介します。

(1) 人命の保護

火災発生時には、煙や熱によって命の危険にさらされます。
消防訓練では、避難経路の確認や避難方法を学ぶことで、安全に避難することが可能になります。
また、初期消火の方法を学ぶことで、火災の拡大を防ぎ、人命を守ることに繋がります。

(2)財産の保護

火災は、建物や設備、在庫など、貴重な財産を損失する可能性があります。
消防訓練では、消火器の使い方や消火栓の操作方法を学ぶことで、火災の早期鎮圧を目指し、財産を守ることに役立ちます。

(3) 社会への影響の軽減

火災は、人命や財産だけでなく、社会全体に大きな影響を与える可能性があります。
例えば、工場火災が発生した場合、生産活動が停止し、経済活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
消防訓練は、火災による社会への影響を最小限に抑えるために重要です。

(4) 防災意識の向上

消防訓練を通して、火災に対する意識を高め、日頃から防災対策を意識することが重要です。
訓練に参加することで、火災発生時の危険性を認識し、安全に対する意識を高めることができます。

定期的な訓練の必要性

 消防訓練は一度だけでなく、定期的に実施することが推奨されます。 
その理由と利点について解説します。

(1)知識・技能の維持

消防訓練は、一度行っただけで十分ではありません。
定期的に訓練を行うことで、火災発生時の知識や技能を維持することができます。
訓練を繰り返すことで、いざという時に慌てずに適切な行動をとることができるようになります。

(2)状況の変化への対応

職場環境や設備は、時間と共に変化していきます。
定期的な訓練を行うことで、最新の状況に合わせて訓練内容を更新し、より現実的な訓練を実施することができます。

(3)防災意識の継続

定期的な訓練は、防災意識を継続的に高める効果があります。
訓練を通して、火災に対する意識を常に意識することで、日頃から安全に配慮した行動をとることができるようになります。

(4)訓練の質向上

定期的な訓練を通して、訓練内容や方法を見直し、改善することで、より効果的な訓練を実施することができます。
訓練の質向上は、火災発生時の対応能力を高めるために重要です。

消防訓練の種類

消防訓練には主に次の3つがあります。

消防訓練の種類
  • 消火訓練
  • 通報訓練
  • 避難訓練

それぞれの訓練について詳しく解説します。

消火訓練

消火訓練では、消火器の使用方法や消火栓の操作方法を学びます。
具体的な手順をご紹介します。

(1) 消火器の使い方

消火器は、火災発生初期に使用する最も一般的な消火器具です。
消火器の使い方を正しく理解し、訓練を通して習得することが重要です。

・ 消火器の種類と特徴を理解する

・消火器の使用方法を熟知する(ピンを抜く、ホースを向ける、レバーを押すなど)

・消火器の使用方法を実践的に訓練する

・消火器の点検方法を学ぶ

(2) 消火栓の操作方法

消火栓は、消火器よりも大規模な火災に対応するために使用されます。
消火栓の操作方法を理解し、訓練を通して習得することが重要です。

・消火栓の種類と特徴を理解する

・消火栓の操作手順を熟知する(栓を開ける、ホースを繋ぐ、水圧を調整するなど)

・消火栓の操作方法を実践的に訓練する

・消火栓の点検方法を学ぶ

(3)その他の消火方法

消火器や消火栓以外にも、水や砂、毛布など、様々な消火方法があります。
これらの消火方法についても、訓練を通して理解を深めることが重要です。

通報訓練

火災を発見した際には、迅速に通報することが重要です。
通報訓練の必要性とその手順について詳しく説明します。

(1)通報訓練の必要性

火災発生時には、迅速な通報が、被害の拡大を防ぐために非常に重要です。
通報訓練を通して、冷静かつ正確に情報を伝えることができるように訓練しておく必要があります。

(2)通報訓練の手順

火災を発見したら、以下の手順で通報を行います。

  • 火災の種類(建物火災、車両火災など)
  • 火災場所(住所、建物名など)
  • 火災状況(燃えているもの、煙の量、被害状況など)
  • 自分の名前と電話番号

(3)通報訓練のポイント

通報訓練では、以下の点に注意することが重要です。

・落ち着いて、ゆっくりと話をする

・正確な情報を伝える

・聞き取りやすい声で話す

・通報後、消防隊の到着を待つ

4)通報訓練の注意点

通報訓練は、あくまでも訓練です。

訓練中に発生した問題点や改善点などを記録し、次回の訓練に活かすことが重要です。

避難訓練

避難訓練は、安全に避難するためのルートと方法を確認するための訓練です。
避難経路の設定や集合場所の確認方法を解説します。

(1)避難経路の確認

避難訓練では、火災発生時に安全に避難できる経路を確認します。
避難経路は、分かりやすく、安全な場所を通るように設定する必要があります。

・避難経路を分かりやすく表示する

・避難経路に障害物がないか確認する

・避難経路の誘導標識を設置する

・避難経路を定期的に点検する

(2)集合場所の確認

避難訓練では、全員が安全に集合できる場所を確認します。
集合場所は、避難経路から離れた安全な場所に設定する必要があります。

・集合場所を分かりやすく表示する

・集合場所までの誘導標識を設置する

・集合場所の安全性を確認する

・集合場所を定期的に点検する

(3) 避難方法の確認

避難訓練では、安全な避難方法を確認します。
避難時には、慌てずに冷静に行動することが重要です。

・煙を吸い込まないように、タオルなどで口と鼻を覆う

・低姿勢で移動する

・避難経路を指示に従って移動する

・避難時に周囲の状況に注意する

(4)避難訓練の注意点

避難訓練は、あくまでも訓練です。
訓練中に発生した問題点や改善点などを記録し、次回の訓練に活かすことが重要です。

まとめ

・消防訓練は、火災が発生した際に迅速かつ適切に対応するために行われる訓練

・消防訓練の計画・届出・実施は、防火管理者が行う。

・消防訓練の種類は主に、「消火訓練」、「通報訓練」、「避難訓練」の3種類

・消防訓練は一度だけでなく、定期的に実施することが重要

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