防災管理点検の特例認定は、一度受ければずっと安心という制度ではありません。
3年が経過すれば効力を失うことは知られていますが、それだけでなく消防長又は消防署長が積極的に取り消すこともある制度です。
条文を読み解くと、取消しの事由には不正な手段や優良基準への不適合だけでなく、防災管理者そのものへの命令まで含まれていることが分かります。
取消しがどんな場合に起こり、失効とどう違うのかを順番に見ていきます。
防災管理点検の特例認定は、期限が来る前に取り消されることもあるんですか。条文を見ると「失効」と「取消し」という違う言葉が出てきて気になります。
はい、この二つは別の仕組みです。取消しは消防長又は消防署長が積極的に行う処分で、失効とは事由も手続きも異なります。
まずその違いから確認しましょう。
取消しの事由って、うちの建物にはあまり関係なさそうな気がしますが…。
実は防災管理者への命令だけでも取り消される場合があります。
順番に見ていきましょう。
- 防災管理点検の特例認定は、「失効」と「取消し」という別々の仕組みで効力を失います
- 取消しの事由は3つ:不正な手段による取得/命令を受けたこと/優良基準に適合しなくなったこと
- 命令には建物全体への一般的な命令と、防災管理者への命令という2種類があります
- 取消しを受けると、その後3年間は新たな認定を申請できません
- 命令を受けないための日常的な確認が、認定を維持する一番の備えになります
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目次
防災管理点検の特例認定はどうやって効力を失うのか

条文には、自動的に失われる場合とは別の仕組みが用意されています。
3年が経過したときや管理権原者が変わったときの効力喪失は自動的な失効(第4項)で、条文の言葉としては「効力を失う」と表現されています。
一方で今回見ていく第6項は、消防長又は消防署長が該当事由を確認した上で「取り消さなければならない」と定める、積極的な処分です。
どちらも建築物その他の工作物のうち、第36条第1項が第8条の2の3を読み替えて準用する防災管理点検側にそのまま当てはまります。
次は、この取消しの対象になる3つの事由を具体的に見ていきます。
自動的に失われるのとは別に、消防署の方から取り消されることもあるんですね。
はい、そのとおりです。取り消さなければならないと定められている以上、事由に当たれば任意の判断ではありません。
次はその事由を確認しましょう。
認定を取り消される3つの事由とは何か

どれか一つに当たれば、その時点で認定は取り消されます。
一号は、認定を受けた経緯そのものに問題があった場合で、判明した時点で取り消されます。
三号は、認定の要件だった遵守状況が優良である基準(第1項第3号)に、その後当てはまらなくなった場合です。
そして二号の「(略)命令がされたとき」が、実は一号・三号よりも読み解きが必要な事由です。
次は、この命令の中身を詳しく見ていきます。
不正取得と優良基準の不適合はイメージできますが、「命令がされたとき」というのは、どんな命令のことなんでしょうか。
実は、この命令には2つの種類が含まれています。
条文の読み替え規定を見ると分かります。
命令による取消しにはなぜ2種類の命令が関わるのか

第36条第1項の読み替え規定が、その根拠です。
もとの二号は、第5条第1項・第5条の2第1項・第5条の3第1項・第8条第3項若しくは第4項・第8条の2の5第3項・第17条の4第1項若しくは第2項という建物の位置・構造・設備・管理の状況に関する命令を挙げています。
防災管理点検側では、これに第36条第1項において準用する第8条第3項若しくは第4項、つまり防災管理者そのものに向けた命令が読み替えで加わります。
つまり、建物の設備には何の問題もなくても、防災管理者に対する命令だけで取消しの事由に当てはまることがあるのです。
次は、この点が実務でどんな見落としにつながるかを見ていきます。
建物の設備の話だけじゃなくて、防災管理者への命令も含まれているとは知りませんでした。
はい、見落としやすいポイントです。
次は取消しを受けた後にどうなるかも確認しましょう。
防災管理者への命令だけで認定は取り消されるのか

そして、取り消された後には、もう一つ重い制約が待っています。
特例認定の申請要件(第1項第2号ロ)に、過去3年以内の取消しそのものが欠格要件として組み込まれているためです。
つまり、建物の設備に問題がなくても、防災管理者に対する命令一つが3年間の再申請不可という重い結果につながる可能性があります。
これは、防火対象物点検側の一般的な命令だけを想定していると気づきにくい落とし穴です。
次は、この事態を避けるために明日から確認すべきことを整理します。
命令一つで3年間も再申請できなくなるなんて、思っていたより重い話ですね。
はい、だからこそ命令を受けない日常の運用が重要になります。
最後に、確認すべき手順を整理します。
明日から何を確認すればよいのか

取消しの事由に当てはまらないよう、次の順番で確認しましょう。
- 建物の位置・構造・設備・管理の状況について、命令の原因になる違反がないか日常的に点検する
- 防災管理者の業務(消防計画の作成・避難訓練の実施等)が実際に行われているかを確認する
- 認定の要件だった遵守状況が優良である基準を維持できているか、点検結果を見返す
- もし命令や指摘を受けたら、内容を早期に是正し、取消しに至る前に対応する
建物の設備だけを見ていると、防災管理者への命令という見落としが起きやすくなります。
両方をあわせて確認することが、特例認定を維持する一番の備えになります。
建物の設備だけじゃなくて、防災管理者の業務のほうも一緒に見ておく必要があるんですね。
はい、両方をあわせて確認することが一番の備えです。
よくある質問
まとめ
うちの建物も、設備の点検だけでなく防災管理者の業務そのものが実際に行われているかも、あわせて確認するようにします。
特例認定の維持や取消しのリスクでお困りの際は、㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法第36条第1項
- 消防法第8条の2の3
- 消防法施行規則第51条の16
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





