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防災管理点検の特例認定はどんな建物が受けられるか|3年間の点検免除と失効する条件を解説

防災管理点検の特例認定を受けると3年で失効する条件を紹介するアイキャッチ画像

防災管理点検を毎年欠かさず受け続けてきた建物には、点検や報告の頻度が一時的に不要になる特例認定という仕組みがあります。
防火対象物点検の特例認定は単体でも知られていますが、実は防災管理点検にも同じ制度が用意されています。
条文を読み解くと、対象になる要件だけでなく、思ったより早く効力を失ってしまう落とし穴もあります。
防災管理点検の特例認定を単体で受ける要件と、失効・取消しの仕組みを順番に見ていきます

うちの建物では防災管理点検を毎年きちんと受けています。防火対象物点検には特例認定があって点検や報告が3年間いらなくなると聞きましたが、防災管理点検にも同じような仕組みはあるんでしょうか。

はい、消防法第36条が読み替えて準用するので、防災管理点検にも単体の特例認定があります。
まずは対象になる要件から確認しましょう。

要件が分かっても、うっかり失効させてしまわないか心配です。

特例認定は放っておくと失効する仕組みです。
注意点も含めて順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 防災管理点検にも、消防法第36条第1項が第8条の2の3を読み替えて準用する単体の特例認定があります
  • 受けるには3年経過・過去3年以内の違反歴なし・51条の14の点検基準への適合という三つの要件が必要です
  • 認定を受けると点検・報告が3年間不要になり、専用の表示を掲げられます
  • 認定は3年経過のほか権原者の変更があった瞬間にも効力を失います
  • 権原者変更の届出を怠ると5万円以下の過料に処されることがあります

防災管理点検の単体特例認定は3年経過で申請でき権原者の変更で失効し届出を怠ると過料になることを示した図解

防災管理点検の特例認定とは何を指すのか

建物に取り付けられた盾型の認定証と、その横で片付けられていく点検報告書の束を示したイメージ
防災管理点検を続けてきた建物には、点検や報告の頻度を見直せる制度があります。
防火対象物点検だけでなく、防災管理点検にも同じ仕組みが用意されています。
消防法第三十六条第一項 第八条から第八条の二の三までの規定は、火災以外の災害で政令で定めるものによる被害の軽減のため特に必要がある建築物その他の工作物として政令で定めるものについて準用する。
防災管理点検の特例認定は、消防法第36条が第8条の2の3を読み替えて準用することで生まれる制度です。
第8条の2の3は本来、防火対象物点検(第8条の2の2)を毎年欠かさず受けてきた建物向けに、単体の特例認定を定めた規定です。
第36条第1項はこの第8条の2の3を含めて第8条から通しで読み替え、「防火対象物」を「建築物その他の工作物」に置き換えることで、防災管理点検(第36条が準用する第8条の2の2)にも同じ特例認定の仕組みを広げています。
つまり防火対象物点検側の特例認定とは別に、防災管理点検専用の特例認定が単体で存在します。
まずは、この特例認定がどんな建物のどんな状態を対象にしているのかを見ていきましょう。

防火対象物点検の特例認定とは別に、防災管理点検だけの特例認定があるということですね。

はい、条文の読み替えでそのまま横展開されている制度です。
次は対象になる要件を確認しましょう。

どんな建物のどんな状態なら認定を受けられるのか

管理開始からの年数を示す二つの日付が矢印でつながれたカレンダーと、点検記録の束を並べたイメージ
特例認定を受けるには、建物の管理状況が三つの条件を満たしている必要があります。
どれか一つでも欠けると対象になりません。
消防法施行規則第五十一条の十六第一項 法第三十六条第一項において準用する法第八条の二の三第一項第三号の総務省令で定める基準は、法第三十六条第一項において準用する法第八条の二の三第二項に規定する消防長又は消防署長の検査において、第五十一条の十四に規定する基準に適合していることとする。
要件は管理開始から3年経過・過去3年以内の違反歴なし・点検基準への適合の三つです。
一つ目は、申請者が建物の管理を開始してから3年が経過していること(消防法第8条の2の3第1項第1号、第36条第1項が読み替えて準用)。
二つ目は、過去3年以内に命令を受けたことや認定の取消しを受けたこと、点検や報告を行わなかったこと、点検基準に適合していないと判定されたことのいずれにも当たらないことです(同項第2号)。
三つ目の「総務省令で定める基準」は、第51条の16によって「第51条の14に定める防災管理点検の点検基準に適合していること」とだけ定められています。
防火対象物点検側の特例認定(第4条の2の8)が点検基準に加えて設備の維持状況や市町村長が定める基準まで求めるのに対し、防災管理点検側は通常の点検基準を満たしていればよいという違いがあります。

防火対象物点検の特例認定より、条件がシンプルなんですね。

はい、いつもの点検基準を満たしていれば三つ目の条件は足ります。
次は認定を受けると何が変わるのかを見ていきましょう。

認定を受けると何が変わるのか

建物に取り付けられた光る盾型の表示と、脇に積まれて覆いを被せられた点検報告書の束を示したイメージ
認定を受けた建物には、点検の頻度と表示の両方に変化があります。
ただし免除は無期限ではありません。
消防法施行規則第五十一条の十七第一項 第四条の二の九第一項の規定は法第三十六条第一項において準用する法第八条の二の三第七項の表示について、(略)第四条の二の九第二項の規定は(略)総務省令で定める事項について準用する。この場合において、第四条の二の九第一項中「別表第一の二」とあるのは「別表第六」と、「防火対象物」とあるのは「建築物その他の工作物」と(略)読み替えるものとする。
認定を受けると、防災管理点検の点検・報告が3年間不要になり、専用の表示を掲げられます。
「同項の規定の適用につき特例を設ける」(第8条の2の3第1項)とは、防災管理点検(第36条が準用する第8条の2の2)の点検・報告義務の適用を、認定の効力がある間だけ止めることを意味します。
表示は別表第六の様式で、認定を受けた日などを記載します(第51条の17)。
とはいえ、この免除は認定を受けている間だけの措置で、放っておいても永久に続くものではありません。
次に、その認定がいつ・どんな条件で終わるのかを確認しましょう。

点検や報告をしなくてよくなるのは助かりますが、ずっとそのままではないんですね。

はい、認定の効力がある間だけの免除です。
次は失効・取消しの条件を説明します。

認定はどんな条件で失われるのか

鍵を手渡す二人の人物と、ひび割れて禁止マークが付いた盾型の表示を示したイメージ
特例認定は、3年が経過する前でも失効したり取り消されたりすることがあります。
うっかり見落としやすいのは、権原者が変わったときです。
消防法第四十六条の五 第八条の二の三第五項(第三十六条第一項において準用する場合を含む。)、第十七条の二の三第四項又は第二十一条の十六の四第一項若しくは第二項の規定による届出を怠つた者は、五万円以下の過料に処する。
認定は3年経過だけでなく、権原者が変わった瞬間にも効力を失います。
3年より前に建物の管理権原者が変わると、その時点で認定は自動的に失効します(第8条の2の3第4項)。
届出の義務があるのは変更前の権原者で、変更後の新しい権原者ではありません(同条第5項)。
この届出を怠ると、上記のとおり5万円以下の過料に処されることがあります。
また、不正な手段で認定を受けたことが判明したとき、命令を受けたとき、点検基準に適合しなくなったときは、3年の期間中でも認定そのものが取り消されます(同条第6項)。

権原者が変わったら届け出ないといけないんですね。しかも変更前の権原者が、というのは意外でした。

はい、変更前の権原者に義務がある点が見落としやすいところです。
次は明日から確認することを整理します。

明日から何を確認すればよいのか

申請書類を消防署の受付担当に手渡す担当者と、盾型の表示が取り付けられた建物を示したイメージ
特例認定を受けるまでの手続きは、防火対象物点検側とほぼ同じ枠組みで進みます。
順番に整理しておきましょう。
消防法施行規則第五十一条の十六第二項 第四条の二の八第二項の規定は法第三十六条第一項において準用する法第八条の二の三第二項の規定による申請について、(略)第三項及び第四項の規定は(略)総務省令で定める事項について、(略)第五項及び第六項の規定は(略)通知について、(略)第七項の規定は(略)届出について準用する。
手続きは申請書の提出から検査、通知、届出までの一続きの流れです。
申請は第4条の2の8の様式に、管理を開始した日などを記載して行います。
検査を受けて認定または不認定が決まったら、消防長又は消防署長から通知があります。
3年が経過する前に再申請しておけば、通知が来るまでは認定の効力が続きます。
権原者が変わる予定があるときは、変更前の権原者が届出を済ませているかを必ず確認しましょう。

防火対象物点検側と流れが似ているなら、迷わず進められそうです。

はい、申請から通知までの流れを押さえておけば大丈夫です。

よくある質問

Q防火対象物点検の特例認定を受けていれば防災管理点検の特例認定も自動的に受けられますか?
Aいいえ、防火対象物点検と防災管理点検の特例認定はそれぞれ別に申請して受ける必要があります。片方だけでは対象になりません
Q認定を受けてから3年以内に権原者が変わったらどうなりますか?
Aその時点で認定は自動的に効力を失います。変更前の権原者には届出の義務があります。
Q権原者変更の届出をしなかった場合、罰則はありますか?
Aあります。消防法第46条の5により5万円以下の過料に処されることがあります。
Q防災管理点検の特例認定の基準は防火対象物点検側より緩いのですか?
A総務省令で定める基準そのものは通常の点検基準への適合のみで、防火対象物点検側のような上乗せの基準はありません。

まとめ

防災管理点検にも、第36条が第8条の2の3を読み替えて準用する単体の特例認定があります
受けるには3年経過・過去3年以内の違反歴なし・51条の14の点検基準への適合の三つが必要です
防火対象物点検側と違い、基準に上乗せの独自要件はありません
認定を受けると点検・報告が3年間不要になり、専用の表示(別表第六)を掲げられます
認定は権原者の変更があった瞬間にも効力を失います
変更前の権原者が届出を怠ると5万円以下の過料に処されることがあります
まずは自分の建物の管理開始から3年が経過しているかを確認しましょう

防災管理点検にも単体の特例認定があること、失効の条件がよく分かりました。
まずは管理開始からの年数と、権原者変更の予定がないかを確認します。

特例認定の申請や権原者変更の届出でお困りの際は、㈱防災屋でもご相談を承っています

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参考・出典

  • 消防法第36条第1項
  • 消防法第8条の2の3
  • 消防法第46条の5
  • 消防法施行規則第51条の14
  • 消防法施行規則第51条の16
  • 消防法施行規則第51条の17
  • e-Gov 法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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