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防災管理者にも再講習はあるのか|受講期限の起算点と修了証の保管義務を解説

防災管理者にも再講習はあるのか

防災管理者になるための講習を受けたきり、その後は何もしていないという方は少なくありません。
ところが消防法施行規則は、防災管理の講習を新規講習と再講習の2本立てで定めています。
しかも再講習には消防庁告示で受講期限まで決められていて、甲種防火管理再講習とは期限の起算点が違います。
手元の修了証の日付から、自分の期限がいつなのかを確かめておきましょう。

防災管理者の講習は、一度受ければそれで終わりだと思っていました。

規則には防災管理再講習という講習が置かれています。
まずは条文の並びから見ていきましょう。

防火管理者のほうで再講習の案内が来たことはありますが、防災管理のほうは記憶にありません。

その2つは別の告示で期限が決められています。
片方だけ受けて安心してしまう方が多いところです。

この記事の結論
  • 防災管理に関する講習は、消防法施行規則第51条の7第1項により防災管理新規講習と防災管理再講習の2つで構成されている
  • 再講習が関わるのは講習ルートで防災管理者の資格を得た人で、建物の規模による絞り込みは規則に置かれていない
  • 受講期限は平成20年消防庁告示第17号にあり、選任された日の4年前までに講習を修了していれば選任の日から1年以内となる
  • それ以外は最後に講習の課程を修了した日から5年以内で、その後も5年ごとに繰り返す
  • 甲種防火管理再講習は最初の4月1日から5年以内と起算点が違うので、2つの期限は別々に管理する

防災管理の講習が新規講習と再講習の2本立てになっていることと受講期限と修了証を防災管理維持台帳に編冊するまでを示した図解

防災管理者の講習に再講習はあるのか

大きな講習教室と小さな教室が並ぶ様子
防災管理者の資格を講習で取った方に、まず確かめていただきたい条文があります。
講習そのものの中身を決めている消防法施行規則の規定です。
消防法施行規則第五十一条の七第一項 令第四十七条第一項第一号に規定する防災管理に関する講習は、初めて受ける者に対して行う講習(以下この条において「防災管理新規講習」という。)及び防災管理新規講習後に防災管理者に対して消防庁長官が定めるところにより行う講習(以下この条及び第五十一条の十二において「防災管理再講習」という。)とする
講習は2本立てです。
消防法施行令第47条第1項第1号は、防災管理者の資格の一つとして防災管理に関する講習の課程を修了した者を挙げています。
その「防災管理に関する講習」の中身を規則が受けており、初めて受ける防災管理新規講習と、その後に受ける防災管理再講習の2つだと書かれています。
つまり再講習は制度の付け足しではなく、講習という言葉の中にはじめから組み込まれている片方です。
まずはご自身の修了証を出してきて、新規講習の修了証なのか再講習の修了証なのかを見てください。

講習という言葉の中に、はじめから再講習が入っていたということですか。

そのとおりです。
次はどの防災管理者に関わるのかを見ていきましょう。

再講習を受けなければならないのは誰か

高層ビルの隣で修了証を載せた台と空の台の前に人が立ち書棚が置かれた様子
防災管理者になる道すじは一つではありません。
どの道すじで資格を得たかによって、再講習との関わり方が変わります。
消防法施行令第四十七条第一項 法第三十六条第一項において読み替えて準用する法第八条第一項の政令で定める資格を有する者は、次の各号のいずれかに掲げる者で、前条の防火対象物(以下「防災管理対象物」という。)において防災管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にあるもの(略)とする。
一 第三条第一項第一号イ又はロに掲げる者で、都道府県知事、消防本部及び消防署を置く市町村の消防長又は法人であつて総務省令で定めるところにより総務大臣の登録を受けたものが行う防災管理対象物の防災管理に関する講習の課程を修了したもの
二 第三条第一項第一号ロに掲げる者で、一年以上防災管理の実務経験を有するもの
三 市町村の消防職員で、管理的又は監督的な職に一年以上あつた者
四 前三号に掲げる者に準ずる者で、総務省令で定めるところにより、防災管理者として必要な学識経験を有すると認められるもの
関わるのは第一号の人です。
再講習は規則第51条の7第1項で防災管理新規講習後に行う講習と定義されているので、そもそも新規講習を受けていない第二号から第四号のルートの方には結び付きません。
逆にいえば、講習で資格を取った第一号の方は全員が視野に入るということです。
ここが甲種防火管理再講習と大きく違うところで、あちらは規則第2条の3第1項が対象を令第4条の2の2第1項第1号の防火対象物、つまり収容人員が300人以上の特定用途の建物の防火管理者に絞っています。
防災管理の側にはそうした建物規模の絞り込みが規則に置かれていないので、まずは自分がどの号で資格を得たのかを選任届の控えで確かめてください。

うちは私が講習を受けて選任されているので、第一号ということになりますね。

それなら期限の話が効いてきます。
次は告示の中身を確かめましょう。

再講習はいつまでに受ければよいのか

卓上カレンダーと砂時計と壁掛け時計が並ぶ様子
期限そのものは規則ではなく告示に書かれています。
規則第51条の7第1項の「消防庁長官が定めるところ」がこの告示にあたります。
防災管理再講習について定める件(平成二十年消防庁告示第十七号)
一 防災管理者に定められた日の四年前までに講習(規則第五十一条の七第一項に規定する防災管理新規講習又は再講習をいう。以下同じ。)の課程を修了した防災管理者にあつては防災管理者に定められた日から一年以内に、それ以外の防災管理者にあつては最後に講習の課程を修了した日から五年以内に再講習の課程(次号において「直近の再講習の課程」という。)を修了しなければならない
二 前号の防災管理者は、直近の再講習の課程を修了した日から五年以内に再講習の課程を修了しなければならない。当該再講習の課程を修了した日以降においても同様とする。
入口は2通りです。
古い修了証のまま選任された方、つまり選任された日から見て4年前までに講習を修了していた方は、選任された日から1年以内に受けることになります。
そうでない方は最後に講習を修了した日から5年以内で、第二号によりその後も5年ごとに同じ期限が回ってきます。
ここで気を付けたいのが起算点で、甲種防火管理再講習を定めた平成16年消防庁告示第2号第一号は「最後に講習の課程を修了した日以後における最初の四月一日から五年以内」と書いており、防災管理側の「修了した日から五年以内」とは数え始めが違います。
2つの資格を持っている方は、修了証の日付を並べて期限を別々に書き出してみてください。

つまり同じ日に両方の講習を受けていても、期限は同じ日にならないということですね。

告示の文言どおりに読むとそうなります。
実際の期限は所轄の消防本部にも確かめておくと確実です。

再講習では何を学び何が手元に残るのか

バインダーの並ぶ棚と開いたバインダーに差し込む紙と立つ人の様子
再講習は新規講習をもう一度受け直すものではありません。
学ぶ事項も時間数も、規則が別に定めています。
消防法施行規則第五十一条の七
4 防災管理再講習は、次に掲げる事項に係る知識及び技能の修得を目的として行うものとし、その講習時間はおおむね二時間とする
一 おおむね過去五年間における防災管理に関する法令の改正の概要に関すること。
二 災害事例等の研究に関すること。
5 第二条の三第一項に規定する甲種防火管理再講習及び防災管理再講習を併せて実施する場合における講習時間は、同条第三項及び前項の規定にかかわらず、おおむね三時間とする。
6 都道府県知事、消防本部及び消防署を置く市町村の消防長又は令第四十七条第一項第一号の規定により総務大臣の登録を受けた法人は、防災管理新規講習又は防災管理再講習の課程を修了した者に対して、別記様式第十三号による修了証を交付するものとする。
中身は2項目だけです。
過去5年ほどの法令改正の概要と災害事例等の研究で、時間はおおむね2時間とされています。
新規講習がおおむね4時間30分で5事項を扱い、甲種防火管理新規講習と併せて実施すればおおむね12時間になるのと比べると、負担はずいぶん軽い設計です。
さらに第5項により、甲種防火管理再講習と併せて実施する場合はおおむね3時間で両方が済みます。
受け終わったら別記様式第13号の修了証が交付されますので、原本をなくさないところに保管してください。

両方をまとめて受けられるなら、そのほうが休みを取る回数も減らせますね。

併催の講習を開いているかは実施機関ごとに違います。
申し込む前に日程表で確かめてください。

明日からなにをすればよいのか

人とノートパソコンと書類の載る机と壁の掲示板が並ぶ様子
修了証は個人の記念品ではありません。
建物の側で保存しておくべき書類として、規則に名指しされています。
消防法施行規則第五十一条の十二第一項 法第三十六条第一項の建築物その他の工作物の管理について権原を有する者は、同項において準用する法第八条の二の二第一項の規定により点検を行つた結果を防災管理維持台帳(次に掲げるものを編冊したものをいう。)に記録するとともに、これを保存しなければならない
一 第五十一条の七第六項の防災管理再講習の修了証の写し
写しを台帳に綴じます。
防災管理点検を行った結果は防災管理維持台帳に記録して保存しなければならず、その台帳を構成する書類の第一番目に再講習の修了証の写しが挙げられています。
言い換えると、再講習を受けたかどうかは点検の場で書類として確認されるという組み立てになっています。
明日からは、まず修了証を探し出して日付を確認し、告示の第一号と第二号のどちらに当たるかで自分の期限を書き出してください。
そのうえで写しを1部作って防災管理維持台帳に綴じ込み、次の期限を建物の年間予定に書き込んでおけば取りこぼしません。

台帳に綴じるところまでが仕事なんですね。
修了証は私の引き出しに入れたままでした。

担当者が代わると行方が分からなくなりがちな書類です。
今のうちに写しを台帳へ移しておきましょう。

よくある質問

Q実務経験や消防職員の経歴で防災管理者になった場合も再講習は要りますか?
A消防法施行規則第51条の7第1項は再講習を防災管理新規講習後に行う講習と定めています。新規講習を受けていないルートの方には結び付きませんが、実際の取扱いは所轄消防署にご確認ください。
Q自治体の案内に「最初の4月1日から5年以内」と書かれていることがあるのはなぜですか?
Aその起算点は甲種防火管理再講習を定めた平成16年消防庁告示第2号の書き方です。防災管理再講習の平成20年消防庁告示第17号は修了した日から五年以内と書いており、両方の資格を持つ方への案内としてまとめて示されている場合があります。どちらで数えるか迷うときは所轄消防署にご確認ください。
Q甲種防火管理再講習の期限のほうが先に来る場合はどうなりますか?
A平成20年消防庁告示第17号の附則第2項が、防災管理新規講習を修了した防災管理者である防火管理者について、平成16年告示第一号の「最後に講習」を防災管理新規講習と読み替える調整を置いています。個別の日付の当てはめは所轄消防署にご確認ください。
Q修了証の原本をなくしてしまった場合はどうすればよいですか?
A修了証は消防法施行規則第51条の7第6項により都道府県知事や消防長または登録を受けた法人が交付するものです。再交付の取扱いは講習を実施した機関ごとに異なりますので、修了証に記載された交付者へお問い合わせください。

まとめ

消防法施行規則第51条の7第1項は、防災管理に関する講習を防災管理新規講習と防災管理再講習の2つで組み立てている
再講習は新規講習後に行う講習と定義されているので、消防法施行令第47条第1項第1号の講習ルートで資格を得た方に関わる
甲種防火管理再講習が収容人員300人以上の建物に絞られているのに対し、防災管理側には規則上の建物規模の絞り込みが無い
期限は平成20年消防庁告示第17号にあり、選任された日の4年前までの修了なら選任の日から1年以内になる
それ以外は最後に講習を修了した日から5年以内で、第二号によりその後も5年ごとに繰り返す
再講習の中身は法令改正の概要と災害事例等の研究の2項目でおおむね2時間、甲種防火管理再講習と併せればおおむね3時間になる
修了証の写しは消防法施行規則第51条の12第1項第1号により防災管理維持台帳へ編冊して保存する

自分の期限の数え方と、修了証をどこに置くべきかがはっきりしました。

まずは修了証の日付を確かめるところから始めてください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。

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お問い合わせ

参考・出典

  • 消防法第36条第1項
  • 消防法施行令第46条
  • 消防法施行令第47条第1項
  • 消防法施行令第4条の2の2第1項第1号
  • 消防法施行規則第2条の3第1項
  • 消防法施行規則第51条の7
  • 消防法施行規則第51条の12第1項第1号
  • 防災管理再講習について定める件(平成20年消防庁告示第17号)
  • 甲種防火管理再講習について定める件(平成16年消防庁告示第2号)
  • 消防予第238号(平成20年9月24日 消防庁予防課長通知)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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