防災管理点検を受けると、点検票のいちばん上でまず確認される欄があります。
防災管理維持台帳の記録の有無と保存の有無です。
台帳という名前ですが、帳簿に何かを書き込むのではなく、決められた書類を綴じたものそのものを指します。
綴じるものは施行規則が7つの区分で並べています。
点検の前に防災管理維持台帳を見せてくださいと言われて固まりました。
そんな名前のファイルは社内のどこにもありません。
その名前の帳簿を新しく起こす必要はなく、手元にある届出や記録を編冊したものが台帳です。
何を綴じるかは施行規則が第1号から第7号まで並べています。
防火管理のほうで作ったファイルがあるので、それを出せば足りますか。
中身は届出の控えと点検の報告書です。
重なる書類は多いのですが、防災管理側にしか出てこない地震対策の記録がいくつもあります。
そこが抜けたまま点検日を迎えることが多いので順に見ていきましょう。
- 防災管理維持台帳は決められた書類を編冊したものそのものを指します
- 根拠は消防法施行規則第51条の12第1項で、綴じるものを第1号から第7号まで並べています
- 記録して保存する義務を負うのは防災管理者ではなく管理について権原を有する者です
- 消防計画に基づいて実施した状況の書類はイからチまでの8つに分かれます
- 防災管理点検票では記録の有無と保存の有無が別々の欄で確認されます
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目次
防災管理維持台帳とはどんな台帳なのか

防災管理維持台帳はそれとは違い、条文がかっこ書きで正体をそのまま定義しています。
条文は「次に掲げるものを編冊したものをいう」と書いていて、続く第1号から第7号までがそのまま中身の一覧になっています。
記録する対象は防災管理点検の結果で、その点検の根拠は消防法第36条第1項が第8条の2の2第1項を読み替えて準用しているところにあります。
つまり台帳は点検のたびに一から作るものではなく、日ごろの届出や記録を綴じ続けた結果として存在するものです。
まずは社内で「防災管理の書類が集まっているファイル」がどこにあるかを探すところから始めてください。
新しい様式を印刷して埋めるものだと思い込んでいました。
すでにある書類を集めればよいということですね。
そのとおりで、足りない書類がどれかを洗い出す作業が台帳づくりの中身になります。
次はその義務を負う人を確かめましょう。
台帳に記録して保存するのは誰なのか

ところが台帳の条文を読むと、主語は防災管理者ではありません。
施行規則第51条の12第1項の主語は管理について権原を有する者で、防災管理者に課された義務として書かれてはいません。
防災管理者の責務は施行令第48条が定めるとおり消防計画の作成と届出、そして計画に基づく業務の実施です。
点検そのものは施行規則第51条の12第2項の準用により1年に1回行うことになり、その結果が台帳に積み重なっていきます。
実務では防災管理者が書類を集め、管理権原者の側で保管するという流れになりやすいので、誰が集めて誰が持つのかを社内で先に決めておいてください。
うちはテナントごとに管理権原が分かれているので、台帳もそれぞれ持つことになりますね。
集める人と持つ人が違うと抜けそうです。
まさにそこが抜けやすい点なので、届出の控えが戻る先を最初に決めておくと安定します。
次は綴じるものの一覧を見ていきます。
台帳に綴じる書類は何と何なのか

実施状況の書類だけは枝が細かいので、この見出しではそれ以外を先に押さえます。
第1号は防災管理再講習の修了証の写しで、施行規則第51条の7第6項の様式で交付されたものです。
第2号は届出の写しをまとめて指しており、消防計画の届出、防災管理者の選任解任の届出、全体についての消防計画の届出、統括防災管理者の選任解任の届出、自衛消防組織の設置の届出が並びます。
第3号は点検結果の報告書の写し、第4号と第5号は特例認定の申請書の写しとその通知で、認定を受けていない建物では発生しません。
第6号が次の見出しで扱う実施状況の書類、第7号はそのほか防災管理上必要な書類という受け皿です。
自分の建物にどれが該当するかを、この並び順のまま一覧にして仕切りを作ってみてください。
届出の写しが第2号にまとめて入っているんですね。
控えを返してもらったらそこに入れれば済みそうです。
その運用が続けば第2号はまず崩れません。
問題はそこではなく次の第6号のほうです。
実施状況を記載した書類で抜けやすいのはどこか

枝はイからチまであり、後ろ半分は地震対策に特化しています。
イからニまでは避難施設・収容人員・教育・訓練で、防火管理の維持台帳を作っていれば同じ書類がすでに手元にあります。
これに対してホからチまでは地震を正面から扱う枝で、自主検査の記録、設備と資機材の点検整備の記録、家具や什器の転倒防止措置の記録が並びます。
防火管理のファイルをそのまま出すと、この後ろ半分がまるごと無いという状態になりがちです。
しかも防災管理点検票は冒頭で記録の有無と保存の有無を分けて確認し、いずれも有・一部有・無から選ぶ様式になっているため、一部だけ揃っている状態はそのまま一部有として残ります。
家具の固定は毎年見ているのに、記録として残した紙が一枚もありません。
やっていても書類が無ければ意味がないということですね。
条文が求めているのは状況を記載した書類なので、様式は自由でも紙は要ります。
点検日ごとに一枚残す形にすれば十分です。
明日からなにをすればよいのか

点検基準の並びを見ると、その理由がはっきりします。
点検基準の第1号と第2号は届出がされていることを求めていて、その控えは台帳の第2号に綴じる書類とそっくり重なります。
つまり第2号の仕切りを作って控えを入れておけば、点検基準の確認と台帳の整備が同じ作業になります。
そのうえで第6号のイからチまでの仕切りを八つ立て、地震に関する記録を残す様式を先に決めておくと、翌年からは差し込むだけで済みます。
消防局によっては編てつする書類の一覧を公表しているので、それを印刷して自分の建物の該当欄に印を付けるところから始めるのが早道です。
仕切りを条文の号の順に立てておけば、点検のときにそのまま示せますね。
今日のうちにインデックスを作ってしまいます。
号の順に並べておくと、担当者が代わっても続きます。
該当しない号には該当なしと書いた紙を一枚挟んでおくと空欄との区別が付きます。
よくある質問
まとめ
探しても見つからなかった台帳を、これから自分で組み立てられそうです。
まずは届出の控えを集めて号の順に並べ直します。
そこまで進めば点検日に慌てることはありません。
台帳の整え方や記録の様式で迷ったら、㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第8条の2の2第1項・第36条第1項
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第45条・第46条・第47条・第48条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条の2・第4条の2の4・第51条の7第6項・第51条の8・第51条の9・第51条の11の2・第51条の11の3・第51条の12・第51条の14・第51条の16
- 総務省消防庁「消防法施行規則の一部を改正する省令の公布に伴う関係告示の公布について」(平成20年9月24日 消防予第238号)別添の防災管理点検票
- 防災管理の点検の結果についての報告書の様式を定める件(平成20年消防庁告示第19号)
- 相模原市消防局「防火・防災管理維持台帳に編てつする書類等の一覧」
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





