消防法の条文を開くと政令で定めるという言葉が何度も出てきます。
そこで読むのをやめてしまうと 自分の建物に何が義務づけられているのかは最後までわかりません。
消防法令は法律から政令 総務省令 告示へと順に中身が下りていく作りになっています。
この記事では条文の中の言葉をたどって次に見る法令を突き止める方法を解説します。
消防署からもらった書類に条文の番号だけが書いてあって 何を見ればよいのかわかりませんでした。
消防法の条文は政令で定めると書いて先の中身を別の法令に預けています。
番号をたどれば必ず中身にたどりつけます。
政令というのは どの本のことなのでしょうか。
消防法でいう政令は消防法施行令です。
そこからさらに総務省令と告示へ下りていきます。
- 消防法の条文は対象も基準も政令と総務省令に預けています。(消防法第17条第1項)
- 政令で定めるとあれば見るのは消防法施行令です。(消防法施行令第6条)
- 総務省令で定めるとあれば消防法施行規則まで下りて細目を読みます。(消防法施行令第10条第2項第1号)
- 消防庁長官が定めるものは告示として総務省消防庁が公表しています。(消防法施行規則第31条の6)
- 最後に所在地の火災予防条例まで確かめないと結論は出ません。(消防法第17条第2項)
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目次
消防法の条文はなぜ一つ読んだだけでは答えが出ないのか

ところが本体には義務の骨組みしか書かれていません。
学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)について消火、避難その他の消防の活動のために必要とされる性能を有するように、政令で定める技術上の基準に従つて、設置し、及び維持しなければならない。
この一項の中に政令で定めるという言葉は三か所あり 義務がかかる建物と 設置すべき消防用設備等の範囲と 技術上の基準がいずれも政令に預けられています。
つまりこの一文を読んだだけでは 自分の建物が対象なのかも どんな設備が要るのかもわかりません。
消防法令はこのように法律から政令 総務省令 告示へと順に中身が下りていく作りになっています。
まず手元の条文の中に〜で定めるという言葉があるかどうかを探すところから始めてください。
法律だけを読んでも義務が決まらないというのは少し不思議です。
建物の種類も規模も時代とともに変わるので 細かい部分は政令や総務省令に預ける作りになっています。
そのぶん条文は必ず次の行き先を書いてくれています。
政令で定めると書かれていたらどの法令を見ればよいのか

消防法でいう政令は消防法施行令を指します。
法第17条第1項の政令で定める防火対象物は、別表第一に掲げる防火対象物とする。
消防法施行令第6条は義務がかかる防火対象物を別表第一に掲げるものだと定めていて 劇場や飲食店や共同住宅といった用途の区分はすべてここに並んでいます。
そのうえで設備ごとの条が続き 消火器具であれば消防法施行令第10条第1項が用途ごとの延べ面積で対象を分けています。
延べ面積150平方メートル以上や300平方メートル以上といった数字が出てくるのはこの段です。
自分の建物がどの項に当たるかを先に押さえると この先の条文が一気に読みやすくなります。
うちの建物が別表第一のどこに入るかを先に見ればよいのですね。
そのとおりです。
用途の区分が決まれば面積の基準もそこから読み取れます。
総務省令で定めると書かれていたらどこまで下りるのか

消防法でいう総務省令は消防法施行規則を指します。
前項各号に掲げる防火対象物又はその部分には、防火対象物の用途、構造若しくは規模又は消火器具の種類若しくは性能に応じ、総務省令で定めるところにより、別表第二においてその消火に適応するものとされる消火器具を設置すること。(略)
消防法施行規則第6条は 延べ面積を用途ごとに定めた面積で割った数以上になるように消火器具の能力単位の合計を確保しなさいと定めています。
割る面積は令別表第一(1)項イや(2)項などが50平方メートル (1)項ロや(3)項から(6)項までなどが100平方メートル (7)項や(8)項などが200平方メートルです。
さらに消防法施行規則第9条には 床面からの高さが1.5メートル以下の箇所に設けることや 消火器と表示した標識を見やすい位置に設けることといった設置と維持の細目が並んでいます。
政令で対象を確かめたら 必ず同じ設備の規則まで下りて細目を読んでください。
消火器の本数まで条文で決まっているのですか。
本数の出し方は消防法施行規則に書かれています。
用途ごとの面積で延べ面積を割って能力単位の合計を出す仕組みです。
消防庁長官が定めるものはどこで公表されているのか

条文は消防庁長官が定めるという言い方で さらに先へ中身を預けます。
法第17条の3の3の規定による消防用設備等の点検は、種類及び点検内容に応じて、1年以内で消防庁長官が定める期間ごとに行うものとする。
(略)5 法第17条の3の3の規定による点検の方法及び点検の結果についての報告書の様式は、消防庁長官が定める。
点検の期間も 点検の方法も 報告書の様式も 規則の条文の中では決まっておらず消防庁長官が定めると書かれているだけです。
実際の中身は総務省消防庁が告示として公表していて 点検の期間と方法と報告書の様式は平成16年消防庁告示第9号 点検の基準と点検票の様式は昭和50年消防庁告示第14号 点検を行うことができる設備の種類は平成16年消防庁告示第10号にあります。
これらは総務省消防庁のホームページの告示のページにまとめて掲載されています。
条文が消防庁長官が定めると書いていたら そこで止めずに消防庁の告示まで見に行ってください。
告示というものは条文を追いかけても見当たりませんでした。
告示は法令の条文とは別に総務省消防庁が公表しているためです。
消防庁のホームページの告示のページにまとまっています。
自分の建物に効く条文を明日からどうたどればよいのか

自分の市町村の条例です。
市町村は、その地方の気候又は風土の特殊性により、前項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令又はこれに基づく命令の規定のみによつては防火の目的を充分に達し難いと認めるときは、条例で、同項の消防用設備等の技術上の基準に関して、当該政令又はこれに基づく命令の規定と異なる規定を設けることができる。
たどり方は一本道です。
条文の中の政令で定めるを見つけたら消防法施行令へ 総務省令で定めるを見つけたら消防法施行規則へ 消防庁長官が定めるを見つけたら消防庁の告示へ進み 最後に所在地の火災予防条例を確かめます。
消防署から示された条番号は建物の用途と延べ面積とあわせて必ず控えておいてください。
この順にたどっても判断がつかないときは所轄消防署に確認するのが確実です。
条文の中の言葉が次の行き先を教えてくれるということですね。
そのとおりです。
まずは手元の書類に書かれた条番号を書き出すところから始めてください。
よくある質問
まとめ
政令と総務省令と告示の順にたどればよいとわかりました。
まず手元の書類の条番号を書き出します。
条文の中の〜で定めるが次に見る法令を教えてくれます。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法第10条(危険物の貯蔵及び取扱いの制限等)
- 消防法第17条(消防用設備等の設置及び維持)
- 消防法第17条の3の3(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
- 消防法施行令第6条(防火対象物の指定)
- 消防法施行令第10条(消火器具に関する基準)
- 消防法施行令別表第一
- 消防法施行規則第6条(大型消火器以外の消火器具の設置)
- 消防法施行規則第9条(消火器具に関する基準の細目)
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
- 総務省消防庁「告示」
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





