大きな建物ほど、防災センターに集まってくる情報の量が増えます。
上の階で警報が鳴っても、下の階のセンターから駆けつけるまでに時間がかかるという声もよく聞きます。
そこで管理区分ごとにセンターを分けたり、高層階に副防災センターを置いたりする建物が出てきました。
この記事では防災センターを増やすときに消防計画へなにを書き分けるのかを整理します。
うちのビルは防災センターが低層階に一か所だけです。
上のほうで何かあっても駆けつけるのに時間がかかります。
増やすこと自体を禁じる定めはありません。
ただ増やす前に決めておくことのほうが大事です。
センターが二か所になったら、指揮する人も二人になるのでしょうか。
そこが分かれ目です。
場所は増やせますが統括管理者はひとりのままにしておく必要があります。
- 消防法令には防災センターの数を1つに限る規定がありません
- 規則は一の防火対象物に二以上の受信機が置かれる場面を前提にしています
- 場所を増やしても自衛消防組織を統括するのは統括管理者ひとりです
- どのセンターがどの範囲を受け持つかは活動要領として消防計画に定めます
- 副のセンターからも全区域へ放送できることを確かめてください
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目次
防災センターは建物に1つと決まっているのか

場所の性質は決められていますが、数については触れられていません。
条文が求めているのは、防災のための設備を管理する場所であることと、そこが常時人がいる場所であることの二点です。
言い換えると、この二点を満たしていれば建物の中に二か所あってもかまいませんし、逆に無人になる時間があれば一か所でも防災センター等としては数えられません。
まずは自分の建物のセンターが常時有人かどうかを、当直の割り振り表で確かめてみてください。
数を増やす話は、そのあとの話になります。
総合操作盤が一台しかないのに、センターを二か所にできるのでしょうか。
盤の台数と場所の数は別の話です。
まず図面で受信機と操作部が何台どこにあるかを数えてみてください。
防災センターが2つ以上になるのはどんな建物なのか

自動火災報知設備の細目に、それがはっきり出てきます。
つまり法令は、一つの建物に監視する場所がいくつもある状態を想定したうえで、そこに同時通話の設備を条件として付けています。
実際に複数のセンターを置いているのは、鉄道の駅と商業施設と事務所が同居する超高層複合用途のような、管理区分そのものが分かれている建物です。
総務省消防庁の「大規模地震等に対応した消防計画作成ガイドライン」も、こうした建物では総合操作盤で扱う情報量が膨大になり初期対応に支障が出るおそれがあることを、管理区分ごとにセンターを置く理由として挙げています。
高層階の現場までセンターの勤務員が駆けつけるには時間がかかるという点も、副防災センターを設けている理由として同じ資料に示されています。
うちにも受信機が二台あります。
同時に通話できる設備というのは内線電話のことでしょうか。
具体的な機器の種類までは条文に書かれていません。
設置のときの図書に何で担保したかが残っているはずなので、そこを見てください。
複数の防災センターは消防計画にどう書き分けるのか

設備の基準を満たしても、誰がどこを見るかは計画で決めるしかありません。
一 関係機関への通報、在館者が避難する際の誘導その他の火災以外の災害の被害の軽減のために必要な業務として自衛消防組織が行う業務に係る活動要領に関すること。
二 自衛消防組織の要員に対する教育及び訓練に関すること。
三 その他自衛消防組織の業務に関し必要な事項
センターが二か所あるなら、どちらがどの階とどの区画を受け持つのか、警報を受けたときに相手へ何を伝えるのか、全体の情報をどちらに集めるのかを書き分けます。
自衛消防組織に業務を分掌する内部組織を編成するときは、規則第4条の2の10第3項が業務の内容と活動の範囲を明確に区分し、必要な要員を配置し、その内部組織を統括する者を置くことを求めています。
センターを分けるということは、この内部組織を分けるということでもあるので、区分と要員と統括者の三つを必ずセットで書いてください。
書き分けたあとは、消防計画の変更の届出にあたるかどうかを所轄消防署へ確かめておくと安全です。
受け持ちを決めておかないと、どうなってしまうのでしょうか。
両方が動く場所と、どちらも動かない場所ができます。
階と区画の一覧を作って、抜けと重なりを目で見て潰すのが早いです。
副防災センターを置くときに見落としやすいのはどこか

非常警報設備の基準に、条件がひとつ足されています。
副のセンターに置いた遠隔操作器が自分の担当する階にしか流せない造りだと、この条件から外れます。
指揮の側にも落とし穴があります。令第4条の2の8第2項は統括管理者が自衛消防組織を統括すると定めており、場所を増やしたからといって統括する人を二人に割ることはできません。
さらに、規則第12条第1項第8号の常時人がいる場所という条件は増やした側にもかかるので、夜間に無人になる部屋を防災センター等として数えることはできません。
増やすかどうかを決める前に、放送の範囲と統括の一本化と常時有人の三つを先に確かめてください。
副のセンターは昼だけ人を置く予定でした。
それでは防災センター等にならないということですね。
設備を置く場所としては数えられません。
ただ日中だけ人が詰める前進拠点として消防計画に書くことはできます。
明日からなにを確かめればよいのか

根拠は防災管理に係る消防計画の第一号にあります。
一 防災管理に関する基本的な事項として次に掲げる事項
イ 自衛消防の組織に関すること。
まず図面と設置届の控えを出して、受信機と非常放送の操作部が今どこに何台あるかを数えてください。
つぎに、それぞれの場所の間で同時通話が現に通じるかを、実際に受話器を上げて確かめます。
そのうえで、どちらのセンターがどの階と区画を受け持つのかを表にして、消防計画の活動要領へ書き込みます。
最後に統括管理者と代行の順位が一本につながっているかを読み返し、変更の届出が要るかどうかを所轄消防署へ相談してください。
つまり盤の場所を数えるところから始めればよいのですね。
そこが出発点です。
数えた結果と当直表を並べれば、増やすべきかどうかの判断もつきます。
よくある質問
まとめ
場所を増やす前に決めることが見えてきました。
まずは受け持ちの表を作ってみます。
その表ができれば活動要領はすぐ書けます。
消防計画の書き方でお困りでしたら㈱防災屋でもご相談を承っております。
参考・出典
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第4条の2の8第2項・第49条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第12条第1項第8号・第24条第5号ト・第25条の2第2項第3号ヲ
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第4条の2の10第3項・第51条の8第1項・第51条の10第1項
- 総務省消防庁「大規模地震等に対応した消防計画作成ガイドライン」(平成31年)別冊7
- e-Gov法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





