厨房のガス機器や新しいボイラーを入れるとき消防署への届出のことは頭になくても
実は工事の前に済ませておかないといけない手続きがあります
対象になる設備と届出を出すタイミングはどう決まっているのでしょうか
火を使用する設備のうち条例で定められたものは、設置する前に消防長(消防署長)へ届け出る決まりになっています。
今度、テナントの厨房に新しい業務用コンロを何台か入れる予定なんです。
工事の前に何か届出とか要りますか。
設備の種類や入力(キロワット数)によっては、消防署への設置届出が必要になります。
えっ、コンロにも届出があるんですか。
てっきり危険物とかガス管の工事だけの話だと思っていました。
火を使う設備は幅広く対象になります。
対象になる設備と届出のタイミングを順番に見ていきましょう。
- 火を使用する設備のうち条例で定めるものを新たに設置しようとする者は、あらかじめ消防長(消防署長)へ設置の届出をしなければなりません
- 対象になるのはボイラー・厨房設備・乾燥設備・サウナ設備・変電設備など火災予防条例(例)第44条に列挙された設備です
- 厨房設備は1台ごとの入力ではなく、同一厨房室内に設ける他の厨房設備との合計で基準に達するかを判定します
- 多くの項目に「個人の住居に設けるものを除く」という除外がありますが、除外の定めがない項目もあります
- 届出のタイミングは工事に着手する前の「あらかじめ」が原則で、罰則の有無は市町村の条例ごとに異なります
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目次
火を使用する設備の設置届出とは何を指すのか

それが対象火気設備等の設置届出です
消防法は、かまどや風呂場など火を使用する設備の位置・構造・管理の基準を
市町村条例で定めるよう委任しています。
その条例の中に、対象となる設備を設置しようとする段階で届け出させる規定が置かれています。
建物の使用開始届が「建物の使用そのもの」についての届出であるのに対し、
こちらは個々の設備についての届出という違いがあります。
うちは建物の使用開始届は前に出したので、それとは別ということですか。
はい、建物の届出と設備の届出は別ものです。
次はどんな設備が対象になるか見てみましょう。
どんな設備が届出の対象になるのか

代表的なものを確認します
条文には熱風炉・厨房設備・温風暖房機・給湯湯沸設備・乾燥設備・サウナ設備のほか、
変電設備や蓄電池設備といった電気関係の設備まで15項目近くが列挙されています。
共通しているのは、火災の発生や拡大につながりやすい設備という点です。
自分の建物にどれが当てはまるかは、まず一覧と照らし合わせて確認します。
こんなに種類があるとは思いませんでした。
うちのボイラーは間違いなく対象ですよね。
はい、ボイラーは個人の住居に設けるものを除き対象です。
次は届出の中身とタイミングを見ましょう。
届出書には何を書いて何日前に出すのか

条文の言葉どおりに確認します
使用開始届が使用開始の何日前までと期限が区切られているのに対し、
この届出は工事に着手する前に済ませておく決まりになっています。
届出書には設備の種類・設置場所・着工予定日と竣工予定日・使用する燃料や熱源などを記載し、
届出をするのは設備を設置しようとする者で、工事業者任せにできる書類ではありません。
様式や添付図面の要否は市町村ごとに違うため、着工日から逆算して早めに用意します。
着工の前ということは、機材の発注をする段階で確認しないといけないんですね。
そのとおりです。発注や工事日程を決める前に確認するのが安全です。
次は見落としやすい落とし穴を見てみましょう。
実務で見落としやすいのはどこか

特に厨房設備は注意が必要です
新しく入れるコンロ1台の入力が基準未満でも、
同じ厨房室にある他の設備との合計が基準に達すれば届出の対象になります。
複数店舗が入るテナントビルの共用厨房などでは、後から増設した設備が合計を押し上げていることに気づきにくい落とし穴です。
また多くの項目にある「個人の住居に設けるものを除く」という除外は、すべての項目に付いているわけではありません。
自分の設備が除外の対象かどうかも、項目ごとに確認する必要があります。
うちの厨房、去年もコンロを1台足したんです。
合計では考えていませんでした。
増設のたびに合計を見直すのが安全です。
次は明日からの動き方を確認しましょう。
明日からなにを確認すればよいのか

実務での進め方を整理します
届出書の様式や添付書類は市(町・村)長が定めることになっているため、
全国共通の書式ではなく所轄消防署の予防課への確認が欠かせません。
複数の設備を同時に入れる工事では、対象になる項目を一つずつ洗い出しておくと二度手間になりません。
増設や入れ替えの場合も、変更後の合計値で基準に達しないかをそのつど見直すのが確実です。
まずは今回入れる設備を一覧にして、消防署に確認してみます。
それが一番の近道です。
次はよくある質問で細かい点を確認しましょう。
よくある質問
まとめ
合計で見るという発想がなかったので、まず今の設備を一覧にしてみます。
それが一番の近道です。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第9条
- 火災予防条例(例)(総務省消防庁)第44条・第48条
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





