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消火器の訪問販売で消防職員を名乗られたらどう対応すべきか|悪質な手口の見分け方と検定制度も解説

消火器の訪問販売で消防職員を名乗られたらどう対応すべきかを示すアイキャッチ画像

消火器を売りつける業者が、消防職員を名乗って家庭や会社を訪ねてくることがあります。
「一般家庭にも設置義務がある」「消防の許可を受けている」と言われ、高額な契約をしてしまう被害も後を絶ちません。
消防庁は昭和59年、こうした悪質な訪問販売への注意を呼びかける通知を出しました。
消防が消火器を売ることも点検することもない、という事実を知っておくだけで被害の多くを防げます

最近、消火器の点検にきたという業者から「消防署の依頼で来た」と言われたと相談がありました。
そんなことが本当にあるんでしょうか。

消防職員が消火器の販売や点検のために訪問することはありません。
まずはその点を疑ってください。

うちのビルも狙われるかもしれないので、正しい知識を持っておきたいです。

消防庁が出した通知をもとに、よくある手口と正しい対応を整理しますね。

この記事の結論
  • 消防職員が消火器の販売や点検のために訪問することはない
  • 「一般家庭にも設置義務がある」という説明は誤りです
  • 消防機関は訪問販売業者の許可や認定を行っていません
  • 消火器は検定に合格した規格適合品を選びます
  • 怪しい勧誘はその場で契約せず所轄消防署に確認します

消火器の訪問販売で消防を名乗る手口と正しい対応の要点を示す概要図解

なぜ消火器の訪問販売に注意が必要なのか

消防職員を装って消火器を売りに来た業者が住宅の戸口に立つ様子を示すイメージ
消火器の点検や設置を口実にした悪質な戸別訪問は、古くから各地で報告されてきました。
消防庁はその実態を受け、都道府県を通じた注意喚起の通知を出しています。
消火器の悪質訪問販売により一般消費者が被害を受ける事例が頻発しているが、その内容をみると、あたかも消防職員であるかのようなふるまいや、一般家庭にも消火器の設置及び点検の義務があるかのような言辞をろうする者が後を絶たず、このような事態が続くことは、消防行政に対する信頼にもかかわるものである。(消火器の悪質訪問販売に係る被害防止対策について(通知) 昭和59年7月14日 消防予第110号 消防庁予防救急課長)
消防職員を装う勧誘への注意喚起は昭和59年から続いています
消防庁は各都道府県消防主管部長あてに、消火器の悪質訪問販売の手口と正しい知識を広報するよう求めました。
発出から時間がたった通知ですが、消防機関の役割そのものは今も変わっていません。
まずは通知が示す事実を知ることが、被害を防ぐ第一歩になります。
次の章で、実際に使われている手口を具体的に見ていきます。

40年も前の通知が、今でも役に立つんですか。

消防の役割そのものは変わっていないので、今の勧誘にもそのまま当てはまります。
次の章で具体的な手口を見ていきましょう。

業者はどんな手口で消火器を売りつけるのか

制服のような帽子とベストが台に掛けられ消火器が立てかけられている様子を示すイメージ
通知には、実際に報告された悪質訪問販売の手口が具体的にまとめられています。
まずはどんな言い回しが使われているのかを知っておきましょう。
身分の詐称又は偽りの説明を行う。「消防庁の者だ。」「消防署から来た。」「消防、区役所、町内会長のあつせん、依頼、指示があつた。」「消防の許可、認可を受けている。」「一般家庭にも設置義務がある。」「消火器の有効期間は、5年である。」「薬剤の詰替えが義務付けられている。」(略)消防職員の服装と類似の衣服、名札等を着け消防職員を装う。
手口の共通点は「消防」の名前を借りることです
消防職員の制服に似た服装や名札を着け、身分を偽って家庭を訪ねる例が報告されています。
中には消防団や自治会の名を借りて「みなさんに置いてもらいます」と持ちかける手口もありました。
「消火器の有効期間は5年」といった、消防が公式に定めていない説明で不安をあおる例も見られます。
共通するのは、公的な立場を装って断りにくくする点です。

消防団を名乗られると、余計に信用してしまいそうです。

消防団員であっても、消火器の販売や点検を職務として行うことはありません。
名乗られても、その場では契約しないようにしてください。

消防は消火器の販売や点検にどこまで関わっているのか

折りたたみ扉のある小さな消防署の建物と住宅を結ぶ点線の通路を示すイメージ
業者の言い分を確かめる一番簡単な方法は、消防の役割を正しく知ることです。
通知は消防機関の関わり方について、はっきりとした事実を示しています。
(1) 一般家庭であつても消火器を設置し点検をすることが望ましいが、消防法による義務付けはされていないこと。(2) 消防機関の職員は、消火器の販売及び点検を行つていないこと。(3) 消防機関は、訪問販売業者の許可、認定等を行つていないこと。
消防の用に供する機械器具若しくは設備、消火薬剤又は防火塗料、防火液その他の防火薬品のうち、(略)政令で定めるもの(以下「検定対象機械器具等」という。)については、この節に定めるところにより検定をするものとする。(消防法第21条の2第1項) 法第21条の2第1項の政令で定める消防の用に供する機械器具等は、次に掲げるものとする。一 消火器(略)(消防法施行令第37条第1号)
消防が消火器を売ることは制度上ありません
一般住宅は消防法施行令の防火対象物に当たらないことが多く、消火器の設置義務そのものがありません。
消火器は検定対象機械器具等にあたり、日本消防検定協会の検定に合格した規格適合品でなければ販売できません。
「消防の許可を受けている」という説明も、消防機関がそのような許可を出す制度が無いため誤りです。
まずはこの事実を、テナントや住民にも伝えておくとよいでしょう。

じゃあ消火器そのものは、どの業者から買っても構わないんですか。

検定に合格した規格適合品であれば問題ありません。
本体に付いている検定マークを確認する習慣をつけましょう。

悪質な勧誘のどこに落とし穴があるのか

横倒しになった消火器と外れた安全ピンを見つめる人物を示すイメージ
通知が出てから時間がたっても、勧誘の骨格は大きく変わっていません。
特に見落としやすい点を2つ挙げます。
最初購入を断わったが、販売員が消火器の使用方法を説明し、「消火器の安全ピンを抜いて下さい。」と言われ抜いたところ「ピンを抜いたものは返却できない。」と言つて強制的に購入させられた。(略)地域により、官公署等が消火器又は販売業者のあつせんを行つている場合は、そのあつせん方法等を具体的に広報すること。
断っても引き下がらない手口ほど注意が必要です
使用方法の説明のふりをして安全ピンを抜かせ、「もう返品できない」と迫る手口が報告されています。
「消防や自治体のあっせん」を名乗る手口も、身近な組織の名前を使う分だけ信じやすくなります。
正規のあっせんが行われている地域もあるため、名乗られた組織に直接確認しないと真偽を区別できません。
一度行動させて後戻りできないと思わせる点が、この手口の共通した落とし穴です。

テナントのオーナーさんから「消防のあっせんだから」と言われて契約しそうになったと相談されました。
どう答えればいいですか。

消防機関が直接あっせんすることはないので、まずは所轄消防署に確認するよう伝えてください。
その場で契約しないことが一番の防御です。

消火器の訪問販売には明日から何を確認すればよいのか

受付台で電話を手にする人物とその奥に建物を配置した様子を示すイメージ
最後に、防火管理者として今日からできる対応を整理します。
難しい知識は必要ありません。
消火器には、品質を確保するために日本消防検定協会による検定が義務付けられており、検定合格品である旨の表示がなければ販売できないこと。
合言葉は「消防は販売しない」です
まずはこの一言を、テナントや住民にあらかじめ周知しておきましょう。
「消防のあっせん」「許可を受けている」と言われても、その場で契約せず所轄消防署に確認してください。
消火器を購入・交換するときは、本体の検定合格の表示があるかを必ず確認します。
この点を押さえておくだけで、悪質な訪問販売の被害は大きく減らせます。

分かりました。まずは「消防は消火器を売らない」と社内に周知しておきます。
怪しい業者が来たらすぐ消防署に確認します。

その一言を知っているだけで、多くの被害を防げます。
迷ったときはいつでもご相談ください。

よくある質問

Q消火器の点検で消防職員を名乗る人が来たらどうすればよいですか?
A消防職員が消火器の点検や販売のために各戸を訪問することはありません。身分証の提示を求めても消防機関のものではないため、その場で対応せず所轄の消防署に電話で確認してください。
Q一般家庭にも消火器の設置義務はあるのですか?
A戸建て住宅など消防法施行令の防火対象物に当たらない一般住宅には、消火器の設置義務はありません。設置は任意であり義務ではないことを覚えておいてください。
Q消防のあっせんだと言われて契約しても大丈夫ですか?
A消防機関が消火器や販売業者を直接あっせんすることは制度上ありません。地域の自治体等が独自にあっせんを行っている場合もあるため、名乗られた組織に直接問い合わせて確認してから判断してください。
Q消火器を買うときに確認すべきことは何ですか?
A消火器は消防法上の検定対象機械器具等にあたるため、日本消防検定協会の検定に合格した規格適合品であることを示す表示があるかを確認してください。表示がないものは販売できません。

まとめ

消防職員は消火器の販売や点検のために訪問しません
「一般家庭にも設置義務がある」という説明は誤りです
消防機関は訪問販売業者の許可や認定を行っていません
消火器は検定に合格した規格適合品を選びます
「消防のあっせん」を名乗られても名乗った組織に直接確認します
怪しい勧誘はその場で契約せず所轄消防署に相談します
防火管理者はテナントや住民にもこの事実を周知しておきます

消防が消火器を売らないと分かって、少し安心しました。
テナントにもしっかり伝えておきます。

「消防は販売しない」の一言と、検定合格の表示の確認。
この2つを押さえれば大きく外しません
㈱防災屋でもご相談を承っています。

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参考・出典

  • 消火器の悪質訪問販売に係る被害防止対策について(通知)(昭和59年7月14日 消防予第110号)
  • 消防法第21条の2(検定対象機械器具等の検定)
  • 消防法施行令第37条第1号(検定対象機械器具等の範囲)
  • 消防法施行令第10条(消火器具に関する基準)

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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