新品のはずの消火器が、実は法律で販売を禁じられた型式だったとしたら、あなたは気づけるでしょうか。
消防庁は平成24年1月1日以降、古い規格の消火器について型式承認を失効させましたが、その後も違法な販売事例が全国で相次ぎました。
家庭に任意で置いてある消火器をそのまま使い続けること自体は違反ではありませんが、それを売る行為はまったく別の話です。
この記事では、型式承認が失効した消火器がなぜ今も売られてしまうのか、その仕組みと購入時に確認すべきポイントを解説します。
うちの倉庫に古い消火器が置いてあるんですが、これって交換しないと違反になるんでしょうか。
設置義務のない場所であれば交換の義務はありません。ただ、それとは別に、型式が失効した消火器を売る行為自体が法律違反になる問題があるんです。
売る側の話なんですね。うっかり中古で買ってしまうこともありそうで怖いです。
そのとおりです。今日は、その違法な販売がなぜ起きるのか、買うときに何を確認すればいいのかを一緒に見ていきましょう。
- 平成24年1月1日をもって、規格に適合しない一部の消火器は型式承認の効力を失いました。
- 型式承認が失効した消火器の販売や工事への使用は消防法第21条の2第4項違反になります。
- 一般家庭に任意で設置された消火器を交換する法令上の義務はありませんが、販売業者等が新たに売ることは禁止されたままです。
- 違反すると総務大臣による立入検査や検定合格表示の除去、現在は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象になります。
- 疑わしい販売を見つけたら、都道府県の消防防災主管課や消防本部に情報提供しましょう。
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目次
型式承認が失効した消火器はなぜ売られ続けるのか

それにもかかわらず、なぜ改めて注意喚起の通知が出されたのでしょうか。
消防庁は平成23年に一度、型式承認の失効を関係者へ周知していましたが、それだけでは市場から違法な在庫が消えなかったことになります。
型式承認の失効という仕組み自体があまり知られておらず、買う側も売る側も気づかないまま取引されるケースがあったと考えられます。
だからこそ、購入する側にも「型式承認が失効した消火器がある」という前提を持っておくことが必要です。
まずはこの通知が出された背景を押さえたうえで、次の章で対象になる消火器の範囲を見ていきましょう。
型式承認が失効するなんて、正直あまり意識したことがなかったです。
多くの方がそうだと思います。だからこそ、悪質な業者につけ込まれやすい部分でもあるんです。
どの消火器が型式承認の失効した対象になるのか

どんな手続きを経て型式承認が失効したのかを確認しましょう。
消防法は技術基準が変わると古い型式承認を失効させる仕組みを持っており、今回はその手続きが平成23年の告示というかたちで実行されました。
経過措置として平成23年12月31日までは販売が認められ、平成24年1月1日から該当の型式承認が失効しています。
どの型式が対象かは告示の別紙で個別に指定されているため、本体の型式番号を確認しないと自分では判断できません。
次の章では、この失効した消火器を売った場合にどうなるのかを見ていきます。
平成24年より前に作られた消火器は、みんな対象になるということですか。
いえ、告示で指定された型式だけが対象です。すべてではないので、本体の型式番号で確認する必要があります。
型式承認が失効した消火器を売るとどうなるのか

通知が示す禁止の内容を確認しましょう。
通知が出た当時は30万円以下の罰金という規定でしたが、その後の法改正で罰則規定が整理され、現在は消防法第41条第1項第6号により1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に引き上げられています。
罰則だけでなく、総務大臣が販売業者等の事務所に立ち入り、検定合格の表示を除去させる措置も定められています。
つまり、違法に販売された消火器は、見た目の表示が正規品と区別しにくいまま出回ってしまう可能性があるということです。
次の章では、家庭用だからと油断しやすい落とし穴を確認します。
リース契約も含まれるんですね。売買だけかと思っていました。
そうなんです。所有権が移らないリース契約であっても、対象になる点は見落とされやすいところです。
家庭用の消火器を売買するときに見落としやすいのはどこか

「交換義務がない」ことと「売ってよい」ことを混同しないようにしましょう。
「交換義務がない=いつまでも自由に売買できる」という理解は誤りです。
不要になった家庭用の消火器をフリマアプリや個人間の売買で手放そうとする場面でも、この規制は適用されます。
消防法第21条の2第4項は「販売」を対象にしており、業者に限らず個人による売買も規定の対象になり得る点に注意が必要です。
次の章では、実際に消火器を買う側として明日から確認すべきことをまとめます。
使わなくなった家庭用の消火器を人に譲るのも、気をつけたほうがいいんでしょうか。
型式承認が失効した消火器であれば、無償でも有償でも人に渡す前に型式番号を確認したほうが安全です。
消火器を買うとき明日から何を確認すればよいのか

通知は、疑わしい販売を見つけたときの対応も示しています。
表示が無い、かすれて読めない、極端に安いといった消火器は型式失効品の可能性を疑ってください。
正規の販売店や消火器メーカーを通さない出所不明な出品は、特に注意が必要です。
不審な販売を見つけたときは、都道府県の消防防災主管課や最寄りの消防本部に情報提供しましょう。
迷ったときは購入前に消火器メーカーや点検業者に型式番号を伝えて確認してもらうのが確実です。
型式番号だけ見ても、自分で失効しているかどうか分かる気がしません……
その場合は無理に自分で判断せず、消火器メーカーか点検業者に型式番号を伝えて確認してもらいましょう。
よくある質問
まとめ
買うときに表示と型式番号さえ確認すればいいと分かって安心しました。
はい。㈱防災屋でもご相談を承っています。消火器の点検や交換とあわせて、お気軽にお声がけください。
参考・出典
- 型式承認の失効した消火器の販売について(平成25年3月18日 事務連絡消防予防課)
- 型式承認の失効に伴う消火器の取扱いについて(平成23年12月7日 消防予第450号・消防危第276号)
- 消防法第21条の2・第21条の5・第21条の10・第21条の12・第21条の13・第41条(令和7年時点)
- 消火器の技術上の規格を定める省令の一部を改正する省令(平成22年総務省令第111号)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





