A事業所長は東基地の防災管理者に選任されています。
西基地は直線距離2キロメートル、走行距離10キロメートル。同じ事業所長を西基地の防災管理者にもできるか。
回答は認めませんでした。
決め手はその場で指揮監督が届くかどうかです。
副防災管理者が防災要員を兼ねられるのは、どのような場合でしょうか。
油槽所や潤滑油製造業等の業種で非操業時において諸条件を考慮した場合とされています。
個々の事例で判断するので照会されたいとされました。
休日や夜間は、駆け付けるまでの間だけ他の者が代行してはだめでしょうか。
代行は臨時的な事故のため不在になる場合のものであり、もつとも重要な発災初期に副防災管理者が不在で代行者が代行することは適当でないとされました。
- 副防災管理者と防災要員を兼ねられるのは、油槽所や潤滑油製造業等の業種で非操業時において諸条件を考慮した場合です
- 判断の要素は非操業時の貯蔵危険物の種類と量、異常監視装置の有無、隣接事業所との応援の内容等です
- 休日夜間に代行者を置く運用は、もっとも重要な発災初期に副防災管理者が不在となるため適当ではありません
- 直線距離2キロメートル走行距離10キロメートル離れた基地の防災管理者を兼ねることは認められません
- 共同防災組織の車両には、防災相互無線や消防無線等の波を受信できる受令機の設置を指導されたいとされました
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目次
副防災管理者が防災要員を兼ねられる場合

昭和59年12月21日付けの消防地第288号では、副防災管理者と防災要員は一般的には兼ねることができないとされていました。
では、兼ねることができるのはいかなる場合か。
なお、判断の要素の例としては、非操業時における貯蔵危険物の種類、量、異常監視装置の有無及び隣接事業所との応援の内容等が考えられる。
一般的には不可という原則は動かさず、例外の輪郭が示されました。
まず業種です。油槽所や潤滑油製造業等。動いている装置が少なく、非操業時には人がほとんど残らない業種が想定されています。
次に時間帯です。非操業時に限られます。動いている時間帯では認められません。
そして判断の要素が4つ挙げられています。非操業時における貯蔵危険物の種類と量、異常監視装置の有無、隣接事業所との応援の内容。
最後に、個々の事例で判断するので照会されたいと結ばれています。自分で判断せず相談する仕組みです。要素を整理して持ち込むところから始まります。
非操業のときに限られるのですね。
個々の事例で判断されます。
該当しそうな時間帯を、洗い出しておいてください。
休日夜間に代行者を置けるか

常駐となると副防災管理者を多数選任しなければならない。
休日夜間は、防災規程により防災管理者または副防災管理者が駆け付けるまでの間、他の者が代行することで認められないか。
認められませんでした。理由が2段に分かれています。
1段目は代行という制度の性格です。旅行、疾病、一時の外出等の臨時的な事故のため不在になる場合のもの。休日夜間は臨時ではなく、毎週訪れる予定された時間帯です。
2段目が実質です。もっとも重要な発災初期に副防災管理者が不在で代行者が代行することは適当でない。
火災は最初の数分で広がり方が決まります。その時間に判断できる人がいなければ、あとから駆け付けても取り返せません。
前の記事で見た回答と同じ結論ですが、こちらはなぜ駄目なのかが書かれています。人数の問題ではなく、いちばん要る時間に要る人がいるかどうかの問題です。
初期こそ本人が必要とされるのですね。
代行は臨時の事故のためです。
夜間の選任を、名簿で確かめてください。
離れた基地の防災管理者を兼ねられるか

A事業所長は東基地の防災管理者に選任されています。西基地についても事業所長を防災管理者に選任できるか。
西基地と東基地は直線距離2キロメートル、走行距離10キロメートル。西基地の勤務者は全員が直のローテーションに組み入れられており、組長が地位としてはトップになります。
1 西基地と東基地は、直線距離2km、走行距離10kmに位置する。
3 西基地の勤務者は、全員が直のローテーシヨンに組入れられており組長(係長級)が地位としてはトツプになる。
一言で否定されました。
前の記事では、隣接するA工場とB工場の防災管理者を兼ねることが認められていました。違いは距離です。あちらは互いに隣接していました。
こちらは走行距離10キロメートル。前の記事で見たとおり、防災要員でさえ常置場所から1キロメートル程度が限度とされ、おおむね10分以内に現場へ到着できる体勢が求められます。
統括する立場ならなおさらです。発災初期に現場へ行けません。
問いの中に西基地のトップが組長(係長級)だと書かれているのも示唆的です。管理的または監督的地位にある者が現地にいるなら、その人を選任する道があります。距離を無理に飛び越える必要はありません。
離れていると、兼ねられないのですね。
距離が問いに書かれていました。
拠点ごとに、選任の候補を用意してください。
車両が出向しているときの覚知手段

共同防災組織に備え付けられている3点セットが出向訓練に出ているとき、災害が発生したらどうやって覚知するのか。
事業所側の設備ではなく、車両の側に手当てをする回答です。
3点セットには、防災相互無線や消防無線等の波を受信できる受令機を設置する。訓練で構内を離れていても、災害の発生を知ることができます。
前の記事で見た媒介金具の話と同じ考え方です。車と一緒に動くものは車に積みます。
共同防災組織の車両は複数の事業所を行き来します。どの事業所にいるかが変わるので、固定の設備では追いきれません。
訓練計画を立てるときは、出向中の連絡手段が確保されているかを確かめておく必要があります。
車の側に受令機を積むのですね。
出向中の覚知の手当てです。
訓練の計画に、連絡の手段も入れてください。
防災訓練の航空機に飛行制限の除外はあるか

では、防災訓練のために航行する消防機関の航空機が、防災資機材等の投下や吊り下げ等を行う場合はどうか。
消防機関の航空機であっても、防災訓練のためであっても、許可は行われません。
理由は書かれていませんが、区域の性質から読み取れます。特別防災区域は石油や高圧ガスが大量に集まっている場所です。低空飛行や物の投下は、それ自体が新しい危険を持ち込みます。
訓練は本番のためのものですが、訓練で事故を起こしては本末転倒です。
この記事の5つの回答は、どれも同じところを見ています。兼任も代行も距離も覚知も飛行も、発災の瞬間に人と情報が確実に届く形になっているか。届かないものは、便利であっても認められません。
訓練でも、許可が出ないことがあるのですね。
飛行の制限があります。
訓練の内容は、事前に関係機関と調整してください。
よくある質問
まとめ
- 副防災管理者と防災要員の兼任は油槽所等の業種で非操業時に限られます
- 判断の要素は貯蔵危険物の種類と量、異常監視装置の有無、隣接事業所との応援の内容等です
- 個々の事例で判断するので照会することが求められます
- 代行は旅行や疾病や一時の外出等の臨時的な事故の場合のものです
- 発災初期に副防災管理者が不在で代行することは適当ではありません
- 走行距離10キロメートル離れた基地の防災管理者を兼ねることは認められません
- 出向する3点セットには受令機の設置を指導されました
いちばん要る時間に、要る人がいるかどうかなのですね。
すっきりしました。
離れた拠点は、現地に管理監督的地位の方を置くほうが早道です。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和60年10月8日 消防地第210号 消防庁地域防災課長から関係都道府県消防防災主管部長あて回答)
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和59年12月21日 消防地第288号)
- 石油コンビナート等災害防止法第17条
- 航空法第81条
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和60年のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。




