第1種事業所では、防災管理者か副防災管理者のどちらかが常に事業所にいなければなりません。
夜間や休日に2人とも不在で、別の者が実質的な指揮監督をする形は認められていません。
例外は、旅行や疾病その他の事故のために職務を代行させる場合だけです。
つまり常駐は当番ではなく体制の要件です。
一般の職員を副防災管理者に選任することはできるのでしょうか。
できません。
法第17条第3項により管理的又は監督的地位にある者のうちから選任しなければならないとされています。
副防災管理者が防災要員を兼ねることはできるのでしょうか。
一般的には兼ねることはできないとされています。
- 第1種事業所では、防災管理者又は副防災管理者のうちいずれかが常駐します
- 夜間や休日に他の者が実質的な指揮監督を行い自衛防災組織を統括することはできません
- 副防災管理者は、管理的又は監督的地位にある者のうちから選任しなければなりません
- 専属契約の請負業者でも、委託の範囲が操業に及び緊急措置権を含むなら管理監督的地位にある者を選任できます
- 副防災管理者と防災要員は、一般的には兼ねることができません
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目次
どちらかは常駐しなければならないか

まず基本の確認から始まっています。
第1種事業所において、防災管理者と副防災管理者のうちいずれかは、当該事業所に常駐するものであるか。
短い確認ですが、この記事の土台になります。
防災管理者は自衛防災組織を統括する者です。統括する者が現場にいなければ、組織は動き出せません。
1人で24時間いることはできないので、副防災管理者が置かれます。2人のうちどちらかが必ず事業所にいる。これが常駐の意味です。
前の記事で見た防災要員の常駐とは、役割が違います。防災要員は動かす人で、防災管理者は決める人です。どちらが欠けても組織は成り立ちません。
どちらかは必ず常駐するのですね。
土台になる確認です。
常駐の状況を、勤務表で確かめてください。
夜間や休日に他の者が代われるか

その時間帯は他の者が実質的な防災上の指揮監督を行い、自衛防災組織の総括を行う。そういう運用は可能か。
できないと明言されました。そのうえで、代行が認められる場面が限定されています。
旅行又は疾病その他の事故のためにその職務を他の者に代行させる場合。つまり臨時の事情に限られます。
夜間や休日は臨時の事情ではありません。毎週やってくる予定された時間帯です。そこを代行でまかなう運用は、常駐の要件を満たしません。
実務での意味は明確です。夜勤帯を副防災管理者で埋めるか、副防災管理者の人数を増やすか。どちらかを選ぶことになります。
なお代行には防災規程に基づくという条件も付いています。誰が代行するのかを、あらかじめ規程に書いておく必要があります。
代行が認められるのは、事故のときだけなのですね。
常態の穴埋めには使えません。
夜間の体制を、選任で埋めてください。
副防災管理者に選任できる者

一般職員を副防災管理者にできるか、という照会です。
問2 副防災管理者の権限はどのようなものか。
答2 法第17条第3項により自衛防災組織の統括について防災管理者を補佐すること及び第4項により防災管理者が当該第一種事業所内にいないとき自衛防災組織を統括することである。
一般職員は選任できません。管理的又は監督的地位にある者のうちから選任しなければなりません。
理由は答2の権限から分かります。副防災管理者は、防災管理者が事業所内にいないとき自衛防災組織を統括します。人に指示を出す立場です。
ふだんから指示を出す立場にない人が、災害のときだけ統括するのは無理があります。だから地位が要件になります。
知識や経験だけでは足りません。前の記事で見た防災要員の要件が能力と体勢で書かれていたのとは対照的です。統括する側は組織上の位置で決まります。
地位が要件になるのですね。
権限が伴うためです。
候補者の職位を、確認しておきましょう。
請負業者から選任できるか

その会社の管理職を副防災管理者にできるか。
選任できます。ただし契約内容によります。
条件は2つ示されています。委託の範囲が操業にまで及ぶこと。異常現象発生時の緊急措置権をも含むこと。
つまり、掃除や警備だけを請け負っている会社では足りません。プラントを動かし、異常のときに止められる立場にあることが要ります。
この記事の前の項目とつながっています。副防災管理者に求められているのは、現に人と設備を動かせる立場です。それが自社の社員か請負業者かは問われません。
なお、前の記事で見たとおり、業務を全面的に委託していても特定事業者は委託した側のままです。義務は残り担い手は選べます。この構造がここでも一貫しています。
請負の業者からも、選任できる場合があるのですね。
契約の中身で決まります。
委託の範囲を、契約書で確かめてください。
副防災管理者は防災要員を兼ねられるか

副防災管理者が防災要員を兼ねることはできるのか。
一般的にはという言い方で否定されています。原則として不可という意味です。
理由は、それぞれの役が同時に求められるからです。副防災管理者は自衛防災組織を統括します。防災要員は消防車を動かし放水します。災害の現場で、同じ人が両方はできません。
前の記事で見た防災要員の要件にも同じ考え方がありました。設備等の緊急措置に掛る要員でないこと。止める人と消す人を分ける、という発想です。
ここでは決める人と動かす人を分けます。
この記事の5つの回答を並べると、一貫した形が見えます。どちらかは必ず常駐する。代行は臨時の事情に限る。統括する者は地位で選ぶ。担い手は外部でもよいが権限が要る。そして役は兼ねない。
すべて、災害が起きた瞬間に誰が何をするかが決まっている状態を作るための要件です。
役が違えば、兼ねられないのですね。
同時に求められるからです。
名簿で、役の重なりを見直してください。
よくある質問
まとめ
- 第1種事業所では防災管理者か副防災管理者のいずれかが常駐します
- 夜間や休日に他の者が指揮監督を行う運用はできません
- 代行が認められるのは旅行や疾病その他の事故のための場合に限られます
- 副防災管理者は管理的又は監督的地位にある者から選任します
- その権限は統括についての補佐と、防災管理者が不在のときの統括です
- 請負業者でも委託の範囲が操業に及び緊急措置権を含むなら選任できます
- 副防災管理者と防災要員は一般的には兼ねられません
決める人と動かす人を分ける、という考え方なのですね。
すっきりしました。
夜勤帯の名簿を、地位と権限の欄まで含めて見直してみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和59年12月21日 消防地第288号 消防庁地域防災課長から関係都道府県消防防災主管部長あて回答)
- 石油コンビナート等災害防止法第17条第3項・第17条第4項
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和50年代のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




