同じ物質が石油にも毒物劇物にも当てはまることがあります。
どちらで数えるかによって、第一種事業所になるか第二種事業所になるかが変わります。
回答は、要件ごとに使い分けるという整理を示しました。
第一種は石油として、第二種の指定は毒物又は劇物として算定します。
石油にも毒物や劇物にも当てはまる物質は、どちらで数えるのでしょうか。
第一種事業所の要件としては石油として、第二種事業所の指定については政令第3条第1項の規定により毒物又は劇物として算定するとされました。
小さな増設を積み上げて基準量を超えた場合も、届出が要るのでしょうか。
一の許可又は完成検査に係るものに限られます。
複数の合計が百キロリットル以上になっても該当しません。
- 石油と毒物劇物の双方に該当する物質は、第一種事業所の要件としては石油として算定します
- 第二種事業所の指定については、政令第3条第1項の規定により毒物又は劇物として算定します
- 冷凍機に係るガスの容積は算入します
- 不活性ガスを混合する場合は、不活性ガスに係る量を除いた量を高圧ガスの処理量とします
- 百キロリットル若しくは百トン以上の変更は、一の許可又は完成検査に係るものに限られます
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目次
石油と毒物劇物の双方に該当する物質

構内で扱う物質のなかには、石油の定義にも毒物及び劇物取締法の定義にも当てはまるものがあります。
量を数えるとき、どちらとして数えるのか。
どちらか一方に決めるのではなく、判断する場面によって変えます。
第一種事業所の要件を見るときは石油として数えます。第二種事業所の指定を見るときは、政令第3条第1項により毒物又は劇物として数えます。
同じ物質、同じ量なのに数え方が2通りある。混乱しそうですが、それぞれの規定が守ろうとしているものが違うからです。
実務では物質ごとに両方の数字を持っておくことになります。片方だけ計算して安心すると、もう片方の要件を見落とします。
判断する場面ごとに使い分けるのですね。
要件によって変わります。
数量の台帳を、区分ごとに整理してください。
冷凍機のガスは算入するか

冷凍機は製造設備ではなく、ガスは循環しているだけにも見えます。
短く言い切られました。
考え方は分かりやすいところにあります。事故が起きたとき、冷凍機の中にあるガスも外に出ます。用途がどうであれ、そこにある量が危険の大きさを決めます。
数え漏らしやすい設備です。冷凍機、熱媒体の系統、計装用のガス。製造ラインの外にあるものほど見落とします。
構内のガスを洗い出すときは、プロセスフロー図だけでなく、ユーティリティ側の設備台帳も突き合わせておく必要があります。
冷凍機の中の分も、数に入るのですね。
外に出るからです。
設備の一覧に、保有量を書き添えてください。
不活性ガスを混ぜている場合の処理量

その場合、処理量は混合後の全量で数えるのか、それとも可燃性の部分だけか。
前の項目と逆の結論に見えますが、筋は同じです。
冷凍機のガスは危険なので数えます。不活性ガスは燃えないので数えません。基準は用途ではなく危険性です。
不活性ガスを混ぜて処理量を下げる運転は、法の要件から見ても筋が通っているということになります。
ただし混合比が変われば処理量も変わります。運転条件を変えたときに、届出上の数字と実態がずれていないかを確かめる必要があります。
燃えないものは差し引くのですね。
危険性が基準です。
混合の割合を、記録に残しておきましょう。
百キロリットル以上の変更は積み上げも含むか

この百キロリットルは、1回の工事で見るのか。それとも小さな増設を積み上げた合計で見るのか。
一の許可又は完成検査に係るものに限られます。複数の工事を足し合わせて百キロリットル以上になっても、この規定には当たりません。
判断の単位が手続に結びついている点が特徴です。物理的な増加量ではなく、1件の許可や完成検査という枠で切ります。
とはいえ、実際の貯蔵量は積み上がっていきます。この規定に当たらないからといって、第一種事業所や第二種事業所の要件を超えていないかは別に確かめる必要があります。
数字を管理する台帳は、工事単位と構内合計の2本立てにしておくのが確実です。
1件ごとに見るのですね。
合計では判断しません。
工事の単位で、数量を管理してください。
レイアウト規制の適用外になったときの報告

そのとき何をどう報告するのか。
外れたら終わりではありません。外れたという事実を報告します。
報告する内容が具体的に4つ挙げられています。所在。名称。規制を受けないこととなった後の石油の貯蔵・取扱量。高圧ガスの処理量。
そして施設の廃止届の写を添付します。減った根拠を書面で示すということです。
この記事で見てきた5つの回答は、どれも数え方の話でした。何を入れて何を除くか、どの単位で切るか、そして減ったときに何を出すか。
石油コンビナート等災害防止法の入口は量の計算です。ここを間違えると、その先の設備も体制もすべてずれます。
外れたときも、報告するのですね。
事実を届け出ます。
報告する項目を、あらかじめ整理しておきましょう。
よくある質問
まとめ
- 双方に該当する物質は第一種の要件では石油として算定します
- 第二種事業所の指定については毒物又は劇物として算定します
- 冷凍機に係るガスの容積は算入します
- 不活性ガスに係る量は除いて処理量とします
- 百キロリットル以上の変更は一の許可又は完成検査に係るものに限られます
- 複数の工事の合計では該当しません
- 規制の適用外となったときは施設の廃止届の写を添付して報告します
入れるものと除くもの、基準は危険性なのですね。
すっきりしました。
量の台帳は工事単位と構内合計の2本立てにしておいてください。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 石油コンビナート等災害防止法の運用に係る資料の送付について(昭和62年1月12日 消防地第12号)
- 石油コンビナート等災害防止法施行令第3条第1項
- 毒物及び劇物取締法
- 高圧ガス保安法
- 消防実務六法 質疑応答編
※本記事は公表されている法令および通達に基づく一般的な解説です。掲載した回答には昭和60年代のものが含まれ、条番号や機関の名称等は当時のものです。個別の事案についての適用は、所轄消防署または自治体にご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




