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指定可燃物はどの量から届出が必要になるのか|綿花類と合成樹脂類で基準が違う理由も解説

倉庫内に積み上げられた古紙と段ボールの梱包

倉庫や工場で古紙や梱包材を大量に保管していても
それが法令上の管理対象になっているとは気づきにくいものです
消防法第9条の4は指定数量未満の危険物と指定可燃物について
市町村条例で貯蔵や取扱いの基準を定めることを義務づけています。

うちの倉庫、古紙や段ボールをかなり積んでいるんです。
これって法律上何か規制があるんでしょうか。

それは指定可燃物という区分に入る可能性がありますね。
量によっては市町村条例の基準が適用されます。

指定可燃物というのは初めて聞きました。
危険物とは別の仕組みなんですか。

はい、扱いが分かれています
今日はその境目と、量ごとのルールを一緒に確認しましょう。

この記事の結論
  • 指定可燃物は綿花類やぼろ及び紙くず合成樹脂類など身近な品目が、危険物の規制に関する政令別表第4で数量とともに定められています
  • 別表第4の数量(基準数量)に達した時点で指定可燃物となり、市町村条例の技術上の基準がすぐに適用されます
  • 技術上の基準は標識の掲示や整理清掃集積単位の面積区分などを求めています
  • 届出が必要になる量は原則として基準数量の5倍以上ですが、再生資源燃料可燃性固体類等合成樹脂類は基準数量以上から届出が必要です
  • 条例に違反すると消防法第46条に基づき30万円以下の罰金が科される場合があります

指定可燃物は基準数量を境に技術上の基準が適用され5倍以上または合成樹脂類等は基準数量以上で消防長への届出が必要になることを示した図解

指定可燃物とは何を指すのか

倉庫に積まれた古紙の梱包と発泡スチロール梱包材のイラスト
古紙や木くず綿花類など普段の倉庫でよく見る品目にも
実は法令上の名前と数量の基準が付けられています。
消防法第9条の4 危険物についてその危険性を勘案して政令で定める数量(以下「指定数量」という。)未満の危険物及びわら製品、木毛その他の物品で火災が発生した場合にその拡大が速やかであり、又は消火の活動が著しく困難となるものとして政令で定めるもの(以下「指定可燃物」という。)……の貯蔵及び取扱いの技術上の基準は、市町村条例でこれを定める。(略)危険物の規制に関する政令別表第4(数量の抜粋) 綿花類200キログラム/ぼろ及び紙くず1,000キログラム/木材加工品及び木くず10立方メートル/合成樹脂類(その他のもの)3,000キログラム
指定可燃物は身近な倉庫の中に潜んでいます。
危険物の規制に関する政令別表第4が、綿花類やぼろ及び紙くず木材加工品及び木くず合成樹脂類など全12品目の数量を定めています。
たとえばぼろ及び紙くずは1,000キログラムで、古紙や梱包材でも大型の倉庫ならすぐに届く量です。
合成樹脂類は発泡させたものなら20立方メートルで、発泡スチロールの梱包材が該当します。
自社の在庫が該当品目かどうかは、まず品名を照らし合わせることから始まります。

うちにある古紙の梱包は、まさに紙くずですね。
量なんて今まで気にしたことがありませんでした。

品名がわかれば、あとは数量を数えるだけです。
次は基準がいつから適用されるかを見てみましょう。

どの量から技術上の基準が適用されるのか

段ボールの積み荷に基準の線が引かれたイラストと警告タグ
該当品目に少し触れているだけなら安全というわけではありません。
基準が始まる量のラインを政令の条文から確認します。
危険物の規制に関する政令第1条の12 法第9条の4の物品で政令で定めるものは、別表第4の品名欄に掲げる物品で、同表の数量欄に定める数量以上のものとする
基準数量ちょうどに達した瞬間から指定可燃物として扱われます。
危険物のように「指定数量の5分の1未満なら対象外」という猶予はなく、別表第4の数量以上であれば直ちに指定可燃物です。
指定可燃物に該当すると、火災予防条例(例)第33条・第34条の技術上の基準が適用対象になります。
このラインは、あとで見る届出のラインとは別の数字であることに注意が必要です。
まずは自社の貯蔵量が基準数量の何倍にあたるかを計算することが出発点になります。

うちの紙くずは1,000キログラムを超えているので、もう基準の対象なんですね。
届出も一緒に必要になるんでしょうか。

そこは実は別の話です。
基準の適用と届出の要否は数量のラインが違うので、次の章で整理しましょう。

技術上の基準は何を求めるのか

倉庫の標識板と区分された保管エリアを整理する作業員のイラスト
基準数量を超えた指定可燃物には具体的な管理方法が定められています。
代表的な項目を条例の条文から見てみます。
火災予防条例(例)第34条 指定可燃物のうち可燃性固体類等以外の指定可燃物(以下「綿花類等」という。)の貯蔵及び取扱いは、次の各号に掲げる技術上の基準によらなければならない。一 綿花類等を貯蔵し、又は取り扱う場所においては、みだりに火気を使用しないこと。二 係員以外の者をみだりに出入りさせないこと。三 常に整理及び清掃を行うこと。(略)第34条第2項 綿花類等を貯蔵し、又は取り扱う場所には、綿花類等を貯蔵し、又は取り扱っている旨を表示した標識並びに品名、最大数量及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること。一集積単位の面積は原則200平方メートル以下に区分すること。
求められているのは特別な設備ではなく日常の管理です。
標識と掲示板を掲げること、整理整頓をすること、係員以外を立ち入らせないことが柱になります。
綿花類等は一集積単位200平方メートル以下に区分することも求められます。
これらは倉庫の運用ルールを少し整えるだけで満たせる基準です。
次に見る合成樹脂類だけは、この基準に上乗せのルールがあります。

標識と区分ぐらいなら、今日からでもできそうです。
合成樹脂類は何が違うんですか。

はい、そこが実務でいちばん見落とされやすい落とし穴です。
次の章で具体的に見ていきましょう。

基準の適用と届出義務は数量のラインが違う

紙くずの束と合成樹脂類のブロックを比べたイラスト、樹脂側だけ届出書類が付く
同じ指定可燃物でも、品目によって届出が必要になる量が異なります。
条例の届出規定を確認します。
火災予防条例(例)第46条 指定数量の5分の1以上(個人の住居で貯蔵し、又は取り扱う場合にあつては、指定数量の2分の1以上)指定数量未満の危険物及び別表第8で定める数量の5倍以上(再生資源燃料、可燃性固体類等及び合成樹脂類にあつては、同表で定める数量以上)の指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱おうとする者は、あらかじめ、その旨を消防長(消防署長)に届け出なければならない。
技術上の基準と届出義務は別のラインで動いています。
綿花類やぼろ及び紙くずわら類などは基準数量の5倍に達するまで届出は不要です。
一方で再生資源燃料可燃性固体類等合成樹脂類だけは、基準数量そのものに達した時点で届出が必要になります。
紙くずなら5,000キログラムまで猶予がある一方、合成樹脂類は3,000キログラムを超えた瞬間が届出のタイミングです。
「基準の対象になった=届出が必要」とは限らない点が、実務での取り違えやすさにつながります。

品目によってこんなに扱いが違うとは知りませんでした。
うちの合成樹脂類の在庫、もう届出のラインを超えているかもしれません。

まずは品目ごとに数量を数え直すことをおすすめします。
最後に明日からの進め方を整理しましょう。

明日からなにをすればよいのか

クリップボードで在庫を数える人と消防署へ書類を渡す様子のイラスト
量を把握しないまま管理を続けるのはリスクになります。
実務での確認の順番を整理します。
消防法第46条 第9条の4の規定に基づく条例には、これに違反した者に対し、30万円以下の罰金に処する旨の規定を設けることができる
数量の把握が最初の一歩です。
まず倉庫や工場にある品目を洗い出し、危険物の規制に関する政令別表第4の品名と照らし合わせます。
該当したら実際の数量を基準数量で割り、何倍にあたるかを計算します。
基準数量以上ならすぐに標識掲示などの技術上の基準を、5倍または品目によっては基準数量以上で届出をあらかじめ消防長・消防署長に行います。
条例の細目は市町村ごとに異なるため、最終的な数字は所轄の消防署に確認するのが確実です。

今日から在庫を数えて、基準数量の倍率を確認してみます。
届出が要りそうなら早めに消防署へ相談します。

それがいちばん確実な進め方です。
疑問があればいつでもご相談ください。

よくある質問

Q指定可燃物と危険物はどう違うのか?
A危険物は消防法別表第一で指定数量が定められ、指定数量以上を貯蔵取扱うと許可が必要な危険物施設になります。指定可燃物はわら製品や紙くずなど燃え広がりやすく消火が困難な物品を対象に、市町村条例で貯蔵取扱いの基準を定めたもので、許可制ではなく届出制が中心という違いがあります。
Q綿花類と合成樹脂類はどちらも指定可燃物なのに何が違うのか?
A綿花類等は一集積単位200平方メートル以下に区分するのに対し、合成樹脂類は500平方メートル以下で区分し、さらに基準数量の100倍以上を屋内で貯蔵取扱う場合は壁及び天井を難燃材料で仕上げた室内で行うなど、合成樹脂類だけに上乗せの基準があります。
Q基準数量に満たない量なら何をしても構わないのか?
A条例の技術上の基準は別表第4の数量以上のものを対象にしているため、それに満たない量であれば条例上の基準そのものは適用されません。ただし数量は日々変動しうるものなので、余裕を持って整理保管しておくことが望まれます。
Q届出をしないとどうなるのか?
A消防法第46条により、指定可燃物の貯蔵取扱いに関する条例に違反した場合は30万円以下の罰金に処する規定を設けることができるとされています。実際の運用や罰則の有無は市町村条例によって異なります。

まとめ

指定可燃物は綿花類やぼろ及び紙くず合成樹脂類など身近な品目を対象にしている
品目と数量は危険物の規制に関する政令別表第4で定められている
基準数量に達した時点で指定可燃物として技術上の基準が適用される
技術上の基準は標識の掲示や整理清掃集積単位の面積区分などを求めている
届出が必要になる量は原則として基準数量の5倍以上
再生資源燃料可燃性固体類等合成樹脂類だけは基準数量以上から届出が必要になる
違反すると消防法第46条に基づき30万円以下の罰金が科される場合がある

品目と数量を確認するだけで、次にやることがはっきりしました。
まずは倉庫の棚卸しから始めてみます。

それが一番の近道です。
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参考・出典

  • 消防法第9条の4・第46条
  • 危険物の規制に関する政令第1条の12・別表第4
  • 火災予防条例(例)(総務省消防庁)第33条・第34条・第46条

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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