防炎表示付きのカーテンを納品してもらうと、それだけで安心してしまいがちです。
けれど防炎ラベルには、もう一つ別の任意マーク「安心マーク」が付くことがあります。
「防炎物品等に係る住宅防火安心マークの取扱いについて」という通知は、この安心マークの対象品目と手続きを定めています。
たどってみると安心マークは義務の防炎表示に追加される任意の目印であり、無くても防炎性能自体は否定されないと分かります。
うちの施設のカーテンには防炎ラベルのほかに小さな安心マークも付いています。
あれは防炎表示と何か違うんでしょうか。
安心マークは防炎表示とは別の任意のマークです。
まず、この制度がなぜ作られたのかから見ていきましょう。
安心マークが無いカーテンは防炎性能が無いということですか。
いいえ、そういう意味ではありません。
対象品目と表示の仕組みを順番に確認していきましょう。
- 安心マークは住宅用防災機器等推奨制度の一環として消費者向けに作られました
- 対象はカーテン・布製ブラインド、じゅうたん等、寝具類、衣服類の4品目です
- 安心マークが付くのは防炎表示者による防炎物品表示、または防炎製品認定を受けた防炎製品表示がすでにある製品に限られます
- 安心マークは義務の防炎表示に追加される任意の目印であり、無くても防炎性能自体は否定されません
- 安心マークの使用も取り消されることがあり、永久に有効というわけではありません
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目次
なぜ住宅防火安心マークが作られたのか

通知が示す制度の出発点を確認します。
消防庁は、防炎表示という義務の制度だけでは一般消費者に伝わりにくいと考え、推奨マークの認定を受けた製品に安心マークを付ける仕組みを財団法人日本防炎協会(現・公益財団法人日本防炎協会)に運用させることにしました。
安心マークは購入の目安として位置づけられており、住宅防火対策の推進と防炎物品・防炎製品の普及が目的です。
つまり安心マークは、防炎表示を置き換えるものではなく、消費者が選びやすくするための上乗せの目印です。
この位置づけを踏まえて、次に対象品目を確認します。
推奨マークと安心マーク、2つの言葉が出てきて紛らわしいです。
推奨マークは制度全体の認定、安心マークはそのうち防炎品に付く表示だと考えてください。
次は対象品目を見ていきましょう。
安心マークが付けられる対象は何か

寝具類・衣服類まで含めた4品目に条件が定められています。
通知の要綱は、カーテン等について「防炎表示者として消防庁長官の認定を受けた」業者の防炎物品であることを条件にしていますが、この認定の仕組みは平成12年の規則改正で登録制度に置き換わっています。
現在は消防法施行規則第4条の4に基づく登録表示者(製造業者・防炎処理業者・輸入販売業者・裁断・施工・縫製業者)による防炎物品表示が、この条件に当たります。
寝具類・衣服類は防炎物品ではなく防炎製品という別枠で、防炎製品認定委員会の製品番号を持つものに限られます。
つまり安心マークは、すでに防炎の裏付けがある製品の中から、消費者向けにさらに選びやすくしたものです。
通知には「認定を受けた業者」と書いてありますが、以前の記事では「登録」と言っていました。
言葉が変わっただけで仕組みは引き継がれています。
次は安心マークがどう表示されるかを見ていきましょう。
安心マークはどうやって表示されるのか

財団法人日本防炎協会(現・公益財団法人日本防炎協会)を経由した手続きを踏んで交付されます。
申請者は防炎協会に申請書を出し、防炎協会が内容を確認したうえで住宅用防災機器等推奨委員会に送付し、そこで使用が認められて初めて通知が届きます。
認められた製品には、既存の防炎ラベル・防炎製品ラベルに安心マークを付して印刷したラベルが交付され、包装や化粧箱にも別途印刷・添付できます。
つまり安心マーク単体で独立した審査があるわけではなく、既存の防炎ラベルに乗せる形で運用されています。
消費者が目にするのは、この「安心マーク付き防炎ラベル」という最終形だけです。
審査の中身までは分からなくても、ラベルさえ見れば分かるということですね。
そのとおりです。
ただし、そのマークにも取り消しがある点を次に確認しましょう。
安心マークが無い防炎品は防炎性能が無いということか

一方で、安心マークにも取り消しの仕組みがあります。
安心マークが付いていない製品でも、登録表示者による防炎表示(消防法施行規則第4条の4)さえあれば、防炎性能そのものは否定されません。
逆に、安心マークの使用も取り消されることがあり、取り消しは防炎協会を経由して関係者に通知される仕組みです。
通知には取消しの具体的な要件までは書かれていないため、マークが付いているから未来永劫安心とは言えません。
建物に使う防炎物品を選ぶときは、安心マークの有無だけでなく、まず防炎表示そのものの登録者番号を確認する姿勢が欠かせません。
安心マークは無くても防炎表示があれば大丈夫、ということですね。
基本はそのとおりです。
最後に、選ぶときの確認手順を整理しましょう。
購入や点検のときに何を確認すればよいか

まず義務の防炎表示、次に安心マークの有無という順で見ます。
購入や点検の場面では、まず防炎表示(登録者番号・確認機関名)が付いているかを確認し、その上で安心マークの有無を選ぶ材料にするという順番が妥当です。
安心マークが付いていなくても防炎表示があれば法令上の問題はありませんが、寝具類・衣服類のように防炎表示の制度が及ばない品目では、防炎製品認定委員会の製品番号や安心マークの有無が数少ない目安になります。
既存の在庫やカーテンに安心マークの有無を確認したいときは、公益財団法人日本防炎協会や所轄の消防機関に相談してかまいません。
防火管理者としては、新規に納品される寝具・カーテン類を選ぶ際の確認項目の一つとして、安心マークの有無も記録に残しておくとよいでしょう。
防炎表示だけでなく、安心マークも記録しておいたほうがいいですね。
そのとおりです。
ここまでの内容をよくある質問でも確認しておきましょう。
よくある質問
まとめ
安心マークは義務の防炎表示に上乗せされた任意の目印だと分かりました。
今度は納品されるカーテンや寝具の表示を確認してみます。
防炎表示と安心マーク、両方を見る癖をつければ十分です。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 「防炎物品等に係る住宅防火安心マークの取扱いについて」(平成3年12月27日 消防予第262号 消防庁予防課長)
- 「住宅防火安心マーク取り扱い要綱」(平成3年11月1日制定 財団法人日本防炎協会 防炎製品認定委員会)
- 消防法第8条の3
- 消防法施行規則第4条の4
- e-Gov 法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





