BLOG

住宅用の安心マークとは何なのか|対象品目と防炎表示との違いも解説

住宅用の安心マークは防炎表示の上乗せなのかを示すアイキャッチ画像

防炎表示付きのカーテンを納品してもらうと、それだけで安心してしまいがちです。
けれど防炎ラベルには、もう一つ別の任意マーク「安心マーク」が付くことがあります。
「防炎物品等に係る住宅防火安心マークの取扱いについて」という通知は、この安心マークの対象品目と手続きを定めています。
たどってみると安心マークは義務の防炎表示に追加される任意の目印であり、無くても防炎性能自体は否定されないと分かります。

うちの施設のカーテンには防炎ラベルのほかに小さな安心マークも付いています。
あれは防炎表示と何か違うんでしょうか。

安心マークは防炎表示とは別の任意のマークです。
まず、この制度がなぜ作られたのかから見ていきましょう。

安心マークが無いカーテンは防炎性能が無いということですか。

いいえ、そういう意味ではありません
対象品目と表示の仕組みを順番に確認していきましょう。

この記事の結論
  • 安心マークは住宅用防災機器等推奨制度の一環として消費者向けに作られました
  • 対象はカーテン・布製ブラインド、じゅうたん等、寝具類、衣服類の4品目です
  • 安心マークが付くのは防炎表示者による防炎物品表示、または防炎製品認定を受けた防炎製品表示がすでにある製品に限られます
  • 安心マークは義務の防炎表示に追加される任意の目印であり、無くても防炎性能自体は否定されません
  • 安心マークの使用も取り消されることがあり、永久に有効というわけではありません

安心マークは住宅用防災機器等推奨制度の一環で防炎表示に追加される任意の目印であり対象は4品目に限られ取り消しもあることを示した図解

なぜ住宅防火安心マークが作られたのか

防炎表示だけのラベルと安心マークが加わったラベルを並べて消費者に分かりやすくする制度の出発点を示したイメージ
安心マークは、消防庁が防炎表示だけでは分かりにくかった家庭向けの目印を補うために作られました。
通知が示す制度の出発点を確認します。
「防炎物品等に係る住宅防火安心マークの取扱いについて」(平成3年12月27日 消防予第262号 消防庁予防課長) 標記の件については、「住宅用防災機器等推奨制度の創設について」(平成3年9月30日付け消防予第200号)により住宅用防災機器等推奨制度の対象となるカーテン、布製ブラインド、じゅうたん等、寝具類及び衣服類の4品目について、住宅用防災機器等推奨委員会により推奨マークの使用認定を受けたものには、安心マークを付することとされているところである。これに伴い、財団法人日本防炎協会においては、別添の「住宅防火安心マーク取り扱い要綱」を制定し、(略)統一して防炎ラベル内に安心マークを表示することとした。
住宅用防災機器等推奨制度の一部として作られました。
消防庁は、防炎表示という義務の制度だけでは一般消費者に伝わりにくいと考え、推奨マークの認定を受けた製品に安心マークを付ける仕組みを財団法人日本防炎協会(現・公益財団法人日本防炎協会)に運用させることにしました。
安心マークは購入の目安として位置づけられており、住宅防火対策の推進と防炎物品・防炎製品の普及が目的です。
つまり安心マークは、防炎表示を置き換えるものではなく、消費者が選びやすくするための上乗せの目印です。
この位置づけを踏まえて、次に対象品目を確認します。

推奨マークと安心マーク、2つの言葉が出てきて紛らわしいです。

推奨マークは制度全体の認定、安心マークはそのうち防炎品に付く表示だと考えてください。
次は対象品目を見ていきましょう。

安心マークが付けられる対象は何か

カーテンとじゅうたんと寝具と衣服を並べて安心マークの対象となる4品目を示したイメージ
安心マークの対象は、カーテンやじゅうたんだけではありません。
寝具類・衣服類まで含めた4品目に条件が定められています。
住宅防火安心マーク取り扱い要綱 第2(対象品目) 安心マーク使用の対象となるものは、カーテン・布製ブラインド、じゅうたん等、寝具類及び衣服類の4品目とし、かつ、次に該当するものとする。(1)カーテン・布製ブラインド及びじゅうたん等については、防炎表示者として消防庁長官の認定を受けた製造業者、防炎処理業者、輸入販売業者及び裁断・施工・縫製業者が、防炎物品として防炎ラベル表示の対象としているもの(2)寝具類及び衣服類については、防炎製品としての防炎製品認定委員会の製品番号を取得しているもの及び防炎製品認定委員会が事業所番号を付与した単純縫製業を行なう者が防炎製品として防炎製品ラベル表示の対象としているもの 2 寝具類とは、ふとん、ベッドパット、枕、敷布、カバー類、毛布、ベッドスプレッド、タオルケット等をいう。3 衣服類とは、ねまき、ネグリジェ、パジャマ、ガウン、ゆかた、丹前、かっぽうぎ(エプロン)、ワーキングウェア等をいう。
対象はカーテン・布製ブラインド、じゅうたん等、寝具類、衣服類の4品目で、単に「防炎っぽい」だけでは足りません。
通知の要綱は、カーテン等について「防炎表示者として消防庁長官の認定を受けた」業者の防炎物品であることを条件にしていますが、この認定の仕組みは平成12年の規則改正で登録制度に置き換わっています
現在は消防法施行規則第4条の4に基づく登録表示者(製造業者・防炎処理業者・輸入販売業者・裁断・施工・縫製業者)による防炎物品表示が、この条件に当たります。
寝具類・衣服類は防炎物品ではなく防炎製品という別枠で、防炎製品認定委員会の製品番号を持つものに限られます。
つまり安心マークは、すでに防炎の裏付けがある製品の中から、消費者向けにさらに選びやすくしたものです。

通知には「認定を受けた業者」と書いてありますが、以前の記事では「登録」と言っていました。

言葉が変わっただけで仕組みは引き継がれています
次は安心マークがどう表示されるかを見ていきましょう。

安心マークはどうやって表示されるのか

申請書類が確認の印を経て安心マーク付きの防炎ラベルへ変わっていく流れを示したイメージ
安心マークは、申請者が自由に印刷できるものではありません。
財団法人日本防炎協会(現・公益財団法人日本防炎協会)を経由した手続きを踏んで交付されます。
住宅防火安心マーク取り扱い要綱 第3(申請の方法)「安心マーク」を使用しようとする者は、対象品目ごとに(略)申請書及び添付書類の提出を防炎協会を経由して行うものとする。第5(申請書等の送付)防炎協会は、確認が終了次第、申請書等を住宅用防災機器等推奨委員会に送付するものとする。第6(使用認定の通知)防炎協会は、推奨委員会が安心マークの使用を認めたときは、申請者に対し、その旨を通知するものとする。第7(表示)安心マークの使用を認められた防炎物品及び防炎製品には、別表に定める防炎物品ラベル及び防炎製品ラベルに安心マークを付して印刷したもの(安心マーク付き防炎ラベル)を表示するものとする。
手続きは防炎協会が窓口、推奨委員会が認定という二段構えです。
申請者は防炎協会に申請書を出し、防炎協会が内容を確認したうえで住宅用防災機器等推奨委員会に送付し、そこで使用が認められて初めて通知が届きます。
認められた製品には、既存の防炎ラベル・防炎製品ラベルに安心マークを付して印刷したラベルが交付され、包装や化粧箱にも別途印刷・添付できます。
つまり安心マーク単体で独立した審査があるわけではなく、既存の防炎ラベルに乗せる形で運用されています。
消費者が目にするのは、この「安心マーク付き防炎ラベル」という最終形だけです。

審査の中身までは分からなくても、ラベルさえ見れば分かるということですね。

そのとおりです
ただし、そのマークにも取り消しがある点を次に確認しましょう。

安心マークが無い防炎品は防炎性能が無いということか

安心マークの無い防炎ラベルと安心マーク付きの防炎ラベルを並べてどちらも防炎性能自体は変わらないことを示したイメージ
安心マークが付いていないからといって、防炎性能が無いわけではありません。
一方で、安心マークにも取り消しの仕組みがあります。
住宅防火安心マーク取り扱い要綱 第8(安心マーク使用状況の報告)防炎協会は、毎年度、防炎物品又は防炎製品に対する安心マークの使用状況(安心マーク付き防炎ラベルの交付枚数)を推奨委員会へ報告するものとする。第9(安心マーク使用の取り消し)推奨マーク使用要綱第10条に基づく、安心マーク使用の取り消しは、防炎協会を経由して関係者に通知するものとする。
消防法施行規則第4条の4第1項 法第八条の三第二項の規定により防炎物品に付する防炎性能を有するものである旨の表示(防炎表示)は、次の各号に定めるところにより付することができる。一 防炎表示を付する者は、消防庁長官の登録を受けた者であること。(略)
防炎表示は消防法施行規則に基づく義務の制度で、安心マークはその上に乗る任意の制度です
安心マークが付いていない製品でも、登録表示者による防炎表示(消防法施行規則第4条の4)さえあれば、防炎性能そのものは否定されません。
逆に、安心マークの使用も取り消されることがあり、取り消しは防炎協会を経由して関係者に通知される仕組みです。
通知には取消しの具体的な要件までは書かれていないため、マークが付いているから未来永劫安心とは言えません
建物に使う防炎物品を選ぶときは、安心マークの有無だけでなく、まず防炎表示そのものの登録者番号を確認する姿勢が欠かせません。

安心マークは無くても防炎表示があれば大丈夫、ということですね。

基本はそのとおりです
最後に、選ぶときの確認手順を整理しましょう。

購入や点検のときに何を確認すればよいか

虫眼鏡でラベルを確認する人とチェックリストを並べて購入や点検時の確認手順を示したイメージ
安心マークの位置づけが分かれば、確認すべき順番も見えてきます。
まず義務の防炎表示、次に安心マークの有無という順で見ます。
「防炎物品等に係る住宅防火安心マークの取扱いについて」 (略)統一して防炎ラベル内に安心マークを表示することとしたので、住宅用防災機器等の購入の目安とすることによって住宅防火対策の推進に活用し、防炎物品及び防炎製品の普及を今後とも積極的に図られるよう、貴管下市町村にこの旨徹底のうえ、よろしくご指導願いたい。
通知そのものが、安心マークを購入の目安として活用するよう求めています。
購入や点検の場面では、まず防炎表示(登録者番号・確認機関名)が付いているかを確認し、その上で安心マークの有無を選ぶ材料にするという順番が妥当です。
安心マークが付いていなくても防炎表示があれば法令上の問題はありませんが、寝具類・衣服類のように防炎表示の制度が及ばない品目では、防炎製品認定委員会の製品番号や安心マークの有無が数少ない目安になります。
既存の在庫やカーテンに安心マークの有無を確認したいときは、公益財団法人日本防炎協会や所轄の消防機関に相談してかまいません。
防火管理者としては、新規に納品される寝具・カーテン類を選ぶ際の確認項目の一つとして、安心マークの有無も記録に残しておくとよいでしょう。

防炎表示だけでなく、安心マークも記録しておいたほうがいいですね。

そのとおりです
ここまでの内容をよくある質問でも確認しておきましょう。

よくある質問

Q安心マークは消防法で義務付けられた表示ですか?
Aいいえ。安心マークは消防法上の義務ではなく、「住宅用防災機器等推奨制度の創設について」(平成3年消防予第200号)に基づく日本防炎協会の任意の制度です。義務の表示は防炎表示(消防法施行規則第4条の4)です。
Q安心マークが無いカーテンは避けたほうがよいですか?
A一概には言えません。安心マークが無くても防炎表示(登録者番号)が付いていれば、消防法上の防炎性能は満たされています。安心マークは、その中からさらに選びやすくするための任意の目印です。
Q寝具類や衣服類にも防炎表示は付きますか?
A寝具類・衣服類は防炎物品ではなく防炎製品という別枠で扱われ、防炎製品認定委員会の製品番号が目安になります。安心マーク取り扱い要綱でも、この2品目は防炎表示ではなく製品番号の取得を条件としています。
Q安心マークの使用が取り消された製品を見分ける方法はありますか?
A通知には取り消しは防炎協会を経由して関係者に通知されると定められていますが、個々の建物や消費者への周知方法までは明記されていません。気になる場合は、所轄の消防機関または公益財団法人日本防炎協会にご確認ください。

まとめ

安心マークは住宅用防災機器等推奨制度の一環として作られた任意のマークです
対象はカーテン・布製ブラインド、じゅうたん等、寝具類、衣服類の4品目です
カーテン等は防炎表示者による防炎物品表示、寝具類・衣服類は防炎製品認定委員会の製品番号が前提条件です
通知が示す「認定」の仕組みは平成12年の規則改正で登録制度に置き換わっています
安心マークの交付は防炎協会が窓口、住宅用防災機器等推奨委員会が認定する二段構えです
安心マークが無くても登録表示者による防炎表示があれば防炎性能自体は否定されません
安心マークの使用も取り消されることがあり、確認先は消防機関や日本防炎協会です

安心マークは義務の防炎表示に上乗せされた任意の目印だと分かりました。
今度は納品されるカーテンや寝具の表示を確認してみます。

防炎表示と安心マーク、両方を見る癖をつければ十分です
㈱防災屋でもご相談を承っています。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

参考・出典

  • 「防炎物品等に係る住宅防火安心マークの取扱いについて」(平成3年12月27日 消防予第262号 消防庁予防課長)
  • 「住宅防火安心マーク取り扱い要綱」(平成3年11月1日制定 財団法人日本防炎協会 防炎製品認定委員会)
  • 消防法第8条の3
  • 消防法施行規則第4条の4
  • e-Gov 法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
住宅用の安心マークは防炎表示の上乗せなのかを示すアイキャッチ画像
防炎表示付きのカーテンを納品してもらうと、それだけで安心してしまいがちです。 けれど防炎ラベルには、もう一つ別の任意マーク「安心マーク」が付くことがあります。 「防炎物品等に係る住宅防火安心マークの取扱いについて」という...