BLOG

防炎表示は誰が保証しているのか|登録表示者と確認機関の仕組みも解説

その防炎ラベルは誰が守っているのかを示すアイキャッチ画像

防炎表示が付いたカーテンを納品されると、それだけで安心してしまいがちです。
けれど消防法は、その表示を付ける行為そのものを消防庁長官の登録を受けた者に限っています。
「防炎表示制度の運用について」という通知は、令和にかけて改正を重ねながらこの登録の仕組みを定めています。
たどってみると登録番号の見方と登録が取り消される仕組みを知っておくことが実務の防御線になると分かります。

うちのホテルでもカーテン屋さんが防炎表示付きの製品だと言っていました。
あの表示は誰でも付けられるものなんでしょうか。

表示を付けられるのは消防庁長官の登録を受けた登録表示者だけです。
この登録の仕組みから見ていきましょう。

登録さえ受けていれば、その表示はずっと有効なんですか。

いいえ、登録は取り消されることがあります
取消しの仕組みまで含めて確認していきましょう。

この記事の結論
  • 防炎表示を付けられるのは消防庁長官の登録を受けた登録表示者に限られます
  • 平成12年の規則改正で、それまでの認定制度から登録制度に切り替わりました
  • 登録表示者は製造・防炎処理・裁断縫製・輸入販売など業種ごとに区分されます
  • 表示には登録確認機関の名称または登録表示者自身が確認した旨のいずれかが記載されます
  • 登録は基準不適合や不正、表示の不適正があれば取り消され、取消しは公示されます

防炎表示は登録表示者が業種で区分され表示には確認機関名か自ら確認した旨が書かれ登録取消は官報で公示されることを示した図解

防炎表示はなぜ登録制度に変わったのか

古い認定のスタンプ書類と新しい登録証を並べて防炎表示制度が認定から登録に変わったことを示したイメージ
かつて防炎表示を付けられる業者は、消防庁告示が定める基準で「認定」される仕組みでした。
平成12年の規則改正で、この認定制度は登録制度に置き換わりました。
「防炎表示制度の運用について」(平成13年2月6日 消防予第42号 消防庁予防課長) 消防法施行規則の一部を改正する省令(平成12年自治省令第51号)が平成12年11月20日に公布され、防炎物品に付する防炎性能を有するものである旨の表示を消防庁長官の登録を受けた者が付することができることとされました。これに伴い、「防炎表示を付する者の認定の基準(昭和48年消防庁告示第9号)」に代えて「防炎表示を付する者の登録の基準(略)を定める件(平成12年消防庁告示第9号)」が定められ、「防炎表示制度の運用について(昭和54年3月31日付け消防予第57号。以下「旧通知」という。)」は廃止することとしました。(略)
「消防機関を経由した認定」から「消防庁長官への直接登録」に変わりました
以前は消防機関や都道府県を窓口にして業者を認定していましたが、平成12年の規則改正で消防庁長官が直接登録する仕組みに一本化されました。
この改正は、行政手続きの透明化・簡素化という当時の規制改革の流れに沿ったものです。
古い「認定」の仕組みを前提にした説明は、今では通用しません。
防炎表示を見たら、それが現行の登録制度に基づくものだという前提で確認してください。

前はどこで誰が認定していたんですか。

消防機関を通じた認定が中心でしたが、今は違います。
「登録表示者」という言葉を覚えておいてください。

登録表示者とはどのような業者を指すのか

工場と配送トラックとカーテン地のロールを並べて登録表示者となる製造や防炎処理などの業者を示したイメージ
登録表示者は、防炎物品にどう関わるかによって業種ごとに区分されています。
番号を見れば、その業者がどの業種で登録されているかが分かります。
「防炎表示者登録要綱」 登録表示者の登録者番号は、業種番号(A……製造業者、B……製造業者又は防炎処理業者、C・D……防炎処理業者、E……裁断・施工・縫製業者、F……輸入販売業者)、地区番号(各都道府県ごとに定める番号)及び業者番号を組み合わせて、「A-①-1」のように表記するものとする。
登録番号は業種と地区と通し番号を組み合わせた記号です。
アルファベット1文字の業種番号は、その業者が製造・防炎処理・裁断縫製・輸入販売のどの立場で登録されているかを示します。
続く丸数字は都道府県ごとの地区番号で、最後の数字が業者ごとの通し番号です。
下げ札に印刷された登録者番号を見れば、その表示が特定の登録業者に結び付いていることが確認できます。
番号の意味が分かっていれば、下げ札を見たときに「本当に登録された業者か」を意識できるようになります。

下げ札の記号がアルファベットと数字の組み合わせになっているのを見たことがあります。

それが登録者番号です。
次は表示そのものに何が書かれているかを見ていきましょう。

防炎表示には何が書かれているのか

下げ札の文字を確認する人と虫眼鏡を並べて防炎表示に記載される名称の確認を示したイメージ
防炎表示の中身は、登録確認機関を使うかどうかで書かれる名前が変わります。
条文を見ると、その分岐がはっきり定められています。
消防法施行規則第4条の5 登録表示者は、防炎対象物品又はその材料が防炎性能を有することについて、消防庁長官の登録を受けた法人(以下「登録確認機関」という。)による確認を受けた場合は、当該確認に係る防炎物品に付する防炎表示に当該登録確認機関の名称を記載するものとし、登録確認機関の確認を受けていない場合は、防炎物品に付する防炎表示に自らの名称及び防炎性能を有することについて自ら確認した旨を記載するものとする。
表示に書かれる名前は、登録確認機関か登録表示者自身のどちらかです。
登録確認機関という第三者機関の確認を受けていれば、その機関名が表示に載ります。
確認を受けていなければ、登録表示者自身が「自ら確認した」と明記して名乗ります。
どちらの形式でも法律上は有効ですが、第三者機関の名前があるかどうかで確認の重みが変わります。
表示を見るときは、書かれている名前が登録表示者本人か登録確認機関かをまず区別してください。

表示に書いてある名前が、業者の名前なのか別の機関の名前なのか分かりにくいです。

登録確認機関の確認を受けているかどうかで書き方が変わるからです。
次は登録が取り消される場合を見ていきましょう。

登録が取り消されるとどうなるのか

有効な登録証と赤い禁止マークが付いた無効な下げ札を並べて登録取消しにより表示が使えなくなることを示したイメージ
登録は一度受ければ終わりではなく、取り消されることがあります。
取消しの理由と手続きは規則と通達の両方に定められています。
消防法施行規則第4条の4第6項 消防庁長官は、登録表示者が次の各号の一に該当すると認めるときは、当該登録を取り消すことができる。一 第四項の登録の基準に適合しなくなつたとき。二 不正な手段により登録を受けたとき。三 防炎表示を適正に行なつていないとき。
「防炎表示者登録要綱」第5 登録の取消し 1 消防庁長官は、消防長、登録確認機関その他の者から、登録表示者についての情報を得たときは、当該情報について、事実関係の調査を行うものとする。2 消防庁長官は、1の調査の結果、登録表示者が規則第4条の4第6項第1号又は第3号に該当していることが明らかとなった場合、当該登録表示者に対し適切な改善計画の提出を求めるものとする。3 消防庁長官は、登録表示者が次のいずれかに該当する場合には、当該登録表示者の登録を取り消すものとする。(略)4 消防庁長官は、登録の取消しを行ったときは、その旨を官報に公示するとともに(略)、通知するものとする。
登録の取消しは、事実確認と改善の機会を経てから行われます。
消防庁長官は基準不適合・不正な手段・表示の不適正のいずれかを認めると登録を取り消すことができます。
取消しの前には調査と改善計画の提出を求める手続きが入るため、いきなり打ち切られるわけではありません。
取消しが決まると官報での公示という形で知らされますが、個々の建物へ個別に知らせが届くわけではありません。
つまり、建物側が古い表示のまま気づかずに使い続けるリスクは、この制度の外側に残っています。

取消しがあっても、こちらには知らせが来ないんですね。

そのとおりです。官報の公示だけなので、こちらから確認しにいく必要があります。
最後に、確認の仕方を整理しましょう。

防炎表示を確認するときは何を見ればよいのか

下げ札を虫眼鏡で確認する人と電話で消防機関に相談する人を並べて防炎表示の確認手順を示したイメージ
登録番号と確認機関名の意味が分かれば、確認すべき項目は絞られます。
分からないときの相談先も、通知にはっきり書かれています。
「防炎表示制度の運用について」 なお、従来、防炎表示を付する者の認定申請・届出については、消防機関及び都道府県を経由して行うこととされていたことから、今後も消防機関又は都道府県に対して、住民から相談等がなされた場合には、住民サービスの維持等の観点から、消防機関等における相談の受付、申請・届出の取りまとめのうえ国へ送付すること等は特に問題ありませんので、ご配慮のほどよろしくお願い申し上げます。
確認先は登録表示者本人だけではなく消防機関も含まれます。
下げ札を見るときは、まず登録者番号(業種番号・地区番号・業者番号)が記載されているかを確認します。
次に、書かれている名前が登録表示者本人登録確認機関かを区別します。
気になる表示や、古い認定基準時代の書式が残っている場合は、通知が明記するとおり消防機関や都道府県に相談してかまいません。
仕入れのたびに下げ札を写真で残しておくと、あとで登録の有効性を確認する際の手がかりになります。

消防署に相談してもいいなら気軽に聞けますね。

住民サービスとして相談を受け付けることが通知にも書かれています。
気になったら遠慮せずに確認してください。

よくある質問

Q防炎表示に登録確認機関の名前がなくても問題ないですか?
A問題ありません。登録確認機関の確認を受けていない場合は、登録表示者自身が「自ら確認した」旨を記載する形が消防法施行規則第4条の5で認められています。どちらの形式でも防炎表示として有効です。
Q登録番号が読み取れない古い下げ札はどうすればよいですか?
A登録が取り消された場合、消防庁長官は官報での公示という形で明らかにするものとされており、個々の建物への個別通知は定められていません。番号が確認できない古い表示は、購入時の記録や施工業者への確認と合わせて、所轄の消防機関にご相談ください。
Q認定制度の時代に取り付けたカーテンは今も使えますか?
A通知は平成12年の規則改正時点の切り替えを定めたものであり、それ以前に認定・表示された物品の扱いまでは明記していません。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。
Q登録表示者になるにはどうすればよいですか?
A登録を受けようとする者は、消防庁長官が定める登録の基準に適合する旨を証する書類を添えて申請する必要があります(消防法施行規則第4条の4第2項)。㈱防災屋では登録申請そのものの代行は行っておりませんが、防炎物品の選定や表示の確認についてはご相談いただけます。

まとめ

防炎表示を付けられるのは消防庁長官の登録を受けた登録表示者に限られます
平成12年の規則改正で認定制度から登録制度へ切り替わりました
登録表示者は製造・防炎処理・裁断縫製・輸入販売などの業種で区分されます
登録者番号は業種番号・地区番号・業者番号の組み合わせで表記されます
表示には登録確認機関の名称または登録表示者自身が確認した旨が記載されます
登録は基準不適合・不正・表示の不適正があれば取り消され、公示のみで個別通知はされません
疑問があれば消防機関や都道府県に相談してよいことになっています

防炎表示は登録された業者だけが付けられるもので、取消しは公示だけと分かりました。
今度は下げ札の番号を確認してみます。

登録番号と確認機関名、この2点を見る癖をつければ十分です
㈱防災屋でもご相談を承っています。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

参考・出典

  • 「防炎表示制度の運用について」(平成13年2月6日 消防予第42号 消防庁予防課長、最終改正 令和3年9月 消防予第459号)
  • 消防法第8条の3
  • 消防法施行令第4条の3
  • 消防法施行規則第4条の4・第4条の5
  • e-Gov 法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
その防炎ラベルは誰が守っているのかを示すアイキャッチ画像
防炎表示が付いたカーテンを納品されると、それだけで安心してしまいがちです。 けれど消防法は、その表示を付ける行為そのものを消防庁長官の登録を受けた者に限っています。 「防炎表示制度の運用について」という通知は、令和にかけ...