防火管理者になったものの、消防計画って何をどう書けばいいのかさっぱりで…
安心してください。書くべき項目は法令で決まっています。まずは全体像から押さえましょう。
- 消防計画を作るのは防火管理者。ただし管理権原者の指示を受けて作成する
- 作成したら所轄の消防長または消防署長へ届け出る。変更するときも届出が必要
- 記載事項は消防法施行規則第3条で定められている(甲種は11項目)
- 防火管理業務を外部委託している場合は、受託者と業務範囲も記載する
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目次
消防計画とは何か
消防計画とは、その建物で「火災を防ぐために誰が何をするか」を具体的に定めた計画書です。防火管理者が行う業務の出発点であり、消防訓練も消防用設備等の点検も、すべてこの計画に基づいて実施します。
逆に言えば、消防計画がなければ防火管理は始まりません。防火管理者を選任しただけで消防計画が作られていない——これは実務で非常によく見る状態ですが、法令上は業務が果たされていないことになります。
誰が作って、どこに出すのか
ここは混同しやすいところです。選任届を出すのは管理権原者ですが、消防計画を作成・届出するのは防火管理者です。
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作成する人 | 防火管理者(管理権原者の指示を受けて作成する) |
| 提出先 | 所轄の消防長または消防署長(消防本部を置かない市町村は市町村長) |
| 様式 | 消防計画作成(変更)届出書(施行規則 別記様式第一号の二) |
| 変更したとき | 変更の届出も必要 |
| 根拠 | 消防法施行令第3条の2、消防法施行規則第3条 |
テナントの入替え、担当者の交代、レイアウト変更——実態が変わったら計画も更新し、変更届を出す必要があります。
消防計画に定める事項【甲種】
甲種防火対象物の消防計画に定める事項は、消防法施行規則第3条第1項第1号で次のように定められています。
- 自衛消防の組織——誰が消火係、誰が通報係かといった役割分担
- 火災予防上の自主検査——日常的に自分たちで確認する項目と頻度
- 消防用設備等・特殊消防用設備等の点検及び整備
- 避難通路・避難口・安全区画・防煙区画その他避難施設の維持管理及びその案内
- 防火壁・内装その他防火上の構造の維持管理
- 定員の遵守その他収容人員の適正化
- 防火管理上必要な教育——従業員への教育の実施方法
- 消火、通報及び避難の訓練その他防火管理上必要な訓練の定期的な実施
- 火災・地震その他の災害発生時の消火活動、通報連絡及び避難誘導
- 防火管理についての消防機関との連絡
- 工事中の防火対象物における火気の使用・取扱いの監督等
なお乙種防火対象物の場合は、施行規則第3条第1項第2号により項目が簡略化されています(消火器等の点検整備、避難経路の維持管理、火気の監督、工事中の危険物等の管理+自衛消防の組織・教育・訓練・災害時対応・消防機関との連絡)。
追加で定めが必要になるケース
| ケース | 追加で定める事項 | 根拠 |
|---|---|---|
| 防火管理業務の一部を外部委託している | 受託者の氏名・住所(法人は名称・主たる事務所の所在地)、受託業務の範囲及び方法 | 規則第3条第2項 |
| 管理権原が分かれている建物 | 当該権原の範囲 | 規則第3条第3項 |
| 地震防災対策の推進地域等にある一定の施設 | 地震防災に関する追加項目(指定日から6か月以内に定める) | 規則第3条第4項〜第9項 |
作成から届出までの流れ
用途・延べ面積・階数・収容人員・消防用設備等の設置状況・避難経路を確認します。実態と合わない計画は意味がありません。図面や設備の点検結果を手元に揃えるところから始めます。
消防計画は防火管理者が作りますが、管理権原者の指示を受けて作成するのが条文の建付けです(施行令第3条の2第1項)。誰がどこまでの権限を持つのか、役割分担を確認しておきます。
多くの消防本部が用途別のひな形(記入例)を公開しています。ひな形をそのまま出すのではなく、自衛消防組織の担当者名・訓練の実施時期・自主検査の項目など、自分の建物の実態に合わせて具体化します。 ここが形骸化しやすい最大のポイントです。
所轄の消防長または消防署長へ届け出ます(施行規則第3条第1項、別記様式第一号の二)。提出部数や添付書類の運用は消防本部ごとに異なるため、事前に確認するとスムーズです。
訓練の実施、自主検査、設備点検——計画に書いたことを実行し、防火管理維持台帳に記録します。立入検査ではこの記録が確認されます。
よくある不備
- そもそも作成・届出していない——防火管理者は選任されているが計画がない
- ひな形のまま——担当者名も訓練時期も空欄、または前任者の名前のまま
- 実態と乖離している——テナントが入れ替わった、レイアウトが変わったのに更新していない
- 外部委託を記載していない——受託者と業務範囲の記載漏れ
- 訓練の記録がない——計画には書いてあるが実施していない
これらは立入検査で指摘される典型例です。指摘に従わない状態が続くと、消防長・消防署長から措置命令が出され、命令に違反すると罰則の対象になります(詳しくは 選任しないと罰則は?拘禁刑・罰金と「命令」の仕組み)。
よくある質問
まとめ
- 作るのは防火管理者、指示するのは管理権原者
- 届出先は所轄の消防長または消防署長、変更時も届出
- 記載事項は施行規則第3条(甲種は11項目)
- 外部委託しているなら受託者と業務範囲も記載
- ひな形のままにせず、自分の建物の実態に合わせて具体化する
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第8条/消防法施行令(昭和36年政令第37号)第3条の2/消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条 e-Gov法令検索
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※本記事は2026年7月時点の法令に基づいています。様式・提出部数・添付書類などの運用は所轄消防本部によって異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署または㈱防災屋までご確認ください。





