新しく店舗や事務所を開くとき消防用設備の設置届のことは思い浮かんでも
建物そのものの使用を始める前に必要な届出は見落とされがちです
使用開始の何日前までに誰が届け出る決まりになっているのでしょうか
使用を始めようとする本人が使用開始の7日前までに消防長(消防署長)へ届け出る決まりになっています。
今度、うちのビルに新しいテナントが入ることになったんです。
建物自体はもう使用開始届を出しているので、今回は関係ないですよね。
実はそうとも限らないんです。
使用する用途が変わるときも、あらためて届出が必要になる場合があります。
え、そうなんですか。
てっきり新築のときだけの手続きだと思っていました。
対象になる建物や届出のタイミングを、順番に見ていきましょう。
- 令別表第1に掲げるほとんどの防火対象物が対象で、使用開始の日の7日前までに消防長(消防署長)へ届け出る決まりです
- 届出をするのは実際にその用途で使用しようとする本人で、工事業者ではありません
- 新築のときだけでなく用途変更や模様替えによる使用開始も対象になります
- 令別表第1の(19)項・(20)項に掲げる一部の防火対象物は、この届出の対象から除かれています
- 罰則の有無は市町村の条例ごとに異なり、ひな形となる条例には罰則の定めがありません
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目次
防火対象物の使用開始届とは何を指すのか

それが防火対象物の使用開始届です
建物を新しく使い始めても、消防署はその事実を自動的には把握できません。
そこで使用を始めようとする本人に、開始前の届出を義務づけています。
消防用設備等の設置届が「設備」についての届出であるのに対し、
こちらは建物の使用そのものについての届出という違いがあります。
うちは消防用設備の設置届のほうは出したので、それで終わりだと思っていました。
設置届と使用開始届は別ものなんです。
次はどんな建物が対象になるか見てみましょう。
どんな建物のどんな使用開始が届出の対象になるのか

一部の防火対象物は対象から除かれているので、条文で確認します
店舗、事務所、共同住宅、工場など、用途を問わず幅広い建物が届出の対象です。
除かれているのは(19)項の市町村長が指定する山林と(20)項の舟車だけで、いずれも例外的な区分です。
また対象になるのは新築の建物だけではありません。
既存の建物で用途変更や模様替えをして新しい用途に使い始める場合も、同じ届出が必要です。
うちのビルは築年数が古いんですが、それでも関係あるんですか。
建物の古さは関係ありません。
新しく「その用途で使い始める」ことが基準になります。
届出は誰がいつまでに提出するのか

条文の言葉どおりに確認しておきます
条文の届出義務者は「使用しようとする者」であり、実際にその用途で使う本人や事業者を指します。
期限は使用開始の7日前までで、開業日や入居日から逆算して準備する必要があります。
提出先は建物の所在地を管轄する消防署の予防課です。
テナントとして入居する場合も、ビルの所有者任せにせず自分で提出の要否を確認したほうが安全です。
テナントとして入るだけなので、届出はビルのオーナーの仕事だと思っていました。
条文上は使用する本人が届出義務者です。
入居が決まったら早めに確認しましょう。
実務で見落としやすいのはどこか

実務でつまずきやすい点を確認します
総務省消防庁が示す火災予防条例(例)の罰則規定は第30条・第31条・第33条・第34条・第42条の3の違反が対象で、使用開始届の第43条は含まれていません。
ただし実際に施行する市町村がこのひな形どおりに定めているとは限らず、独自に罰則を追加している条例も見られます。
「罰則が無いから出さなくてもよい」とは考えず、所轄消防署に確認するのが確実です。
もう一つの落とし穴は、テナントの入れ替えのように見た目の工事を伴わない用途変更でも届出が必要になる点です。
罰則が無いなら、忙しいときは後回しにしてもいいかなと思っていました。
市町村によっては罰則を独自に定めていることもあります。
後回しにせず早めに出しておくのが安心です。
明日からなにをすればよいのか

実務での進め方を整理します
使用開始の7日前を締切として、届出書の準備を始めます。
届出書の様式や添付書類は市(町・村)長が定めることになっているため、所轄消防署の予防課に事前に確認します。
消防用設備等の工事を伴う場合は、使用開始届とあわせて工事等計画届出の要否も確認しておくと二度手間になりません。
用途変更や模様替えで使い始める場合も、同じ手順で早めに相談するのが確実です。
まずは所轄の消防署に電話して、必要な書類を確認してみます。
それが一番の近道です。
次はよくある質問で細かい点を確認しましょう。
よくある質問
まとめ
設置届のことしか意識していなかったので、まず使用開始届を確認してみます。
それが一番の近道です。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法施行令別表第1
- 火災予防条例(例)(総務省消防庁)第43条・第48条・第49条
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





