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中央管理方式の空気調和設備は定期検査でどこを確認するのか|中央管理室の監視から空気ろ過器の点検口まで5つのチェックポイントを解説

中央管理方式の空気調和設備を点検する検査員のイメージ

高さ31mを超える建築物(非常用エレベーターの設置が義務付けられる規模の建築物)や、各構えの床面積の合計が1,000m²を超える地下街では、中央管理方式の空気調和設備が使われていることがあります。
この設備は、中央管理室での監視状況から機器の劣化、運転音、空気ろ過器の点検口まで、建築設備定期検査で細かく確認されます。
検査事項は、平成20年国土交通省告示第285号の別記第一号(換気設備の検査結果表)にもとづいて定められています。
本記事では、中央管理方式の空気調和設備に関する5つの検査事項を、検査方法と判定基準とあわせて解説します。

うちのビルは高さが31mを超えているんですが、空調にも定期検査があるんですか。

はい、中央管理方式の空気調和設備を使っている建物では、機械換気設備の検査項目にあわせて空調機器も確認されます。
順番に見ていきましょう。

空調の検査なんて、正直イメージが湧きません。

中央管理室での監視から空気ろ過器の点検口まで、5つのポイントがありますので、ひとつずつ解説しますね。

この記事の結論
  • 高さ31mを超える建築物や、床面積の合計が1,000m²を超える地下街では、中央管理方式の空気調和設備が使われていることがあります。
  • 中央管理室では、制御及び作動の状況を確認できることが判定基準です
  • 空気調和設備の設置状況は、取付けの堅固さと著しい腐食・損傷の有無で判定されます。
  • 運転時に異常な音、異常な振動又は異常な発熱があれば是正が必要と判定されます
  • 空気ろ過器は容易に取り替えられる構造であること、点検用の十分な空間が確保されていることを確認します。

中央管理方式の空気調和設備の定期検査5つの確認ポイントを示すインフォグラフィック

中央管理室ではなにを監視できればよいのか

中央管理室の監視盤で空気調和設備の作動状況を確認する検査員
高さ31mを超える建築物や、床面積の合計が1,000m²を超える地下街に設ける機械換気設備・中央管理方式の空気調和設備は、中央管理室での監視が義務付けられています。
まずはこの中央管理室そのものの役割から確認しましょう。
中央管理方式の空気調和設備/機械換気設備の性能 検査事項(10) 中央管理室における制御及び作動状態の監視の状況について、どのような場合に是正が必要と判定されるか。
判定基準 中央管理室において制御又は作動の状況を確認できないこと。(検査方法:中央管理室において制御及び作動の状況を確認する。)
中央管理室の監視盤で運転状況を確認できることが判定基準です。
中央管理室とは、建築物や同一敷地内の別の建築物にある管理事務所・守衛所など、常時管理者が勤務する場所で避難階又はその直上階若しくは直下階に設けられたものを指します。
監視盤では、換気設備や空気調和設備の運転・停止の操作や、運転表示窓・電流計等による作動状況、異常表示ランプの点灯を確認できることが求められます。
この検査事項は、施行規則第6条第1項にもとづき1年から3年までの間隔で、特定行政庁が定める時期に検査されます。
監視盤の表示が読み取れない、操作ができないといった状態は、それだけで是正の対象になります。

中央管理室というのは、うちのビルにもあるものなんでしょうか。

延べ床面積が1,000m²を超える地下街や、高さ31mを超える建築物では設置が必要です。
管理事務所や守衛所がそれにあたることが多いです。

空気調和設備の設置状況はどう判定するのか

空気調和機器の架台やアンカーボルトを点検する検査員
中央管理室での監視状況を確認したら、次は空気調和設備そのものの設置状況を見ていきます。
熱源機器やボイラー、冷却塔、ポンプなど、主要機器の外観が対象です。
中央管理方式の空気調和設備/空気調和設備の主要機器及び配管の外観 検査事項(11) 空気調和設備の設置の状況について、どのような場合に是正が必要と判定されるか。
判定基準 取付けが堅固でないこと又は著しい腐食、損傷等があること。(検査方法:目視又は触診により確認する。)
空気調和機器は堅固に取り付けられていることが判定基準です。
熱源機器・ボイラー・冷却塔・ポンプ・全熱交換器等を含む空気調和機器について、基礎部分のコンクリートに大きな亀裂や浮き上がりがないかを確認します。
架台やアンカーボルトについても、変形や著しい腐食、ナットの緩みがないかを目視・触診で確かめます。
屋外に設置された機器は、本体の著しい腐食の有無も判定基準に含まれます。
基礎の亀裂やボルトの緩みは振動や経年劣化で進行するため、前回検査からの変化を意識して見ることが大切です。

空調の機械って、屋上とか機械室の奥にあって普段は見ないですよね。

そうですね、だからこそ検査で基礎の亀裂やアンカーボルトの緩みを確認することが重要になります。

配管や機器の劣化はどこまでなら是正が必要か

空気調和設備の配管の腐食や防振継手を確認する検査員
設置状況を確認したら、続いて空気調和設備や配管そのものの劣化・損傷を見ていきます。
検査事項(12)は、機器と配管の両方が対象です。
中央管理方式の空気調和設備/空気調和設備の主要機器及び配管の外観 検査事項(12) 空気調和設備及び配管の劣化及び損傷の状況について、どのような場合に是正が必要と判定されるか。
判定基準 空気調和機器又は配管に変形、破損又は著しい腐食があること。(検査方法:目視により確認する。)
機器と配管の両方に変形・破損・著しい腐食がないことが判定基準です。
熱源機器やボイラー、冷却塔、ポンプ、全熱交換器等の空気調和機器に変形や破損がないかを確認します。
配管についても同様に、変形・破損・著しい腐食の有無を目視で確認します。
あわせて、空気調和機器と配管との接続部にある防振継手に変形等がないかも確認事項です。
配管は有害なたわみが生じない間隔で支持されていることも、あわせて確認しておきたいポイントです。

配管の腐食なんて、外から見ただけで分かるものなんですか。

はい、目視で変形や著しい腐食の有無を確認します。
防振継手の変形も見落としやすいので注意が必要です。

運転時の異常な音や振動はどう見分けるのか

運転中の空気調和設備の音や振動を点検する検査員
空気調和設備は、止まっている状態だけでなく、実際に運転している状態も検査対象です。
検査事項(13)では、運転時の音・振動・発熱を確認します。
中央管理方式の空気調和設備/空気調和設備の主要機器及び配管の外観 検査事項(13) 空気調和設備の運転の状況について、どのような場合に是正が必要と判定されるか。
判定基準 運転時に異常な音、異常な振動又は異常な発熱があること。(検査方法:目視又は触診により確認する。)
運転中の異常な音・振動・発熱の有無が判定基準です。
送風機の軸受やベルトの緩み、送風機の防振ゴム本体の劣化がないかを確認します。
定格運転中の電圧・電流値が仕様書等に規定される値であることもあわせて確認します。
異常な発熱は、機器の内部で摩耗や過負荷が進んでいるサインであることもあります。
ふだん聞き慣れた運転音との違いに気づけるよう、日常点検の記録を残しておくと検査の助けになります。

異常な音や振動って、素人には判断が難しそうです。

そうですね、ベルトの緩みや軸受の状態は専門家が目視・触診で確認しますので、気になる音があれば早めに相談してください。

空気ろ過器の点検口はなぜ検査対象になるのか

空気ろ過器の点検口のスペースを確認する検査員
最後に確認するのは、空気調和設備の空気浄化装置に設けるフィルター等の点検口です。
検査事項(14)は、昭和45年建設省告示第1832号にもとづいて判定されます。
中央管理方式の空気調和設備/空気調和設備の主要機器及び配管の外観 検査事項(14) 空気ろ過器の点検口について、どのような場合に是正が必要と判定されるか。
判定基準 昭和45年建設省告示第1832号第四号の規定に適合しないこと又は点検用の十分な空間が確保されていないこと。(検査方法:目視により確認する。)
フィルター等が容易に取り替えられる構造であることが判定基準です。
空気調和設備の空気浄化装置に設ける濾過材やフィルターその他これらに類するものは、容易に取り替えられる構造とすることが定められています。
あわせて、点検や清掃のための十分な空間(スペース)が確保されていることも確認します。
フィルター前後には、一般に60〜90cm程度のスペースが必要とされています。
清掃や巻取りの頻度は、フィルター前後の差圧が適正値を超えないタイミングで行うことが望ましいとされています。

フィルターの交換なんて、業者さん任せで大丈夫ですよね。

はい、ただし点検スペースが家具や荷物でふさがれていないかは、日頃の管理も大切です。

よくある質問

Q中央管理方式の空気調和設備とは、どのような建物で使われますか?
A高さ31mを超える建築物や、床面積の合計が1,000m²を超える地下街などで、機械換気設備や空気調和設備の制御・作動状況を中央管理室で監視できるようにしたものです。
Q中央管理室での監視が確認できないとどうなりますか?
A検査事項(10)にもとづき、是正が必要と判定されます。監視盤の表示灯や運転表示窓が正しく機能しているかがポイントです。
Q空気調和機器の「著しい腐食」はどう判断されますか?
A基準書が定める腐食状況の判定基準にもとづいて判断され、屋外設置の機器は特に本体の腐食が確認対象になります。
Q空気ろ過器の点検口には、どれくらいのスペースが必要ですか?
A一般に、フィルターの前後に60cm以上90cm以下程度のスペースが必要とされています。

まとめ

高さ31mを超える建築物や、床面積の合計が1,000m²を超える地下街には、中央管理方式の空気調和設備が使われていることがあります。
この空調設備も建築基準法第12条第3項にもとづく建築設備定期検査の対象です。
検査項目は平成20年国土交通省告示第285号別記第一号の検査結果表にもとづきます。
中央管理室では、制御及び作動の状況を確認できることが判定基準です
空気調和設備の設置状況や配管の劣化・損傷は、堅固な取付けと著しい腐食・破損の有無で判定します。
運転時に異常な音、異常な振動又は異常な発熱があれば是正が必要と判定されます
空気ろ過器は容易に取り替えられる構造であること、点検用の十分な空間が確保されていることを確認します。

中央管理方式の空気調和設備がどこを見られているのか、これでよく分かりました!
点検口まわりのスペース、確認しておきます。

それは安心です。
お困りの際は㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第12条第3項(e-Gov法令検索)
  • 建築基準法第28条第2項・第3項、第34条第2項(e-Gov法令検索)
  • 建築基準法施行令第20条の2(e-Gov法令検索)
  • 建築基準法施行規則第6条第1項(e-Gov法令検索)
  • 昭和45年建設省告示第1832号第四号
  • 平成20年国土交通省告示第285号 別記第一号(換気設備の検査結果表)

※本記事は公表されている法令および国土交通省の告示に基づく一般的な解説です。検査の方法や判定の運用は特定行政庁や建物の状況によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁または専門業者にご確認ください。

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