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防火対象物点検は外部委託できる?優良認定(過去3年以内の命令歴)の判定基準を解説

防火対象物点検は自社で行わなければならないのか、外部の会社に委託してもよいのか。また、優良認定(防火基準点検済証)を受けるには「過去3年以内に命令を受けていないこと」が条件になりますが、この期間はどう数えればよいのか。実務でよく迷うポイントを解説します。

この記事の結論
  • 防火対象物点検は点検を業とする外部会社に委託することが可能
  • 複数の点検資格者で点検した場合、代表者のみの氏名記載でも差し支えない
  • チェーン店の店長・支配人は原則として「申請者」にはなれない
  • 優良認定の「過去3年以内」は命令事項が履行された日から申請日までで判定する

防火対象物点検の外部委託・優良認定の基準

点検の外部委託・複数資格者による点検

点検の外部委託・複数資格者による点検のアイコン

防火対象物点検は、必ずしも自社の社員だけで行う必要はありません。

ケース 取り扱い
点検を業とする外部の会社に委託する 可能。外部会社と契約し、防火対象物点検資格者に点検を行わせてよい
自社の社員に資格を取得させて点検させる 可能
複数の点検資格者で点検を行った場合の報告書記載 点検を行った者全員の氏名記載が原則だが、代表者の氏名のみの記載でも差し支えない
点検資格者が点検を行う事項に、消防用設備等の機能に係る事項は含まれません。消防用設備等の機能については、消防法第17条の3の3の規定に基づき別途定期に点検し、消防長または消防署長に報告する必要があります。

チェーン店の店長・支配人は「申請者」になれるか

チェーン店の店長・支配人は「申請者」になれるかのアイコン

複数店舗を展開するチェーン店において、人事異動で定期的に交代する店長や支配人が、防火対象物点検報告制度上の「申請者」として位置づけられるかどうかは、実務上よく論点になります。

  • 本来の管理権原者(本社である法人等)から、財産の管理処分権、従業員の指揮監督権等を委任されている場合以外は、申請者として位置づけられない
  • 単に店舗運営を任されているだけの店長・支配人は、原則として申請者になれない
  • 本社が管理権原者として申請するのが基本的な整理となる

優良認定「過去3年以内に命令がないこと」の判定基準

優良認定「過去3年以内に命令がないこと」の判定基準のアイコン

防火対象物点検報告の優良認定(防火基準点検済証の表示)を受けるための要件の一つに、「過去3年以内において命令がされたことがないこと」があります。この「3年」の起算点が実務上の重要なポイントです。

論点 取り扱い
3年の起算点 命令が「された日」ではなく、命令事項が履行された日から申請日までの期間で判定する
命令事項が履行された日の例 消防機関が標識の撤去等を認知した日など
制度施行日(平成15年10月1日)より前の期間 申請日から遡って3年以内の期間として算入される
「命令をされるべき事由が現にあること」は、立入検査等で消防法令違反を認知し警告を行ったにもかかわらず履行期限内に是正されず命令発動に至る状態にある場合や、検査時に即時命令が必要な違反事実を認知した場合などが該当します。

点検外部委託・優良認定を活用する際の実務上のポイント

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防火対象物点検の外部委託や優良認定制度は、防火管理体制を効率化・見える化するための有効な仕組みですが、活用にあたっては次のような点を事前に整理しておくと手続きがスムーズになります。

  • 点検業務を外部委託する場合でも、防火対象物の管理権原者としての最終的な責任は委託元に残ることを理解しておく
  • チェーン店等で店長・支配人が申請者となる場合は、実際に権限が委譲されているかを社内規程・委任関係で明確にしておく
  • 優良認定を目指す場合は、過去3年以内の命令歴の有無を、対象となる期間の起算点も含めて早めに自社で確認しておく

よくある質問

よくある質問のアイコン

Q. 防火対象物点検は必ず自社の社員が行わないといけませんか?
いいえ。点検を業とする外部会社と契約して、防火対象物点検資格者に点検を実施させることができます。自社の社員に資格を取得させて点検を行わせることも可能です。
Q. チェーン店の店長は防火対象物点検報告の申請者になれますか?
原則としてなれません。本来の管理権原者(本社等)から、財産の管理処分権や従業員の指揮監督権等を委任されている場合以外は、申請者として位置づけられません。
Q. 過去に命令を受けたことがある場合、いつまで優良認定を受けられませんか?
命令を受けた日からではなく、命令事項が履行された日から3年が経過していなければ、優良認定の要件を満たしません。命令事項が履行された日については、消防機関が是正を確認した日等が該当します。
Q. 点検を外部委託しても、防火管理者の責任はなくなりますか?
なくなりません。点検業務を外部の専門業者や複数資格者に委託しても、防火対象物の管理権原者としての最終的な責任は変わらず委託元に残ります。委託はあくまで業務の実施を委ねるものです。

まとめ

  • 防火対象物点検は外部会社への委託が可能
  • 複数資格者で点検した場合は代表者のみの記載でも差し支えない
  • チェーン店の店長・支配人は原則として申請者になれない
  • 優良認定の「過去3年以内」は命令事項が履行された日から起算する

参考・出典

  • 消防法第8条の2の2・第8条の2の3 e-Gov法令検索
  • 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)防火対象物定期点検報告制度に関する執務資料を参考に、独自に解説を作成

※本記事は2026年7月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の判定は所轄消防署にご確認ください。

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