危険物取扱者免状は、危険物取扱者試験に合格すれば交付されます。
しかし免状を持っているだけでは、法律が求める手続きはまだ終わっていません。
製造所等で実際に危険物の取扱作業に従事すると、一定の期限内に保安講習を受ける義務が発生します。
本記事では、危険物取扱者が講習を受けなければならない要件と期限の数え方を条文に沿って整理します。
免状さえ持っていれば、それで十分だと思っていました。
実際に取扱作業に従事すると、講習を受ける義務が生まれます。
いつまでに受ければいいのか、期限がよく分かりません。
起算点は従事を始めた日です。
順番に見ていきましょう。
- 消防法第13条の23は、製造所等で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者に、都道府県知事等が行う保安講習を受ける義務を課しています
- 講習の対象になるのは免状を持つ人全員ではなく、実際に取扱作業に従事している危険物取扱者に限られます
- 施行規則第58条の14第1項は、取扱作業に従事することとなった日から1年以内に講習を受けなければならないと定めています
- 従事する日の前2年以内に免状の交付や講習を受けていれば、その日以後最初の4月1日から3年以内に受ければ足ります
- 一度受けた後は、受けた日以後最初の4月1日から3年以内に次の講習を受け続ける必要があります
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目次
危険物取扱者免状があれば講習は不要なのか

免状の交付を受けた時点では、講習を受ける義務はまだ発生しません。
たとえば免状を取得しても、実際には危険物を取り扱う業務に就いていない人には、この時点で講習の義務は生じません。
一方で、製造所・貯蔵所・取扱所で現に取扱作業に従事する危険物取扱者は、都道府県知事等が行う講習を受けなければなりません。
免状の有効期限そのものは定められていませんが、講習には別の期限があります。
その期限がどう決まるのかを、次に見ていきます。
免状を持っている人は、全員講習の対象になるのでしょうか。
いいえ、実際に取扱作業に従事している人だけです。
どんな危険物取扱者が講習の対象になるのか

条文の文言を確認します。
甲種・乙種・丙種のどの免状であっても、条文上の扱いは同じです。
逆に、免状を持っていても取扱作業に従事していない人には、この条文は適用されません。
異動や配置転換で新たに取扱作業に就いたときは、その時点から期限のカウントが始まります。
自分がいつから「従事することとなった」のかを、まず本人と会社の双方で確認しておく必要があります。
異動で新しく担当になった人も、この規定に当てはまるのですか。
はい。
従事を始めた日から新たに期限が動き出します。
講習はいつまでに受ければよいのか

まず原則側の条文を確認します。
ただし従事する日の前2年以内に免状の交付を受けていた場合や、講習を受けていた場合は特例があります。
この場合は、免状交付日または受講日以後の最初の4月1日から3年以内に受ければ足ります。
免状を取得してすぐに現場配属されたようなケースでは、この特例に当てはまることが多くなります。
自分の従事開始日と、直近の免状交付日・受講日を照らし合わせて、どちらの期限が適用されるかを確認します。
免状を取ったばかりの人は、期限がゆるくなるのですか。
直近2年以内の交付なら、4月1日起算の3年以内でよくなります。
実務で見落としやすいのはどこか

ここを一回きりの手続きだと誤解しやすい部分です。
一度目の受講日以後の最初の4月1日から3年以内に二度目を受け、その後も同じ数え方が続きます。
「前回いつ受けたか」を個人任せにしていると、期限を数か月単位で見落とすことがあります。
また、正当な理由なく講習を受けないまま取扱作業を続けることは、この法律の規定に違反している状態になります。
危険物取扱者がこの法律の規定に違反していると認められた場合、免状を交付した都道府県知事が返納を命ずることができるとされています(消防法第13条の2第5項)。
一度講習を受ければ、それでもう安心だと思っていました。
受けるたびに次の期限が動く仕組みなので、継続の管理が必要です。
明日からなにを確認すればよいのか

確認する項目を整理します。 まず確認するのは、危険物取扱者ごとの従事開始日と直近の受講日です。
従事開始日が分かれば、原則の1年以内か、特例の4月1日起算3年以内のどちらが適用されるかを判定できます。
一度講習を受けた人については、受講日を記録し、次の期限(受講日以後最初の4月1日から3年以内)をカレンダーで管理しておきます。
異動や新規配属で取扱作業に就く人が出たときは、その都度この期限計算を行う体制にしておくと安心です。
従事開始日と受講日を、一覧にして管理しておきます。
一覧にしておけば、期限切れの見落としを防げます。
よくある質問
まとめ
従事開始日と受講日を一覧にして、期限を確認します!
受講期限の管理体制づくりまで含めて、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第13条の23
- 消防法第13条の2第5項
- 危険物の規制に関する規則第58条の14第1項
- 危険物の規制に関する規則第58条の14第2項
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





