BLOG

移送取扱所の配管はなぜ道路の下では基準が変わるのか|防護工と深さを条文から解説

移送取扱所の配管を道路の下に埋めるときの防護工と深さの基準を解説する記事のアイキャッチ画像

移送取扱所の配管は、地下に埋設する経路の途中で道路の下を通ることがあります。
危険物の規制に関する規則は、道路の下ならではの防護工と深さの基準を地下埋設の基準に上乗せしています。
条文は、市街地かどうかや舗装の有無によって求める措置を細かく使い分けています。
この記事では、道路の下に配管を埋めるときの防護と深さの基準を条文から整理します。

道路の下に配管を通すときも、境界からの水平距離さえ守れば十分だと思っていました。

実は道路の下では、防護工や深さの基準まで別に定められているんです。

防護工や深さは、どうやって使い分けるのでしょうか。

市街地かどうかや舗装の有無で条文が分かれています。
今日は道路の下に配管を埋めるときの基準を条文から解説します。

この記事の結論
  • 配管は原則として自動車荷重の影響の少ない場所に埋設しなければなりません
  • 市街地の道路下では告示で定める防護工の設置が原則です
  • 市街地の路面下は防護工の有無で1.8メートルと1.5メートルに深さが分かれます
  • 舗装された車道は路盤の最下部から0.5メートル以上の深さが必要です
  • 電線や水管ガス管等が埋設された道路では、その上部に配管を埋設できません

道路の下に配管を埋めるときの基準を自動車荷重を避ける防護工深さ他の埋設物の確認の4ステップで示す図解

道路の下に配管を埋めるときまず何を避けるのか

道路の下に埋設された配管とその上を走る自動車を示す断面図
移送取扱所の配管を道路の下に埋設する場合、地下埋設の基準に道路特有の基準が上乗せされます。
その最初の一号が求めているのは、距離の数値ではなく配置の考え方です。
危険物の規制に関する規則第28条の13第一号(道路下埋設) 配管は、原則として自動車荷重の影響の少ない場所に埋設すること。
まず配置そのもので荷重を避けます。
規則第28条の13第一号は、配管を自動車荷重の影響の少ない場所に埋設することを原則として求めています。
自動車荷重は道路の中央や車道の直下ほど大きくかかるため、路肩や歩道寄りなど荷重の影響が小さい位置を選ぶことがまず問われます。
数値による基準ではないぶん、どの位置を選んだのかという設計上の判断そのものが記録として残ります。
次の見出しでは、市街地の道路下で追加される防護工の基準を確認します。

荷重を避けるといっても、具体的な距離の数値は無いのですか。

ここは配置の考え方だけを求める号です。
次は市街地で追加される防護工を見てみましょう。

市街地の道路下ではなぜ配管に防護工が必要になるのか

市街地の道路下で配管の上に設置された防護工を示す断面図
市街地の道路下は、水道やガスの工事など掘り返す機会が多い場所です。
条文はこの環境に合わせて、配管そのものを守る設備を求めています。
危険物の規制に関する規則第28条の13第四号(道路下埋設) 市街地の道路下に埋設する場合は、当該道路に係る工事によつて配管が損傷を受けることのないよう告示で定める防護工を設けること。ただし、配管を告示で定める防護構造物の中に設置する場合は、この限りでない。
市街地では防護工の設置が原則です。
規則第28条の13第四号は、市街地の道路下に埋設する配管について、道路工事による損傷を防ぐため告示で定める防護工を設けることを求めています。
ただし書きでは、配管を告示で定める防護構造物の中に設置する場合はこの限りでないとされ、防護工と防護構造物のどちらかを備える構造になっています。
市街地以外にはこの号自体が適用されないため、まず自社の配管が市街地の道路下にあるかどうかの確認が出発点になります。
次の見出しでは、その防護の有無によって変わる深さの基準を確認します。

防護工と防護構造物は、両方とも備えないといけないのですか。

いいえ、どちらか一方で足ります。
次はその防護の有無が深さにどう関わるかを見てみましょう。

道路の下に埋める配管の深さはどこまで浅くしてよいのか

防護工がある配管と無い配管の路面からの深さの違いを示す断面図
深さの基準は、市街地かどうかと防護の有無で二段階に分かれます。
まず市街地の路面下から確認します。
危険物の規制に関する規則第28条の13第五号(道路下埋設) 市街地の道路の路面下に埋設する場合は、配管(告示で定める防護構造物の中に設置するものを除く。)の外面と路面との距離は、一・八メートル以下と、告示で定める防護工又は防護構造物により防護された配管の当該防護工又は防護構造物の外面と路面との距離は、一・五メートル以下としないこと。 危険物の規制に関する規則第28条の13第六号(道路下埋設) 市街地以外の道路の路面下に埋設する場合は、配管の外面と路面との距離は、一・五メートル以下としないこと。
防護があるほど浅く埋められます。
第五号は、市街地の路面下では配管の外面と路面の距離を1.8メートル以上、防護工または防護構造物で守られた配管であれば1.5メートル以上と定めています。
第六号は、市街地以外の路面下であれば防護の有無を問わず一律に1.5メートル以上としており、市街地の防護なし配管より浅い基準になります。
つまり同じ1.5メートルという数字でも、市街地では防護があってはじめて認められる深さであり、市街地以外では防護が無くても認められる深さという違いがあります。
次の見出しでは、舗装された車道と路面下以外という別の区分での深さを確認します。

1.5メートルという同じ数字でも、意味が違うということですね。

そのとおりです、市街地か否かで前提が変わります。
次は測り方そのものが変わる区分を見てみましょう。

舗装された車道と路面下以外ではなぜ深さの測り方が変わるのか

舗装された車道の路盤と路面下以外の地表を比較した断面図
ここまでの深さは路面からの距離でしたが、条文はさらに測る基準点が違う二つの号を置いています。
基準点を取り違えると、同じ深さのつもりでも実際には浅くなってしまいます。
危険物の規制に関する規則第28条の13第七号(道路下埋設) 舗装されている車道に埋設する場合は、当該舗装部分の路盤(しや断層がある場合は、当該しや断層。以下同じ。)の下に埋設し、配管の外面と路盤の最下部との距離は、〇・五メートル以下としないこと。 危険物の規制に関する規則第28条の13第八号(道路下埋設) 路面下以外の道路下に埋設する場合は、配管の外面と地表面との距離は、一・二メートル(告示で定める防護工又は防護構造物により防護された配管にあつては、〇・六メートル(市街地の道路下に埋設する場合は、〇・九メートル))以下としないこと。
基準点は路面ではなく路盤や地表面です。
第七号は、舗装された車道では配管を路盤の最下部の下に埋設したうえで、その最下部との距離を0.5メートル以上とすることを求めています。
第八号は、路面下以外の道路下では地表面との距離を1.2メートル以上とし、防護があれば0.6メートル、市街地であれば0.9メートルまで浅くできると定めています。
第五号・第六号が「路面」から測るのに対し、第七号は「路盤の最下部」、第八号は「地表面」から測る点が異なり、どの基準点から測ったかを図面で示せることが重要です
次の見出しでは、道路下に配管を埋める前に確認すべき最後の号を見ていきます。

路盤や地表面と路面を、同じもののように考えていました。

号ごとに基準点が違うので注意が必要です。
最後に実務での確認の手順を整理しましょう。

道路下に配管を埋める前に何を確認すればよいのか

作業員が道路下の電線や水管の埋設図面を確認している様子
ここまでの号は配管そのものの位置と深さでしたが、最後の号は道路の中にある別の埋設物との関係を定めています。
掘る前に必ず確認しておくべき内容です。
危険物の規制に関する規則第28条の13第九号(道路下埋設) 電線、水管、下水道管、ガス管その他これらに類するもの(各戸に引き込むためのもの及びこれが取り付けられるものに限る。)が埋設されている道路又は埋設する計画のある道路に埋設する場合は、これらの上部に埋設しないこと。
他の埋設物の上には配管を置けません。
規則第28条の13第九号は、電線・水管・下水道管・ガス管等が埋設されている道路、または埋設する計画のある道路では、それらの上部に配管を埋設してはならないと定めています。
「埋設する計画のある道路」まで対象に含まれるため、現況の図面だけでなく、道路管理者や各事業者が持つ埋設計画の情報まで確認する必要があります。
実務ではまず、自社の配管がどの号に該当する条件下にあるか(自動車荷重を避けた配置、市街地か否か、舗装の有無、他の埋設物の位置)を洗い出したうえで、道路管理者への照会記録を残しておくことをおすすめします。

まずは道路管理者に他の埋設物の有無を照会してみます。

それが分かれば、あとは号ごとに突き合わせられます。

よくある質問

Q道路の下に配管を埋めるときも水平距離さえ守れば十分ですか?
Aいいえ。規則第28条の13第一号は、配管を自動車荷重の影響の少ない場所に埋設することも求めています。
Q市街地の道路下ではどんな防護工が必要ですか?
A同条第四号により、道路工事で配管が損傷しないよう告示で定める防護工を設けるのが原則です。配管を告示で定める防護構造物の中に設置する場合は不要です。
Q市街地の路面下に配管を埋める深さはどれくらいですか?
A同条第五号により、路面との距離は1.8メートル以上が原則です。防護工または防護構造物で守られていれば1.5メートルまで浅くできます。
Q電線や水道管が埋まっている道路には配管を埋設できますか?
A同条第九号により、電線・水管・下水道管・ガス管等が埋設され、または埋設する計画のある道路では、それらの上部に配管を埋設できません。

まとめ

道路の下に配管を埋める場合は、自動車荷重の影響の少ない場所を選びます
市街地の道路下では告示で定める防護工の設置が原則です
配管を告示で定める防護構造物の中に設置すれば、防護工の設置は省略できます
市街地の路面下は1.8メートル、防護があれば1.5メートルを下回ってはなりません
舗装された車道は路盤の最下部から0.5メートル以上の深さを確保します
路面下以外は1.2メートル、防護があれば0.6メートル(市街地は0.9メートル)が基準です
まずは他の埋設物の有無を道路管理者に確認してください

道路の下は基準点まで号ごとに違うとよく分かりました。

まずは埋設図面の保管場所から確かめてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)第28条の13

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
移送取扱所の配管を道路の下に埋めるときの防護工と深さの基準を解説する記事のアイキャッチ画像
移送取扱所の配管は、地下に埋設する経路の途中で道路の下を通ることがあります。 危険物の規制に関する規則は、道路の下ならではの防護工と深さの基準を地下埋設の基準に上乗せしています。 条文は、市街地かどうかや舗装の有無によっ...