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建築設備の要是正はどう対応すればよいのか|緊急時の助言から改善済報告書の提出まで解説

女性検査員が男性の建物所有者に電気設備の異常を助言する検査風景

建築設備の定期検査で「要是正」の指摘を受けると、所有者や管理者は何をどこに相談すればよいのか戸惑いがちです。
著しく危険な設備が見つかった場合の緊急対応、換気量不足のような具体的な不具合への対処、改修の相談先や依頼先、そして改善が終わったあとの改善済報告書の提出先まで、検査後の実務は一本の流れでつながっています。
そこで本記事では、東京都の実務マニュアルが示すQ&Aと建築基準法の条文を突き合わせながら、指摘を受けてから次回の検査までにやるべきことを整理します。
指摘の重さに応じた対応の順番を知っておくことが、事故と報告漏れの両方を防ぐ近道です

先日の建築設備の検査で「要是正」の指摘をもらったんですが、まず何をすればいいのか分かりません。
危ないものだったらどうしようと不安です。

指摘の重さによって動き方が変わるんです。
著しく危険なものはその場で助言がありますし、そうでなければ改修の相談先を順番に押さえていけば大丈夫ですよ。

改修が終わったら、報告書もまた出さないといけないんですよね。
次の検査のタイミングにも関係してくるのか気になります。

はい、改善済報告書の提出先や次回報告への影響も含めて、5つのポイントで整理していきますね。

この記事の結論
  • 著しく危険な建築設備を発見した場合、検査員から所有者等及び使用者に必要な措置を講じるよう助言がある
  • 厨房のガス給湯器増設等で換気量不足が疑われるときは改善が終わるまで窓開けや燃焼器具の同時使用中止などの応急対応が必要になる
  • 改修方法は検査員に相談し、改修業者は管理会社や施工業者、心当たりがなければ検査員に紹介を依頼できる
  • 改善済報告書は定期検査報告書と同じくセンターを経由して特定行政庁に提出し、改善の確認検査後1箇月以内が原則
  • 改善済報告書を提出しても次回の定期検査報告の期限は変わらない

要是正の指摘を受けたら次の検査までにやることをまとめた図解

定期検査で著しく危険な建築設備を見つけたらその場でどうするか

女性検査員が異常発熱した制御盤を指し所有者に助言するイラスト
検査中に配管の著しい腐食や制御盤の異常発熱など、放置すれば重大な事故につながりかねない状態に出くわすことがあります。
指摘を検査結果表に書くだけでは、その場のリスクに対応したことにはなりません。
問1 定期検査において著しく危険な建築設備を発見した場合は、どのようにしたらよいか。
答1 検査員から所有者等及び使用者に対し、必要な措置を講じるよう助言する
検査結果表への記載を待たず、その場での助言が優先されます
著しく危険な状態は検査当日のうちに所有者等へ伝え、応急の措置を促すことが検査員の役割です。
定期検査報告書は特定行政庁への事後報告の書類であり、報告を待っていては危険な状態が続いてしまいます。
所有者等は助言を受けたら、使用制限や応急補修など、指摘の内容に応じた対応をその日のうちに検討しましょう。

点検中に危ないものが見つかったら、その場ですぐ教えてもらえるんですね。
安心して任せられそうです。

はい、検査結果表を待たずその場で助言しますので、応急の対応をすぐ検討してください。
使用制限が必要なケースもあるので遠慮なく聞いてくださいね。

厨房のガス給湯器増設で換気量不足が疑われたらどう対応するか

厨房のガス給湯器と換気扇と開いた窓のイラスト
厨房に湯沸器やガスコンロを増設すると、もともとの換気設備の能力を超えてしまうことがあります。
換気量の不足は見た目では気づきにくく、検査で初めて発覚するケースが少なくありません。
問2 厨房にガス給湯器を増設したため換気量が不足している場合は、どのようにしたらよいか。
答2 換気量が不足すると不完全燃焼が起こり廃ガス中の一酸化炭素濃度が急激に上昇し、酸欠事故等の起こるおそれがあるので、必要な措置を講じるよう改善の助言をする。改善が完了するまでの間は、火気使用時は窓を開ける又は燃焼器具の同時使用をしないよう、使用中止などの助言をする。
換気量不足は一酸化炭素中毒につながりかねない緊急性の高い指摘です
増設した給湯器やコンロの燃焼量が既存の換気設備の設計値を超えていないか、まず確認します。
改善工事が終わるまでの応急策として、窓の開放や燃焼器具の同時使用の中止を利用者に徹底してもらいましょう。
厨房機器を増やす計画があるときは、着工前に換気量の再計算を検査員や設備業者に依頼しておくと二度手間になりません。

去年、厨房にガス湯沸器を増やしたので少し心配になりました。
換気量の計算までは考えていませんでした。

増設のタイミングで換気量を再計算しておくと安心です。
気になるようでしたら次回の検査で重点的に見てもらいましょう。

改修方法や改修業者はどこに相談すればよいか

女性検査員が電話をかけながら書類を指し示すイラスト
要是正の指摘を受けても、何を直せばよいのか、誰に頼めばよいのかが分からず止まってしまうことがあります。
相談先を知っているかどうかで、改修までのスピードは大きく変わります。
問3 定期検査の結果、要是正の指摘が出た場合、所有者等は改修方法等を誰に相談すればよいのか。
答3 改修方法については検査員のアドバイスを受け、改修業者については管理会社又は施工業者等に相談する。管理会社又は施工業者に知り合いがいない場合は、検査員に設備工事業者の紹介を相談する。要是正に対する正しい知識と技術を必要とするため、当該建築設備を専門とする設備工事業者に依頼することが望まれる。
改修方法の相談先と改修業者の相談先は分けて考えます
指摘の技術的な意味や優先度は、実際に検査した検査員本人に確認するのが最も確実です。
工事を頼む相手は管理会社や施工業者が基本ですが、心当たりがない場合は検査員に専門業者の紹介を相談できます。
畑違いの業者に依頼すると要是正の内容を正しく理解してもらえないことがあるため、当該設備を専門とする業者を選びましょう。

改修業者は自分で探さないといけないと思っていました。
検査員さんに紹介してもらえるなら助かります。

心当たりがなければ遠慮なく検査員に相談してください。
専門外の業者に頼むと改修がやり直しになることもあります。

改善済報告書はいつどこに提出するのか

窓口カウンターで改善済報告書に印を押す様子のイラスト
指摘された設備を直したら、それで手続きが終わるわけではありません。
改善したことを示す報告書を、決められた期限内に提出する必要があります。
問4 建築設備改善済報告書はどこへ提出するのか。
答4 定期検査報告書と同様、センターを経由して特定行政庁に提出する。改善済報告書の提出は原則として、改善の確認検査後1箇月以内に行う。また、基準となる報告書の提出から1年を経過している場合、既に当年の報告書が提出されている場合の前年の改善済報告書は、受付できない。
改善済報告書には提出できる期限があります
改善したことを確認する検査を受けたら、1箇月以内に改善済報告書を提出するのが原則です。
先送りにしていると、基準となる報告書の提出から1年を過ぎたり、翌年分の報告書がすでに出ていたりして受け付けてもらえなくなります。
改善工事の完了を確認できたら、期限を意識して早めに手続きを進めましょう。

直したらそれで終わりだと思っていました。
報告書にも期限があるんですね。

改善確認検査のあと1箇月以内が目安です。
のんびりしていると受け付けてもらえなくなるので早めに動きましょう。

改善済報告書を提出したら次回の定期検査報告はいつになるのか

二つのカレンダーを一年後の矢印で結んだイラスト
改善済報告書を出すと、定期検査の周期そのものがリセットされると考える所有者もいます。
しかし次回報告の期限は、別の起算点で決まっています。
問5 建築設備改善済報告書を提出した場合、次回の定期検査報告はいつになるのか。
答5 建築設備の定期検査報告は1年ごとに提出するよう規定されている。従って、建築設備改善済報告書の提出に関係なく、前回の報告書を提出した翌日から起算し1年を経過する日までに次回の報告をする。
改善済報告書を出しても、次回報告の期限は動きません
東京都建築基準法施行細則第13条第2項は、前回の定期検査報告書を基準に次回の期限を数えると定めています。
改善済報告書はあくまで指摘への対応を示す書類であり、定期検査そのものの周期を作り直すものではありません。
二つの期限を混同しないよう、報告書を提出したらそれぞれの次回期日をカレンダーに分けて控えておくと安心です。

改善済報告書を出したら、次の検査も先延ばしになると思っていました。
うっかり期限を過ぎるところでした。

改善済報告書と定期検査報告は別のカウントなんです。
両方の期限を分けて管理しておきましょう。

よくある質問

Q改修方法の相談は誰に持ちかければよいか?
A実際に検査を行った検査員が改修方法についてアドバイスをしてくれる。改修業者の紹介が必要な場合も、まずは検査員に相談するとよい。
Q改善済報告書は定期検査報告書とは別の窓口に提出するのか?
A定期検査報告書と同じくセンターを経由して特定行政庁に提出する仕組みで、窓口自体は変わらない。
Q改善済報告書の提出が遅れるとどうなるのか?
A基準となる報告書の提出から1年を経過すると受け付けてもらえなくなり、当年分の報告書がすでに提出されている場合は前年分の改善済報告書も同様に扱われる。
Q著しく危険ではない要是正でも急いで対応すべきか?
A著しく危険でなくても現行基準に適合していない状態であることに変わりはなく、検査員のアドバイスを踏まえてできるだけ早く改修を進めることが望ましい。

まとめ

著しく危険な建築設備を発見した場合、検査員がその場で所有者等・使用者に必要な措置を助言する
厨房のガス給湯器増設による換気量不足は一酸化炭素中毒のおそれがある緊急性の高い指摘で応急策が必要になる
改修方法は検査員に、改修業者は管理会社や施工業者、または検査員の紹介に相談する
改修は当該建築設備を専門とする設備工事業者への依頼が望ましい
改善済報告書は定期検査報告書と同じくセンターを経由して特定行政庁に提出する
改善済報告書の提出は改善確認検査後1箇月以内が原則で、期限を過ぎると受け付けられない
改善済報告書を提出しても次回の定期検査報告の期限は前回報告書の提出日を基準に数える

指摘を受けたあとの流れが、今日でだいぶ整理できました。
まずは検査員への相談から始めます!

指摘を受けてから次の検査までの流れを押さえておけば、対応の遅れを防げます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第12条第3項(e-Gov法令検索)
  • 東京都建築基準法施行細則第13条第2項
  • 東京都建築設備定期検査報告実務マニュアル2025「建築設備定期検査報告制度に関するQ&A」

※本記事は公表されている法令および所管行政庁の資料に基づく一般的な解説です。細則の内容や運用は特定行政庁ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁または建築設備定期検査の検査員にご確認ください。

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