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BCPで視覚障害者を火災時にどう避難誘導するのか|声かけと移動支援の手順を解説

視覚障害者が施設職員の肘につかまり火災時の避難訓練を行う様子

火災警報が鳴ったとき、視覚障害のある従業員や来訪者へ、誰がどの経路を案内するか決めていますか。
誘導灯や掲示が見えにくい人へ「非常口はあちらです」と伝えるだけでは、安全な避難につながりません
突然腕や白杖を引くと、かえって転倒や不安を招くおそれがあります。
本人へ支援方法を確認し具体的な言葉と安全な誘導姿勢で避難を支えましょう
その手順を消防計画とBCPの担当者と代行者へつなげます。

火災なら、すぐ腕をつかんで連れ出せばええんですか?

まず名乗り、必要な支援方法を本人へ確認します。

避難口は「あちら」と言えば伝わりますか?

火元、進行方向、段差を具体的な言葉で伝えましょう。

この記事の結論
  • 誘導前に名乗り本人へ支援方法を確認します
  • 腕や白杖を引かず支援者の肘や肩につかまってもらいます
  • 支援者は横半歩前を本人の速さに合わせて歩きます
  • 右左や段差を具体的な言葉で説明します
  • 担当者と代行者を決め実際の経路で訓練します

視覚障害者が支援者の肘につかまり安全な避難口へ移動する一場面のアイソメ図

視覚障害者を火災時にどう避難誘導するのか

施設職員が視覚障害者へ名乗って避難支援の希望を確認するアイソメ図
いきなり身体へ触れたり、腕や白杖を引いたりせず、まず本人へ声をかけます。
支援者は自分の名前と役割を伝え、避難が必要であること、火元の方向、安全な経路を短く説明してください。
総務省消防庁のガイドラインは、視覚から情報を得にくい人へ、災害の種類、避難の必要性、避難経路や避難方法を音声と人的対応で具体的に伝える考え方を示しています。
支援の始まりは本人への確認です
「避難のお手伝いは必要ですか」「どちら側へ立てばよいですか」と聞きます。
支援が必要な場合は、本人に支援者の肘や肩につかまってもらい、支援者が横半歩前を歩きます。
後ろから押す、手首をつかむ、白杖や盲導犬のハーネスを引くといった誘導はしません。
火災時も本人の意向を確かめ、安全を急ぎながら丁寧に伝えることが基本です。

急いでいても、黙って引っ張ったらあかんのですね。

名乗ってから、本人が選ぶ支援方法で誘導します。

どの利用者と避難環境を対象に確認するのか

施設管理者が視覚障害者と避難経路図や段差を確認するアイソメ図
対象は全盲の人だけではありません。
弱視、視野が狭い、暗い場所で見えにくいなど、必要な支援は人と環境で異なります。
政府広報は、点字ブロックや誘導設備が災害で損壊する場合に備え、複数の避難経路を事前に確認し、被災時は周囲の人による誘導も準備する考え方を示しています。
人と時間帯と経路を一組で確認します
従業員は本人の希望を平常時に確認し、来訪者が多い施設では受付から自衛消防隊へ支援情報を渡す手順を決めます。
館内は、廊下、階段、防火戸、避難口、手すり、段差、点字ブロックを実際に歩いて確認してください。
停電や煙で普段より見えにくくなる状況や、地震で物が散乱して慣れた経路が使えない場合も想定します。
夜間や休日は人数が減るため、担当者と代行者が同じ勤務帯にいるかまで確認します。
  • 本人が希望する声かけと誘導方法
  • 勤務する階と通常の居場所
  • 主経路と代替経路
  • 階段や段差の位置
  • 停電時にも使える連絡手段
  • 支援担当者と代行者
  • 受付から自衛消防隊への連絡方法

いつもの通路が使えない場合も考えるんですね。

主経路と代替経路を本人と歩いて確かめましょう。

声かけと移動支援で何を伝えるのか

視覚障害者が職員の肘につかまり段差の説明を受けて避難するアイソメ図
誘導中は「こちら」「もう少し」といった曖昧な言葉を避けます。
本人が向いている方向を基準に、右、左、前、段差、階段の上り下りを具体的に伝えます。
東京消防庁は、視覚に支援が必要な人の半歩斜め前に立ち、腕や肘につかまってもらい、行き先と目的を説明して誘導する方法を示しています。
一歩先の変化を言葉で渡します
曲がる前に「ここで右へ曲がります」、階段の前で「下り階段です」と伝えます。
最後の段を下りたら、平らになったことも知らせてください。
狭い場所では、狭くなることを先に説明し、支援者の後ろへ一列になるよう誘導します。
歩く速さは本人へ確認し、支援者の都合で急に速めません
途中で担当を交代するときは、新しい支援者が名乗り、次の経路を声に出して引き継ぎます

段差の直前に言えば間に合いますか?

手前で知らせ、終わった位置も伝えてください。

白杖や盲導犬を直接引いてはいけないのはなぜか

職員が白杖や盲導犬を引かず本人へ誘導方法を確認するアイソメ図
白杖や盲導犬は、周囲の人が引いて方向を変えるための持ち手ではありません。
本人の移動手段を奪うような操作は、転倒や混乱につながります。
東京都の防災マニュアルは、本人の腕や白杖をつかんで引くこと、肩や背中を後ろから押すことを避け、本人へ方法を確認して支援者の肩や肘につかまってもらうよう示しています。盲導犬ユーザーにも同じ考え方で誘導します。
道具ではなく本人へ声をかけます
盲導犬を連れている場合も、犬へ指示したりハーネスを持ったりせず、利用者本人に支援の要否を尋ねます。
介助を断られた場合でも、火元、煙、使えない経路など避難判断に必要な情報は伝えてください。
安全な場所で誘導を終えるときは、現在地と周囲にある物、次の担当者を説明します。
何も言わず離れると状況が分からなくなるため、支援終了を明確に伝えます

盲導犬がおっても、本人へ確認するんですね。

はい。
白杖やハーネスを引かず本人へ声をかけます。

明日から避難支援の手順をどう確認するのか

視覚障害者と施設職員が代替経路を使う避難訓練を行うアイソメ図
最初から大人数の総合訓練にせず、本人と担当者で経路を歩くところから始めます。
本人の同意を得て、普段の明るさ、停電、主経路の通行不能を順に想定してください。
消防法施行規則第3条は、消防計画に火災、地震その他の災害時の消火活動、通報連絡、避難誘導と訓練を定める仕組みを置いています。内閣府の事業継続ガイドラインは、担当者、代行者、教育、訓練、見直しを継続する考え方を示しています。
知らせる・合流する・移動する・引き継ぐまで通して試します
担当者が本人へ火災と避難の必要性を伝え、希望する側へ立ちます。
主経路と代替経路を歩き、段差、階段、防火戸、狭い場所での声かけを試してください。
屋外へ到着したら点呼担当へ引き継ぎ、本人と支援者の無事を安否確認へ反映します。
所要時間、伝わりにくかった言葉、担当者不在時の穴を記録し、消防計画とBCPの両方を同時に更新します。
  • 本人へ希望する支援方法を確認する
  • 担当者と代行者を勤務帯ごとに決める
  • 火元と避難の必要性を具体的に伝える
  • 主経路と代替経路を実際に歩く
  • 段差と階段の声かけを試す
  • 屋外の点呼担当へ引き継ぐ
  • 訓練結果を消防計画とBCPへ反映する

本人と一緒に、代替経路まで歩いてみます。

声かけと移動と点呼への引継ぎまで確認しましょう。

よくある質問

Q 視覚障害者なら全員に同じ誘導が必要ですか?

A いいえ。見え方、慣れた経路、白杖や盲導犬の利用、希望する支援は人によって異なります。まず本人へ支援の要否と方法を確認してください。

Q 火災時は白杖を持って誘導したほうが速くありませんか?

A 白杖を引きません。本人に支援者の肘や肩につかまってもらい、支援者が横半歩前を歩く方法を基本にします。

Q 点字ブロックがあれば人的支援は不要ですか?

A 災害時は物の散乱、煙、停電、経路変更で普段の手掛かりが使えないことがあります。本人の希望に応じて具体的な情報と人的支援を組み合わせます。

Q 来訪者の支援方法は事前に分からないのではありませんか?

A 受付から自衛消防隊へ連絡する担当を決め、災害時に本人へ確認します。決めつけず、その場で短く尋ねられる手順を訓練してください。

まとめ

名乗ってから本人へ支援方法を確認します
腕や白杖を引かず肘や肩につかまってもらいます
支援者は横半歩前を本人の速さで歩きます
右左と段差を具体的な言葉で説明します
主経路と代替経路を本人と確認します
担当者と代行者を勤務帯ごとに決めます
点呼への引継ぎまで実地訓練します

本人と経路を歩いて、支援方法を確認します!

声かけから点呼までを消防計画とBCPへつなぎましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。必要な支援は本人の見え方、希望、建物の構造、火災と煙の状況によって異なります。実際の避難支援は本人、建物管理者、防火管理者、所轄消防署と確認し、無理のない範囲で訓練してください。

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