地震や大雪で従業員が社内待機するとき、電気圧力鍋で備蓄食を調理してもよいのでしょうか。
普段と違う場所や慣れない担当者が使うと、蒸気口の詰まり、食材の入れ過ぎ、減圧前のふたの開放を見落とすおそれがあります。
圧力が残ったままふたを開ければ、高温の蒸気や内容物による重いやけどにつながります。
蒸気口と容量を確認し圧力が下がるまでふたを開けません。
準備から減圧、清掃、異常時の通報までをBCPの手順へ落とし込みます。
電気圧力鍋なら、社内待機中も任せて使えますか?
まず蒸気口と容量を確認しましょう。
調理が終われば、すぐふたを開けてええんですか?
圧力が下がった表示を確認してからです。
- 使用前に蒸気口とパッキンを確認します
- 水と食材を機種の上限以下にします
- 豆類や麺類は専用の上限を守ります
- 調理中は担当者が蒸気と異常を見守ります
- 圧力が下がった表示を確認してからふたを開けます
▼

目次
社内待機中に電気圧力鍋を使ってよいのか

ただし、ボタンを押せば自動で安全になるわけではありません。
使用前に蒸気口などの圧力調整部分とパッキンを確認し、料理に合うモードと容量を取扱説明書で照合します。
調理中は蒸気口へ顔や手を近づけず、子どもや不慣れな人が触れない場所を選びます。
異音、異臭、蒸気の出方の異常があれば加熱を止めます。
そのときも無理にふたを開けず、取扱説明書に従って安全に停止と減圧を行います。
自動調理でも、途中の確認は必要なんですね。
加圧から減圧まで担当者が見届けてください。
どの機器と食材と使用場所を対象に確認するのか

ふた、蒸気口、圧力表示部、パッキン、内鍋、電源コード、食材、設置台、人の動線まで確認します。
豆類や麺類、粘りや泡の出やすい料理は、量が増えたり蒸気経路をふさいだりするおそれがあります。
使用予定のレシピがその機種の圧力調理に対応するか、取扱説明書で確認してください。
蒸気が人や壁面へ直接当たらない、乾いた安定した台を選びます。
避難通路や防火戸の前を避け、プラグと消火器へすぐ届く配置にします。
延長コードや非常用電源を使う場合は、設備担当者が接続の可否を判断します。
- 本体の型式と取扱説明書
- ふたとパッキンの取付状態
- 蒸気口と圧力表示部の汚れ
- 食材と水の種類と上限
- 電源コードとプラグの損傷
- 乾いた安定した設置台
- 人の動線と避難通路と消火器
いつもの分量でも、食材で上限が変わるんですね。
食材別の上限を説明書で確かめましょう。
加圧開始から減圧終了まで何を決めるのか

洗浄、材料計量、ふたの固定、通電、加圧、保温、減圧、開放、配膳、清掃、記録までを一つの手順にします。
計量担当は、料理名、食材、水、総量を確認欄へ記録します。
操作担当は、蒸気口とパッキン、ふたの固定、モード、開始時刻を確認します。
調理中は人が蒸気口へ近づかないよう声をかけ、異常時は停止条件に従います。
終了音だけでふたを開けず、圧力表示や安全ロックが取扱説明書どおりの状態になったことを確認します。
開放後はやけどに注意して配膳し、冷却後に洗浄と記録まで行います。
終了音が鳴っても、まだ開けたらあかんのですね。
圧力表示と安全ロックを確認してください。
蒸気口の詰まりとふたの扱いを見落とすとどうなるのか

食材や汚れが圧力調整部分をふさぐと、圧力の逃げ道が阻害されるおそれがあります。
蒸気の出方がいつもと違う、圧力表示が戻らない、異音や異臭がある場合は、取扱説明書の異常時手順に従います。
圧力が残る間はふたへ力を加えず、蒸気口をのぞき込まず、機器を移動しません。
無理な開放や急な排気は高温の蒸気と内容物を周囲へ出す危険があります。
発煙や火災を確認したら、周囲へ知らせ、無理のない範囲で電源を遮断し、119番通報と避難を優先します。
異常を起こした機器は原因が確認できるまで再使用しません。
蒸気が出えへんときも、ふたは触らん方がええんですね。
はい。
異常時手順に従って近づけないようにします。
明日から電気圧力鍋の運用をどう確認するのか

次に料理を一つ決め、食材の上限、禁止事項、蒸気口の手入れ、減圧と開放の方法を確認してください。
異常を起こす試験は行わず、平常時に担当者が取扱説明書どおりの手順を実行できるか確認します。
訓練では、蒸気口の詰まりや圧力表示の異常を想定し、触らない範囲、停止、周囲への声かけ、通報、避難を机上で確認します。
結果は消防計画の出火防止と、BCPの食事提供を続ける調理手順へ反映します。
機器やレシピを変更したときは、上限量と減圧方法を再確認してください。
- 本体の型式と取扱説明書を照合する
- ふたとパッキンと蒸気口を確認する
- 食材と水を機種の上限以下にする
- 乾いた安定した場所で電源を接続する
- 調理中の担当者と停止条件を決める
- 圧力表示を確認してからふたを開ける
- 冷却後の洗浄と記録まで実施する
一台と一つの料理で、最初から最後まで試します。
その結果を施設の手順へ反映しましょう。
よくある質問
まとめ
蒸気口の確認から順に、一台で試します!
容量と減圧と清掃をBCPへ落とし込みましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消費者庁 圧力鍋を安全に正しく使用しましょう
- 製品評価技術基盤機構 鍋・圧力鍋による事故
- 内閣府 事業継続ガイドライン 令和5年3月
- e-Gov法令検索 消防法第8条
- e-Gov法令検索 消防法施行規則第3条
※本記事は公表されている法令および製品安全に関する公的資料に基づく一般的な解説です。使用できる食材、容量、蒸気の出方、停止、減圧、ふたの開放、清掃方法は製品によって異なります。実際の運用は取扱説明書を確認し、必要に応じてメーカー、電気設備担当者、防火管理者、所轄消防署へご相談ください。





