従業員の中に消防団員として活動している人がいる会社には、地域の消防防災力を支える存在として評価される仕組みがあります。
表示証を受け取れば社屋やホームページで公表でき、自治体によっては減税や融資の優遇を受けられることもあります。
一方で、市町村の認定と総務省消防庁の認定はまったく別物で、基準も有効期間も違います。
この記事では、認定の入口から更新の注意点までを要綱の条文にもとづいて整理します。
うちの会社にも消防団員として働いている従業員がいます。
こういう協力は何か評価してもらえる制度はあるのでしょうか。
はい、消防団協力事業所表示制度という仕組みがあります。
会社の協力が認められれば表示証を受け取れます。
表示証をもらうと、なにかいいことはあるんですか。
社屋やホームページで公表でき、自治体によっては減税や融資の優遇もあります。
まずは認定の基準から確認していきましょう。
- 従業員が消防団員として働く会社は、消防団協力事業所表示制度の対象になります。
- 市町村の認定基準は5つの基準のうち1つを満たせば足ります。
- 総務省消防庁の認定は市町村の認定が前提で、従業員数に応じた団員数の基準があります。
- 表示証の有効期間は2年で、更新の手続きが必要です。
- 消防関係法令に違反していると表示証は交付されません。
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目次
なぜ消防団に協力する会社に表彰される仕組みがあるのか

働きながら消防団活動を続けられる環境づくりが、地域の防災力を左右します。
平成19年1月に運用が始まり、消防団員の減少と被雇用者化が進むなかで、事業所側の理解と協力を得る目的で作られました。
表示証は市町村単位の認定と、総務省消防庁による全国レベルの認定の2段階に分かれています。
どちらも消防団活動に協力する事業所を応援する仕組みで、罰則や義務を課すものではありません。
まずは自社が対象になりうるかどうかを次の章で確認します。
うちのような普通の会社でも対象になるんでしょうか。
はい、業種は問いません。
従業員が消防団員として働いていることが入り口になります。
どんな会社が市町村の協力事業所に認定されるのか

ただし条文の骨格は、総務省消防庁が示した要綱例と共通しています。
団員の在籍だけでなく、勤務時間中の出動への配慮や、災害時の資機材提供、機能別分団への協力でも道が開けます。
具体的な団員数の基準は市町村ごとに違い、全国調査では1名から5人以上とする例が多く見られます。
在団年数を条件に加える市町村もあるため、詳しい数字は所轄の市町村や消防本部に確認するのが確実です。
基準を満たすか迷ったら、まず担当窓口に相談してみましょう。
団員の人数が少ない会社でも認定されることはあるんですか。
はい、団員数だけが基準ではありません。
資機材の提供や機能別分団への協力でも認められます。
総務省消防庁の認定は市町村となにが違うのか

基準は要綱細則で具体的な人数まで定められています。
従業員が50人以下なら団員5人以上、51人から60人なら6人以上というように、従業員数に応じて必要な団員数が細かく決まっています。
101人以上の会社は、超えた人数40人ごとに1人を加えていく計算式で必要な人数を求めます。
消防関係法令に違反していないことも条件で、内規や社是で協力を明文化していることも求められます。
市町村の認定が前提になるので、いきなり総務省消防庁に申請することはできません。
うちは従業員が80人くらいなんですが、団員は何人必要なんでしょうか。
その規模なら団員8人以上が目安です。
ただし市町村の認定を先に受けていることが前提です。
認定を受ければ表示証はずっと使えるのか

更新を忘れると表示を続けられなくなります。
期限が来る前に、協力の実績と表示を続ける意思を確認したうえで更新の手続きが行われます。
事業の廃止・休止や基準を満たさなくなったとき、不正な手段で交付を受けたときは認定が取り消されます。
更新時に団員数の基準を一時的に満たさなくても、他の基準を満たしていれば1回に限り更新できる救済もあります。
取り消されたときは、交付済みの表示証を速やかに返還しなければなりません。
更新のときに団員が減っていたらどうなるんでしょうか。
1回に限り救済の余地があります。
ただし他の基準を満たしていることが条件です。
表示証を得るために明日から何をすればよいか

まずは自社の協力の中身を整理することから始めます。
自社で申請書を提出する方法のほか、消防団長等からの推薦を受ければ申請書の提出が不要になり、事務負担が軽くなります。
消防関係法令に違反していると表示証は交付されないため、日頃の点検や届出をきちんと済ませておくことが前提です。
勤務時間中の出動への配慮や賃金の扱いを内規に定めておくと、審査でも協力の実態を示しやすくなります。
まずは所轄の消防署や市町村の担当課に、自社の協力内容を伝えて相談することから始めましょう。
何から相談すればいいのか分からないんですが。
まずは所轄の消防署に相談してみてください。
従業員の消防団活動をどう配慮しているかを伝えるだけで十分です。
よくある質問
まとめ
消防団への協力が、こんな形で会社の評価につながるとは知りませんでした。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
まずは従業員の消防団活動をどう配慮しているか、整理するところから始めてみてください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 総務省消防庁「消防団協力事業所表示制度実施要綱」(令和3年8月30日施行)
- 総務省消防庁「消防団協力事業所表示制度」総務省消防庁表示証交付要綱細則(令和3年8月30日施行)
- 総務省消防庁「消防団協力事業所表示制度導入の手引き」所収 ○○市(町村)消防団協力事業所表示制度実施要綱(例)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。制度の詳しい要件や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄の消防署または市町村の担当窓口にご確認ください。





