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給油取扱所にドライブスルー・理容室は設置できる?防火塀の出入口特例も解説

給油取扱所に自動車の出入口として防火塀を設けなくてよい範囲、ドライブスルーや窓越し販売の可否、理容室・美容室の設置、事務所等へのアンテナ設置など、実際の営業形態に関わる論点を、実際の質疑応答をもとに解説します。

うちのスタンドは、出入口すべてに防火塀が必要でしょうか。
道路に面している部分もあります。

現に道路として機能していて、一般交通の用に供されている部分なら、防火塀を設けなくても差しつかえないですよ。

ドライブスルーのコーヒーショップを併設したいという相談がありますが、可能でしょうか。

販売窓を給油空地・注油空地の直近に設けなければ認められます
窓の位置さえ気をつければ大丈夫です。

理容室を併設したいというオーナーもいますが、業種として難しいでしょうか。

業種名だけでは判断されません。
給油や点検整備で来店する人向けの理容室なら、設置を認めてもらえますよ。

この記事の結論
  • 自動車等の出入口部分は、現に道路として機能し一般交通の用に供されていれば防火塀を設けないことができる
  • ドライブスルーや窓越しの物品販売は、販売窓を給油空地・注油空地の直近に設けなければ認められる
  • 給油取扱所内の理容室・美容室は、給油等の利用者を対象とするものであれば設置を認められる
  • 給油取扱所の事務所等には、火災予防上支障がない場所であればPHS等のアンテナを設置できる

出入口・ドライブスルー・理容室の図解

自動車等の出入口は道路として機能していれば防火塀を設けなくてよい

防火塀出入口アイコン

給油取扱所の自動車等が出入りする側について、防火塀を設けないことが可能かという照会がありました。

図で示されたabc-efg、abcd-efgh、abg-efで囲まれる部分が、現に道路としての形態を有し、一般交通の用に供されており、自動車等の通行が可能な場合は、差しつかえないとされています。単に「出入口だから塀がなくてもよい」ということではなく、その部分が実質的に公道と一体化して機能していることが条件になります。

現に道路として使われている部分なら、塀が要らないのですね。

一般交通の用に供されていることが前提です。
接道の状況を図面で示せるようにしておいてください。

ドライブスルーは販売窓を給油空地・注油空地の直近に設けなければ認められる

ドライブスルーアイコン

ドライブスルー形式や窓を介しての物品の販売は認められるか、という照会もありました。

販売に供する窓を給油空地又は注油空地の直近に設けない場合にあっては、認めて差しつかえないとされています。給油空地・注油空地の近くに販売窓を設けてしまうと、給油作業と物品受け渡しの動線が交錯し危険性が高まるため、窓の位置を空地から離すことが条件になります。

販売窓の位置に気をつければよいのですね。

給油空地や注油空地の直近を避けます。
動線の図を用意して、事前に相談してください。

給油取扱所内の理容室・美容室は給油客向けであれば設置できる

理容室・美容室アイコン

給油取扱所の建築物の用途について、理容室・美容室等の扱いに関する照会もありました。

用途区分取り扱い
キャバレー、ナイトクラブ、ぱちんこ店、ゲームセンター等の風俗営業に係るもの給油取扱所の用途から除かれる(原則不可)
給油、灯油の詰替え又は自動車等の点検・整備若しくは洗浄のために給油取扱所に出入りする者を対象とする理容室・美容室等設置を認めて差しつかえない
規則第25条の4第1項第2号に掲げる給油取扱所の建築物の用途については、キャバレー・ナイトクラブ・ぱちんこ店・ゲームセンター等の風俗営業に係るものや、理容室・美容室等は「主としてこれらの者以外の者を対象とする」ことが明らかであるため、原則としてこの用途からは除かれます。ただし、実態として給油・灯油の詰替え・点検整備・洗浄のために来店する利用者を対象とすることが認められる理容室等であれば、設置を認めて差しつかえないとされています。単なる業種名で一律に判断するのではなく、実際の利用者層で判断する、という整理です。

業種の名前だけでは決まらないのですね。

来店する人の目的で判断されます。
誰を対象にした店舗かを、計画書に書いておきましょう。

給油取扱所の事務所等にはPHS等のアンテナを設置できる

PHSアンテナアイコン

給油取扱所の事務所等にPHS等のアンテナを設けることについても照会がありました。

建築物の屋根等の火災予防上支障のない場所であれば、認めて差しつかえないとされています。(危険物の規制に関する政令第27条第6項第1号関係)通信用アンテナの設置自体を一律に禁止するものではなく、火災予防の観点から設置場所を個別に確認すればよい、という整理です。

アンテナも、場所しだいで認められるのですね。

火災予防上支障のない場所が条件です。
設置業者に位置の図を出してもらってください。

よくある質問

よくある質問アイコン

Q. 出入口には必ず防火塀を設けなければなりませんか?
必ずではありません。その部分が現に道路として機能し、一般交通の用に供され自動車等の通行が可能な場合は、防火塀を設けないことができます。
Q. ドライブスルーの販売窓はどこに設けても構いませんか?
給油空地又は注油空地の直近には設けられません。それ以外の位置であれば認められます
Q. 給油取扱所に理容室を設けることはできますか?
給油・灯油の詰替え・点検整備・洗浄のために出入りする利用者を対象とするものであれば、設置を認めて差しつかえないとされています。

まとめ

  • 自動車等の出入口は道路として機能していれば防火塀を設けなくてよい
  • ドライブスルーの販売窓は給油空地・注油空地の直近を避ければ認められる
  • 理容室・美容室は給油客等を対象とするものであれば設置できる
  • 事務所等へのPHS等のアンテナ設置は火災予防上支障がなければ認められる

事務所にアンテナを立てるのも、規制の対象かと思っていました。
すっきりしました。

火災予防上支障のない場所であれば、PHS等のアンテナを設置しても差しつかえないですよ。

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第17条、第27条 危険物の規制に関する規則第25条の4 e-Gov法令検索
  • 「消防実務六法 質疑応答編」(消防実務研究会編・東京法令出版)給油取扱所の出入口・ドライブスルー・理容室・アンテナ設置に関する質疑応答を参考に、独自に解説を作成

※本記事は2026年6月時点の法令解釈に基づく一般的な解説です。個別の設計内容については所轄消防署にご確認ください。

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

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