BLOG

防火管理を再委託してはいけないのか|消防庁の執務資料が示す連携と責任の確認ポイント

防火管理業務の再委託を避けて連絡経路を確認する建物

防火管理を外部の会社に任せている建物では、契約先が実際に誰なのかを把握することが欠かせません。
とくに委託先がさらに別会社へ業務を流す再委託は、緊急時の連絡と責任の所在を曖昧にします。
消防庁の執務資料も、管理権原者との連携が不十分になるおそれから、こうした形を適当でないと整理しています。
この記事では、契約書と消防計画を照らし、誰が直接責任を持って動くのかを確かめる順番を解説します。

委託先がさらに別会社へ任せていると聞きました。
防火管理まで任せてよいのでしょうか。

契約相手と緊急時の担当者を分けて確認しましょう。
連絡が一段増える契約は特に注意が必要です。

名前だけ防火管理者になっていれば足りると思っていました。
実際に動く会社まで見ないといけないのですね。

そのとおりです。
権限と連絡経路が現場で機能するかを確認します。

この記事の結論
再委託は、管理権原者との連携を薄くするおそれがあります。
外部委託では直接の受託者と業務範囲を明確にします。
火災時の通報、初動、連絡先を同じ資料で確認します。
消防計画には受託者の氏名又は名称と業務の範囲を定めます。
契約変更時は所轄消防署への相談も含めて見直します。

防火管理の再委託で連携を確認する流れ

防火管理の再委託はなぜ避けるべきなのか

管理権原者と直接の委託先を結ぶ連絡経路

防火管理は、管理権原者が建物の実態に即して体制を整える制度です。外部に業務を任せる場合でも、誰が受託者として責任を負うかが見えなければ、消防計画の内容を実行に移せません。

消防庁の平成16年消防安第90号の執務資料は、管理全般を委託された会社がさらに別会社へ委ね、その会社の社員を防火管理者に選任する形について、管理権原者等との連携が不十分になる可能性を指摘しています。

契約が複数あっても問題はないと思っていました。
連絡の一段増加が問題になるのですね。

緊急時は判断の伝達速度が重要です。
直接の窓口を決めておきましょう。

どこまでが委託先の業務になるのか

防火管理を再委託した場合の長い連絡経路

消防法施行規則は、外部の者に防火管理上必要な業務を委託している場合、消防計画に受託者の氏名又は名称、住所、業務の範囲と方法を定める考え方を示します。

設備点検、巡回、訓練補助などを委託しても、管理権原者の責任や防火管理者の役割が消えるわけではありません。契約書で再委託の可否と事前承諾を確認してください。

点検を任せる契約と防火管理の契約は別に見ます。
業務の範囲を書面で照らします。

業務範囲と連絡担当を同じ表にしましょう。
抜けや重なりを見つけやすくなります。

緊急時にどんな連絡漏れが起きるのか

緊急時に連絡が途切れるおそれを示す警報ベル

自動火災報知設備の受信機が鳴ったとき、誰が現場確認をし、誰が管理権原者へ伝え、誰が消防隊へ情報を渡すかは、平時に決めておく必要があります。中間の会社を経由するだけの体制は、連絡不能や判断の遅れを招きます。

夜間、休日、設備の故障時まで想定し、一次連絡先と代行者を確認します。電話番号だけでなく権限も確認して、現場で待たせない体制にします。

火災報知のあと誰に連絡するかまで決めます。
契約先だけでは足りない場合があるのですね。

連絡表は夜間も含めて更新します。
代行順位まで決めると実効性が上がります。

契約書と消防計画のどこを確認するのか

契約書と連絡先を確認する防火管理の点検

まず契約書で、再委託を認める条項、事前承諾の要否、事故時の報告先を確認します。次に消防計画と見比べ、そこに書かれた受託者の名称が実際の担当会社と一致するかを確認します。

名称が違う、担当範囲が曖昧、緊急連絡先が古いという場合は、契約と計画を同時に見直すことが必要です。消防計画だけを更新して終わらせないことが大切です。

契約書と消防計画を並べて確認します。
会社名が違ったら理由を確かめます。

書面の一致がまず確認点です。
変更があれば所轄へ相談する準備をしましょう。

明日から再委託のリスクをどう減らすのか

建物図面と緊急連絡先を確認する防火管理

担当会社に、実際に業務を行う会社と担当者を文書で確認します。そのうえで、管理権原者、防火管理者、現場担当者の間に直接つながる連絡経路を置きます。

火災、設備不良、避難障害の連絡を使った小さな訓練を行うと、連絡表の穴が見つかります。契約の説明だけでなく実際の動きを確かめてください。

次の訓練で連絡経路を確かめます。
実際の担当者にも参加してもらいます。

訓練結果を連絡表へ反映します。
直接の責任者を明確にしましょう。

よくある質問

Q

再委託が契約書にあれば問題ありませんか?

A

契約だけで判断せず、消防計画の受託者、連絡経路、権限が現場と一致するかを確認します。

Q

設備点検を別会社へ任せることも再委託ですか?

A

設備点検の契約と防火管理業務の範囲は分けて確認します。誰が何を担うかを書面で明らかにします。

Q

消防計画はいつ見直しますか?

A

委託先、担当者、業務範囲、連絡先が変わった時点で見直します。変更前の相談が安全です。

Q

所轄消防署へ何を相談すればよいですか?

A

委託の形、受託者の担当範囲、消防計画の変更要否を示して相談します。建物ごとの運用を確認してください。

まとめ

再委託は連携を薄くするおそれがあります。
✔ 直接の受託者と業務範囲を確認します。
消防計画の会社名と現場を照らします。
緊急連絡先を夜間まで確認します。
✔ 契約変更時は計画も見直します
直接の責任者を連絡表に記します。
✔ 所轄消防署へ早めに相談します。

連絡経路を確認しておきます。
これなら委託先とも話し合えます。

契約と消防計画を一緒に点検します。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第3条第2項 e-Gov法令検索
  • 消防庁「執務資料の送付について」平成16年5月19日消防安第90号 別添問5
  • 消防庁「新築の工事中の建築物等に係る防火管理及び防火管理者の業務の外部委託等に係る運用について」平成16年消防安第43号

※本記事は公表されている法令および消防庁資料に基づく一般的な解説です。委託契約と消防計画の扱いは建物や所轄の運用で異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
防火管理業務の再委託を避けて連絡経路を確認する建物
防火管理を外部の会社に任せている建物では、契約先が実際に誰なのかを把握することが欠かせません。とくに委託先がさらに別会社へ業務を流す再委託は、緊急時の連絡と責任の所在を曖昧にします。消防庁の執務資料も、管理権原者との連携...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →