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BCPで地震後に誘導灯の表示面が割れていても点灯していれば使えるのか|視認性確保と復旧確認の手順を解説

えんじ色の上着と黒の長ズボンの作業員が割れた誘導灯の表示面を記録するアイキャッチ

地震後の巡回で、誘導灯の緑色の表示面にひびや欠けを見つけたらどうしますか。
光っているから避難には使えると考え、そのままにすると、表示の見えにくさや破片の落下、内部部品の損傷を見落とすおそれがあります。
点灯していること避難方向を安全に示せることは同じではありません。
施設担当者は表示面へ触れず状態を記録し代替の避難案内と専門点検へつなぎます

誘導灯は光っています。
ひびがあっても使えますか。

点灯だけで判断しません
表示と外形を分けて見ましょう。

応急でテープを貼ればよいですか。

覆わずに見える状態を記録します。
危険範囲から人を離しましょう。

この記事の結論
  • 割れた表示面を点灯だけで使用可と判断しません
  • 設置場所と機器番号とひびや欠けの範囲を触る前に記録します
  • 表示面と外箱と取付部と非常電源を一体で専門点検します
  • 危険範囲を避けて代替経路と人による案内を確保します
  • 修理後は表示と点灯と非常時の切替機能を確認します

地震後に割れた誘導灯の表示面へ触れず代替案内と専門点検へつなぐ横長アイソメ図

地震後に誘導灯の表示面が割れていても点灯していれば使えるのか

割れた誘導灯の表示面を触らず撮影する担当者のアイソメ図

結論からいえば、点灯していても割れた表示面を正常な誘導灯として扱いません
消防庁の点検基準は、外箱と表示面の外形、表示、光源を別々の確認項目にしているためです。

総務省消防庁の「別表第16 誘導灯及び誘導標識の点検の基準」は、誘導灯の外箱及び表示面に変形、損傷、脱落、著しい汚損等がないこと、表示が適正であること、光源が正常に点灯していることを確認事項にしています。

まず誘導灯へ手を伸ばさず、ひび、欠け、浮き、破片、外箱の変形、取付部の傾きを離れた位置から確認します。
床へ破片が落ちている、表示面が外れかけている、天井材も動いている場合は、真下だけでなく落下時に届く範囲を立入制限してください。
表示が点いていても、矢印や走る人の図が欠けて避難方向を判別しにくければ、誘導の機能は十分とはいえません。
施設担当者が表示面を押し戻したり、割れ目をテープで覆ったりすると、損傷状態を変え、落下を招くおそれがあります。
写真には誘導灯全景、表示面の割れ、床の破片、周囲の通路、機器番号を入れ、発見時刻と未接触であることを残します。
火災や煙がある場合は119番通報と避難を優先し、消防隊へ使用を保留している誘導灯の場所代替経路を伝えます。

光源が無事でも使用保留なんですね。

はい。
外形と表示と点灯を分けます。

どの誘導灯と避難経路を対象に確認するのか

誘導灯の表示面と光源と非常電源を分けて示すアイソメ図

破損した一台だけでなく同じ避難経路にある誘導灯と出口をつなげて確認します
一台を使用保留にすると、その場所を避けた人が次にどの表示を見て移動するかまで決める必要があります。

消防庁の点検基準は、誘導灯が所定の種類で所定の位置に設置され、間仕切り、広告物、装飾等による視認障害がないことを確認事項にしています。表示面の損傷だけでなく、避難者からの見え方も確認対象です。

設備図、避難経路図、最新の点検票を用意し、次を照合します。

  • 破損した誘導灯の階、区画、機器番号、種類
  • 避難口誘導灯か通路誘導灯かの区分
  • 表示する出口、方向、階段、通路のつながり
  • 同じ揺れを受けた近くの誘導灯の外形と取付状態
  • 代替経路から見える誘導灯と最終出口

表示面の一部が欠けると、正面からは読めても斜め方向から矢印が読みづらくなる場合があります。
照明を落とした状態だけでなく、普段の照明、広告、仮設物、人の流れを含めた見え方を確認してください。
立入制限のコーンやバーが通路幅を狭めたり、防火戸、消火器、屋内消火栓の操作を妨げたりしてはいけません。
破損箇所を避けるための案内が、別の危険な区画や行き止まりへ誘導していないかも現地で歩いて確かめます。
記録には誘導灯の種類表示方向代替経路からの視認性を入れます。

その一台だけを撮れば足りますか。

周囲も見ます。
出口まで連続して確認します。

発見から代替案内と専門点検までどう進めるのか

割れた誘導灯を専門家が点検し担当者が迂回を案内するアイソメ図

落下危険を避けた代替案内と誘導灯の専門点検を同時に進めます
設備を直すまで待つだけでは、使用保留中の避難誘導に空白ができます。

消防法第17条は、関係者に消防用設備等を技術上の基準に従って設置し、維持することを求めています。消防法第17条の3の3は、一定の防火対象物について消防用設備等の点検と結果報告を定めています。

実務では次の順序で進めます。

  1. 火災、煙、焦げ臭さ、落下物がないか安全な位置から確認する
  2. 誘導灯全景と割れと床の破片を触る前に撮影する
  3. 機器番号と表示方向と案内する出口を図面で特定する
  4. 落下範囲を立入制限し安全な代替経路を決める
  5. 人による声かけと仮の方向表示を必要な場所へ置く
  6. 消防設備士や保守会社へ専門点検を依頼する
  7. 修理後の表示、点灯、非常時切替を確認して再開する

仮の方向表示は、正式な誘導灯の代わりとして恒久使用するものではありません。
使用保留中の短い期間に人を安全な経路へ導く補助として、担当者の配置や館内放送と組み合わせます。
専門家には表示面だけでなく、外箱、取付部、光源、点検スイッチ、ヒューズ類、結線接続、非常電源まで確認を依頼します。
破片を回収する場合も、表示面の脱落や感電の危険を専門家が除いた後に行ってください。
代替措置と施設の継続使用は建物用途、在館者、階数、ほかの消防用設備の状態で変わります。
所轄消防署と専門家へ相談し、代替案内の開始時刻点検結果経路再開の承認を一つの記録へまとめます。

修理まで通路を閉めるだけではないんですね。

代替の案内を先に確保します。
点検も並行しましょう。

小さなひびならテープで補修できると思うと何を見落とすのか

割れた誘導灯と仮の避難方向表示を別に確認するアイソメ図

ひびの長さだけでは表示面の脱落や内部部品への影響を判断できません
地震の力が外箱や取付部へ伝わっていれば、見える割れ以外の異常が残ることがあります。

消防庁の点検基準は、表示面の外形と表示に加え、光源、点検スイッチ、ヒューズ類、結線接続、非常電源の外形・表示・機能をそれぞれ確認する構成です。

テープを貼ると、割れ目や欠けの広がりを隠し、矢印や絵記号の見え方を変えることがあります。
接着剤で固定すると表示面の交換や内部点検を妨げ、製品本来の状態を変えるおそれがあります。
通常電源で点灯していても、停電時に内蔵電池へ切り替わる機能が正常とは限りません。
表示面の破損だけを直しても、外箱の変形、取付金具の緩み、配線の傷、点検スイッチの異常は残り得ます。
また、表示面から離れた位置に仮の案内を置く場合、元の誘導方向と食い違えば混乱を招きます。
専門点検では表示の視認性器具の固定非常電源への切替を別々に判定してください。

透明テープでもだめですか。

自己補修は避けます。
元の破損状態を残すことが先です。

明日から誘導灯の表示面破損にどう備えるのか

復旧した誘導灯の表示と非常時切替を確認する担当者のアイソメ図

平常時の表示と経路を写真で残し災害後に比べられる確認票を作ります
破損を見つけてから機器番号や代替経路を探すと、避難誘導と施設再開の判断が遅れます。

内閣府の「事業継続ガイドライン」は、重要業務に必要な資源を把握し、被害状況の確認から復旧または代替策へつなげ、計画を継続的に改善する考え方を示しています。誘導灯の不具合も施設の再開条件へ組み込みます。

明日から次の順番で確認してください。

  1. 誘導灯の機器番号と種類を現地と図面で照合する
  2. 表示面、外箱、取付部の平常時写真を保存する
  3. 各誘導灯が示す出口と経路を一覧にする
  4. 破損時の立入制限範囲と撮影項目を決める
  5. 安全な代替経路と案内担当者を決める
  6. 消防設備士と保守会社の緊急連絡先を更新する
  7. 修理後の機能確認と経路再開の承認者を決める

確認票には、階、区画、機器番号、種類、表示方向、ひび、欠け、破片、外箱、取付部、点灯、未接触の確認、代替経路、案内担当者、点検依頼先、修理内容、非常時切替、復旧日、承認者を設けます。
訓練では実物を壊さず、破損写真カードを誘導灯の近くへ置き、発見、撮影、立入制限、代替案内、連絡までを確認できます。
館内放送が届きにくい場所、外国人や視覚に配慮が必要な利用者、夜間の少人数体制も想定してください。
分解、表示面の交換、結線確認、非常時切替の試験は、対象設備に応じて消防設備士や保守会社が行います。
少なくとも誰が人を危険範囲から離すか誰が代替経路を案内するか誰が再開を承認するかを決めてください。

写真カードなら訓練しやすいですね。

実物には触れません。
発見から案内までを練習します。

よくある質問

Qひびが小さくても使用を保留しますか?
A点灯だけで使用可とは判断しません。外形と表示を記録し、専門点検へつなぎます。
Q透明テープで応急補修できますか?
A自己補修は避けます。割れを隠さず、表示面や内部を含む専門点検を依頼します。
Q表示面だけ交換すれば復旧ですか?
A外箱、取付部、光源、結線、非常電源も確認します。機能確認後に経路を再開します。
Q復旧前でも施設を使えますか?
A建物用途、在館者、代替経路、ほかの設備で異なります。所轄消防署と専門家へ相談してください。

よくある誤りは、緑色に光っているため表示面の割れを軽い外観不良として扱うことです。
表示が適正であること器具が安全に固定されていること停電時にも機能することを分けて判断してください。

まとめ

点灯だけで割れた誘導灯を使用可と判断しません。
表示面と床の破片を触る前に撮影します。
落下範囲を避けて代替の避難案内を確保します。
表示面から非常電源まで専門点検します。
テープや接着剤で自己補修しません
修理後は表示と点灯と非常時切替を確認します。
点検結果と経路再開の承認をBCPへ戻します。

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点灯だけで決めず安全な誘導へつなげましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および消防庁・内閣府の資料に基づく一般的な解説です。割れた誘導灯を点灯だけで使用可と判断せず表示と外形と非常時機能を確認してください。個別の点検、分解、補修、交換、機能確認、代替誘導、施設や避難経路の再開判断は、防火管理者、建物管理者、消防設備士、保守会社、所轄消防署へご確認ください。

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